2022.01.31
がん咽頭がんとは?その症状と見つけ方について
目次
咽頭がんとは
咽頭は、鼻の奥から食道の入り口までの飲食物と空気が通る部位で、およそ13cmの長さの管(くだ)です。
咽頭は、上から上咽頭(鼻の奥付近)、中咽頭(舌の付け根まで)、下咽頭(食道の入り口)の3つの部位に分類されます。
咽頭がんは、その発生した部位によって上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分類されます。
咽頭がんの危険因子
咽頭がんは男性に多く、50歳代以降でかかることが多い病気です。咽頭がんの危険因子は、喫煙および飲酒です。
食道がんと同様に、お酒を飲むと顔が赤くなる“フラッシャー”と呼ばれる体質の人が長期的に大量の飲酒を続けると、特にかかりやすいといわれています。
また、特定のウイルスも原因となることがわかっています。
例えば、上咽頭がんの大部分は、EB(エプスタイン・バー)ウイルスの感染が原因となっておこります。
また、中咽頭がんは、子宮頸がんの原因ともなるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因でおこることがわかっており、日本で増加傾向にあります。
咽頭がんの症状
咽頭がんでは、以下のような様々な症状がでることがあります。
- 鼻づまり・鼻出血
- 耳閉感(耳のつまった感じ)・難聴
- のどの違和感・異物感(ひっかかる感じ)
- 飲食物を飲み込むときののどの痛み・しみる感じ
- 飲食物(とくに固形物)が飲み込みにくい感じ(嚥下障害)
- 嗄声(させい:声のかすれ)
- のど・首のしこり(とくに大きくなるもの)
- 血痰(けったん:血の混じった痰)・吐血(とけつ:消化管からの出血)など
咽頭がんの診断
咽頭がんが疑われた場合、視触診、喉頭鏡検査、あるいは内視鏡検査が行われます。これらの検査でがんが疑われた場合には、組織を採取し、顕微鏡で観察してがん細胞の有無をチェックします(生検)。
また、がんの大きさやほかの部位・臓器への転移を確認するため、超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査、PET検査などが行われます。
咽頭がんの進行度(ステージ)は、T分類(がんの大きさ、浸潤の状態など)、N分類(リンパ節への転移の状態)、M分類(遠隔転移の状態)の3つの因子によって、ステージ0からI、II、III、IVA、IVB、IVCまで分類されます。
咽頭がんのステージや原因についての詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
>>咽頭がんの初期の症状は?発生部位別治療法と余命、再発防止について解説
咽頭がんの治療および予後
上咽頭がん
上咽頭がんに対しては、手術が行われることは少なく、放射線治療が主体となります。
病気が進んでいる場合には、化学療法(抗がん剤)が併用されます。
中咽頭がん
中咽頭がんに対しては、がんの進行度やヒトパピローマウイルス感染の状態により、手術、放射線治療、化学療法から選択されます。
早期であれば手術または放射線治療による根治(完全に治ること)が可能です。
一般的にヒトパピローマウイルス感染のある場合は、放射線と化学療法の併用治療の効果がより高いといわれています。
下咽頭がん
下咽頭がんに対しては手術による治療が主体となりますが、手術のみでは不十分であり、放射線治療や化学療法を合わせた集学的治療が行われるこが多くなっています。
早期であれば、喉頭を残す手術や放射線治療、および化学療法による根治(完全に治ること)を目指します。
進行がんの場合には、下咽頭喉頭全摘術および遊離空腸移植(再建)による治療が行われます。
ステージ4の治療法や余命についての詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
>>咽頭がんステージ4の治療・余命。早期にみられる再発への対処法
全国がんセンター協議会が公表している2017〜2019年に診断を受けた患者のデータによると、5年生存率は、上咽頭がんで66.2%、中咽頭がんで56.3%、下咽頭がんで43.8%でした。
ただ、いずれのがんでも早期(I、II期)ではおよそ60~90%であり、早期発見が重要であることがわかります。
また、喫煙や飲酒が原因でできた中咽頭がんと、ヒトパピローマウイルスの感染によってできた中咽頭がんを比較すると、ヒトパピローマウイルスによるもののほうが予後がよいことがわかっています。
また、咽頭がんの手術後には大きく組織を切り取ったり、頸部郭清が行われることが要因で機能障害が残る可能性があります。手術後に機能障害や機能低下が起きた場合には、リハビリテーションで機能的な回復と生活の質の向上を目指します。
手術後に起こりうる機能障害やリハビリテーションについての詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
>>咽頭がんステージ2・3の症状は?がん発症部位別の治療の進め方、生存率について解説
【まとめ】咽頭がんのサインをみつけるために
咽頭がんの症状は、がんのできた部位によって異なり、非常に多彩です。
また、咽頭の周りには多くのリンパ節があるため、がんが頸部(くび)のリンパ節に転移しやすいという特徴があります。
上咽頭がんの症状には、鼻の症状(鼻づまり、鼻血など)、耳の症状(耳がつまった感じ、難聴)などがあります。
無症状のまま進行し、くびのしこり(リンパ節への転移)で発見されることも多いです。
中咽頭がんの代表的な初期症状としては、飲食物を飲み込むときのしみる感じや違和感・異物感(ひっかかる感じ)があります。
くびのしこり(リンパ節への転移)で発見されることもあります。
下咽頭がんの症状には、飲食物を飲み込むときのしみる感じや違和感・異物感があり、さらに進行するとのどの痛みや血痰がでてきます。
下咽頭がんでも、くびのしこり(リンパ節への転移)で発見されることがあります。
このように、咽頭がんの症状はさまざまで、他の病気にみられるような症状と区別がつかないこともあるため、多くの場合で、がんを疑って病院を受診することが遅れてしまいます。
気になる症状がある場合、躊躇せずに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。
海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。
抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用
中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。
中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
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