2022.03.24
健康の科学肝機能が低下した時の症状は?肝機能障害を予防するために
「肝機能」は、健康診断の結果で多くの方が気になる項目のひとつでしょう。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、少し悪くなったくらいでは自覚症状が出ません。健康診断で気がつくことができるかもしれませんが、疎かにしていると見逃されてしまいます。
今回は、肝臓の機能を守るために大切なことについて紹介します。
目次
肝臓の役割とは
肝臓の役割は、大きく3つあります。
まずは、食べ物の分解と貯蔵です。ブドウ糖や脂肪をためたり、タンパク質の合成・分解をしたりしています。
消化液である胆汁を作っているのも肝臓です。胆汁は、食べ物に含まれる脂質を吸収されやすいようにするほか、タンパク質の分解にも関わります。
もう1つ大切な役割は、解毒です。アルコールやアンモニアなど、体に蓄積すると悪い影響を及ぼす物質を分解しています。
肝臓は人の体の中で最も大きな臓器で、たくさんの役割をこなしているのです。
健康診断でみるべき肝機能の数値は?
肝機能を見るための検査項目は「AST・ALT」です。ASTとALTは肝臓の細胞で作られる物質で、細胞がダメージを受けて壊れることで、細胞の内側から漏れ出て数値が上がります。
ASTは筋肉や赤血球にも含まれますが、ALTはほとんど肝臓の細胞にしかありません。そのため、肝機能障害が起こると、ASTよりもALTの方が数値が高くなります。
「γ-GTP」という項目も、肝臓の機能をあらわす項目のひとつ。ただし、γ-GTPは肝臓の病気だけでなく、膵炎・胆管炎・過剰栄養・肥満などでも上昇します。総合的な判断が必要な項目です。
肝機能を守るために
肝機能を守るために、日ごろの生活で何ができるでしょうか。気を付けたいことについて解説します。
お酒を飲みすぎないこと
肝臓を悪くするものの代表といえば、アルコールです。
「お酒は節度を持って」とは聞いたことがあると思いますが、具体的な量をご存じですか?以下の表を参考に、自分が飲みすぎていないかどうか、確認してみましょう。
種類 | 量 | アルコール量 |
---|---|---|
ビール | 500ml | 20g |
日本酒 | 1合 | 22g |
チューハイ(7%) | 500ml | 20g |
ワイン | 1杯 | 12g |
ウイスキー | シングル | 10g |
国によって多少変わりますが、アルコール摂取は1日20gまでにとどめるのがよいとされています。ご自身の飲酒量はどうですか?
1日の飲酒量が多かった方は、この表を見ながらアルコールを20gに抑えるように意識することから始めてみませんか。ノンアルコール飲料へ置き換える、家にアルコールを置かないなどの工夫をしてみましょう。
肝臓を休ませるため、そして全体の飲酒量を抑えるために、休肝日を設けることも大切です。週に1日、できれば週に3日の休肝日を目標にしましょう。肝臓を休ませることで、アルコールによって傷ついた肝細胞が修復されるといわれています。
脂肪肝と言われたら生活習慣の見直しを
アルコールや食生活が関係する「脂肪肝」は、生活習慣の見直しで改善が期待されます。
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まった状態のこと。
アルコール、肥満、糖尿病が3大原因といわれています。肝臓の障害は気づかないうちに進行していくものなので、早めの対処が必要です。肥満や栄養過多な食事を改善する、運動をするなどしましょう。
食事のカロリーを抑えるためには、炭水化物や脂質を減らす必要があります。炭酸飲料などカロリーのある飲み物をよく飲む方は、飲み物から変えるとよいです。
運動も脂肪肝の改善に効果的とわかっています。ランニングやウォーキング、筋トレなど、どんな運動でもかまいません。7〜10%の減量で、肝細胞の脂肪が減り、炎症が抑えられるなどの変化が生じます。1日10分からでも運動を始めてみませんか。
肝機能が低下したときの症状は?
肝臓の病気は「脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝臓がん」と進行していくのが一般的です。
はじめのうちは症状がありませんが、進行すると以下のような症状が出ます。
- 皮膚がかゆくなる
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
- 腹水がたまる
- 体がだるい
肝機能は、アルコールのほかウイルス、薬、自分の免疫機能の異常など、さまざまな原因で悪化します。肝機能の悪化を指摘された場合や、定期的な検査をすすめられた場合には、しっかりと受診を継続しましょう。症状がないからといって、通院をやめてしまう方が少なくありません。肝臓の病気は症状が出にくい、ということを忘れずにいてください。
たとえ肝臓がんまで進行しても、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
以下の記事では、肝臓がんの大部分(90%以上)を占める肝細胞がんについて、原因や症状を解説しています。
>>肝細胞がんとは?その原因と治療法について
肝臓がんについて進行度別に詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
>>【肝臓がんステージ2】主な症状とは?余命や生存率を伸ばすためにできること
>>【肝臓がんステージ3】症状を進行度から解説。余命や生存率を知り、適切な治療で完治を目指す
>>【肝臓がんステージ4】余命や生存率は?知っておくべき適切な治療法と完治に対する考え方
まとめ
今回は、気にしている方が多い肝機能について解説しました。
沈黙の臓器と言われ、なかなか症状の出ない肝臓を大切にいたわるために、今日からできることをやってみませんか。
また、もずくやめかぶ、昆布に含まれる「フコイダン」という成分には肝機能向上作用があることが報告されているため、積極的に食事に取り入れてみるといいでしょう。
フコイダンで報告されている作用は、現時点で以下の通りです。
抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用
中でも注目したいのは、日本の死因第1位であるがんに対する作用です。
がん治療の統合医療においてフコイダンは、抗がん剤との併用が可能であり、かつその効果を高めたり、副作用を軽減したりすると期待されています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
毎日の食事に気軽に取り入れられることから、治療だけではなく予防のための活用も可能。
フコイダンは、様々な病気に対する良いアプローチを見込める成分です。健康維持にぜひお役立てください。
そんな美容と健康に対してさまざまな作用をもたらすフコイダンを効率的に摂取できる方法として、最近では「中分子フコイダンドリンク」にも注目が集まっています。
毎日飲むだけで簡単に続けられるので、フコイダンに興味がある方はぜひ、こちらもあわせて検索してみてはいかがでしょうか。
「中分子フコイダンドリンク」で調べると、中分子フコイダンや中分子フコイダンドリンクについてさらに詳しい情報を得ることが可能です。
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