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前立腺がんとは?その症状と治療について

前立腺がんとは?その症状と治療について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

詳しいプロフィールはこちら

前立腺がんとは

前立腺は、膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲む臓器です。
前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっています。
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。

前立腺がんは、日本において年間でおよそ8万人近くが罹患するがんで、近年の人口の高齢化にともなって急増しています。
前立腺がんは50歳代から急速に増え始め、発生の平均年齢が70歳代の高齢男性にみられるがんです。
80歳以上では、およそ半数以上に潜在性の前立腺がん(ラテントがん)があるといわれています。

前立腺がんの検査方法やなりやすい人の特徴については以下の記事を参考にしてください。
>>前立腺がんの初期「ステージ0-1期」の症状・治療法・再発予防対策を解説。効果的な食べ物や気になる余命は?

前立腺がんの症状

前立腺がんは一般的には、発がんから診断されるがんになるまで、40年近くかかるといわれるほど成長がゆっくりのがんです。
したがって、早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がなく、主にステージ2・3あたりから症状が感じられることが多いです。
しかし、尿が出にくい(排尿障害)、排尿の回数が多い(頻尿)、尿が残っている感じ(残尿感)などの症状は初期段階から出ることもあります。

進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛、歩行困難などの骨への転移による痛みがみられることがあります。

ステージ2・3で起こる症状や治療法の詳しい内容は以下の記事を参考にしてください
>>前立腺がん2-3期ステージの症状・治療法・余命を解説

前立腺がんの診断

前立腺がんの診断
前立腺がんの診断には、PSA検査、直腸診、経直腸エコー(超音波)などが使われ、最終的な確定診断には前立腺生検が行われます。
PSA検査は、採血のみで簡単に受けることができる検査であり、スクリーニング検査のなかでもっとも精度が高いと言われます。
前立腺液にはPSA(前立腺特異抗原)という特殊なタンパク質が含まれており、正常なときにはPSAは前立腺から精液中に分泌されます。

しかし、前立腺がんになるとPSAが血液中に増加します。
このため、PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして利用されています。

前立腺生検では、超音波による画像で前立腺の状態をみながら、細い針で前立腺を刺して組織を採取し、顕微鏡で調べます。
初回の生検では10~12カ所の組織採取を行います。

がんの広がりや転移の有無は、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィ検査などの画像検査で調べます。
前立腺がんの病期(ステージ)は、がんの広がり(T)、リンパ節転移の有無(N)、および遠くの臓器への転移の有無(M)によって診断されます(TNM分類)。

また、転移のない前立腺がんは、T-病期、グリーソンスコア、PSA値の3つの因子を用いて低リスク群、中間リスク群、高リスク群に分けられます。
このうちグリーソンスコアは、前立腺がんの悪性度を表す顕微鏡所見の分類です。
グリーソンスコアが6以下は性質のおとなしいがん(高分化がん)、7は中くらいの悪性度(中分化がん)、8~10は悪性度の高いがん(低分化がん)とされています。

前立腺がんの治療・予後

前立腺がんのおもな治療法は、無治療経過観察(PSA監視療法)、手術(外科治療)、放射線治療(外照射、小線源治療)、ホルモン療法(内分泌療法)、化学療法です。
これらの治療を単独で、あるいは組み合わせて行います。

手術に関しては、一部の施設においてロボット支援前立腺全摘による侵襲(体への負担)が少ない治療が行われるようになってきました。

放射線治療では、強度変調放射線療法や粒子線治療(陽子線、重粒子線)など、がんに対してピンポイントで照射できる治療法が使われるようになってきました。

ホルモン療法は、男性ホルモンの分泌や働きを抑えて、がん細胞の増殖を抑制しようとするもので、去勢術 (精巣摘除術)、LH-RH(GnRH:性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アナログ、抗アンドロゲン(男性ホルモン)剤などによる治療があります。

ステージが進行するほど、周囲の組織や遠隔転移が発生し手術での対応が難しくなり、放射線治療、ホルモン療法、化学療法等のがん腫瘍のある場所や全身に作用する治療法にシフトしてきます。

ステージ4での治療法や余命についての詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。

>>【前立腺がんステージ4】症状・治療法、骨の転移は?余命についても解説

初回のホルモン療法の平均的な効果持続期間は3年程度といわれており、いずれはホルモン治療に抵抗性になります。この様な状態になった前立腺がんを「去勢抵抗性前立腺がん」と呼びます。

前立腺がんは一般的にゆっくりと進行することより、早期に発見すればほぼ治癒することが可能です。実際に5年生存率は100%と最も予後のよいがんといえます。ただ、進行すると、近くのリンパ節や骨などに転移して治療が困難なこともあります。

【まとめ】前立腺がんのサインを見つけるために

前立腺がんの症状は、排尿障害(尿がでにくい、頻尿、残尿感など)です。
ただし、これらの症状は良性の前立腺肥大症でもみられます。
気になる場合には泌尿器科を受診しましょう。

また、前立腺がんは進行すると骨に転移しやすく、腰痛などの痛みがきっかけで発見される場合もあります。

最近では、前立腺の腫瘍マーカーであるPSAを用いたがん検診が普及し、前立腺がんが早期診断されるようになってきました。

ただ一方で、進行がゆっくりで生命を脅かさない前立腺がん(ラテントがん)もみつかることで、過剰診断・過剰治療の問題もでてきています。
また多くの場合、治療には複数の選択肢があります。

PSA検査で前立腺がんと診断された場合には、信頼できる主治医とよく相談し、治療方針を決定する必要があります。

参考文献
全国がんセンター協議会.全がん協生存率調査

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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