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肝細胞がんとは?その原因と治療法について

肝細胞がんとは?その原因と治療法について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

【書籍】
アンチエイジングの仕組み(扶桑社)
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肝細胞がんとは

肝臓は、お腹の右上、肋骨の下に位置する、からだの中で最も大きな臓器です。
肝臓がんには、発生する細胞によって肝細胞がんと胆管細胞がん(肝内胆管がん)に分類されますが、大部分(90%以上)は肝細胞がんですので、ここでは肝細胞がんについてお話します。

日本では、肝細胞がんの罹患者数、死亡者数は減少傾向にあります。
しかし、肝細胞がんで死亡する患者さんは毎年3万人を超えています。
また肝臓がんの5年生存率は36.4%と非常に低いのが特徴です。※1

この原因は、肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるように腫瘍などができても症状がでにくいこと、また、肝臓がんを治療しても、新たな肝臓がんが発生することも多いためです。

※1 神奈川県立がんセンター.消化器内科・外科(肝胆膵)

肝細胞がんの原因

日本における肝臓がん(肝細胞がん)の最大の原因は肝炎ウイルスで、およそ90%を占めています。
このうち、C型肝炎ウイルス(HCV)が約70%、B型肝炎ウイルス(HBV)が約20%です。※2
一般的に、ウイルスに感染してから慢性肝炎、肝硬変を経て肝細胞がんが発症するまでに、10~30年ほどかかるといわれています。

アルコール性の肝炎・肝硬変が肝細胞がんの原因となることもあります。
ただ最近は、アルコールをあまり摂取しないにもかかわらず脂肪肝からNASH(ナッシュ)とよばれる肝炎に進行し、その過程で肝細胞がんが発生するケースが増加しています。

※2 東京慈恵会医科大学 外科学講座.肝胆膵外科 – 肝細胞癌 – 肝細胞癌とは

肝細胞がんの症状

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように、がんができても初期には症状がないことがほとんどです。がんが進行した場合には、以下のような色々な症状がでてきます。大きくなった肝細胞がんが破裂して発見されるケースもあります。

  • 腹痛
  • 黄疸
  • むくみ
  • 腹水
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • お腹のしこり

肝細胞がんの診断

肝細胞がんの診断は、腹部超音波検査やCT・MRI検査、血液検査(AFPやPIVKA-Ⅱなどの腫瘍マーカー)で行います。

肝細胞がんの治療

肝細胞がんの治療
肝細胞がんの治療法には、以下のものがあります。

  • 手術:肝切除術(肝機能/肝予備能により術式選択)または肝移植術
  • 焼灼(局所療法):ラジオ波焼灼療法(RFA)
  • 塞栓療法:径カテーテル動脈塞栓術(TAE, TACE)
  • 分子標的薬:ソラフェニブ、レンバチニブなど
  • 緩和ケア

がんの部位、数、大きさ、広がり(転移の有無)、肝予備能(肝臓の持つ予備能力)などを総合的に評価し、これらの治療法から選択します。

最近では、切除不能な肝細胞がんに対して、免疫チェックポイント阻害剤であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク)と分子標的薬のベバシズマブ(商品名アバスチン)の併用療法が適応となりました。切除不能な肝細胞癌に対する第一選択薬として期待されています。

肝細胞がんのサインを見つけるために

肝細胞がんは、初期の段階ではほとんど症状はありませんので、リスクのある人では定期的に検査を受け、がんを早期に発見することが非常に重要になります。

肝炎ウイルスのチェック

まずは肝細胞がんの最大のリスクとなる肝炎ウイルスに感染していないかをチェックすることが重要です。
B型肝炎ウイルスは、ウイルスに感染している人の血液または体液を介して感染します。

C型肝炎ウイルスは、ウイルスに感染している人の血液を介して感染します。
まずは、肝炎ウイルスの検査を受けましょう。
保健所または市町村から委託されている診療所、クリニックなどにおいて原則無料で検査を受けることができます。
詳しくは、最寄りの保健所やお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

肝炎ウイルスが陽性であった人は、肝臓専門医を受診して精密検査および治療を受けましょう。
ウイルスを除去あるいは増殖を抑える治療を行い、慢性肝炎、肝硬変へ進展するのを食い止め、肝臓がんの発生を防ぎます。
同時に、腹部超音波検査やCT、血液検査(AFPやPIVKA-Ⅱなどの腫瘍マーカー)によって肝臓がんの検査を定期的(通常3〜6ヶ月間隔)に受けることが重要です。

脂肪肝によるNASH(ナッシュ)も要注意

最近、肝炎ウイルスに感染していない人から肝臓がんが発生する例が増えています。

報告によると、1991年には肝炎ウイルス感染と関係のない肝臓がんの割合は10%であったのが、2015年には30%をこえるまで増えているとのことです。※3

このウイルス肝炎と関係のない肝細胞がんの原因のうち、NASH(ナッシュ)と呼ばれる病気が注目されています。
NASH(ナッシュ)とは、非アルコール性の脂肪肝が原因でおこる肝炎のことで、放置していると、やがて肝硬変、肝臓がんへと進行することがあります。

肥満や生活習慣病があり、お酒をまったく飲まない、あるいは少量しか飲んでいないのに脂肪肝と診断されている人は、NASHの可能性があります。

職場の健康診断などで脂肪肝と診断されたら、「脂肪肝くらいなら大丈夫」と油断せず、肝臓専門医のいる医療機関で詳しい検査を受けましょう。

脂肪肝あるいはNASHと診断された人は、生活習慣を改善することで進行を食い止めると同時に、定期的な検査で肝臓がんを早期に発見することが大切です。
少なくとも半年に一度は腹部超音波検査を受けることをおすすめします。

※3:集学的がん診療センター 福井県.肝臓がんについて – 肝臓がん

まとめ

今回は肝細胞がんについて解説してきました。
肝細胞は初期の段階では症状がほとんどないため、定期的な検査を受信するように心がけましょう。

また、日々の生活習慣を改善することでNASHによる肝細胞がんのリスクを軽減させることができるので、こちらも気をつけるよう心がけましょう。

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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