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大腸がんとは?その症状と治療法について

大腸がんとは?その症状と治療法について

大腸がんは、その名の通り大腸に出来たがんのことですが、出来た部位によって性質が変わります。がんと聞くと、痛みが出たり、治療で気分が悪くなったりという印象の方が多いでしょう。大腸がんには特有の処置や経過があるため、知っておくとこれからの生活のイメージがつきやすくなります。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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大腸がんは部位別に異なる特徴がある

ひとくくりに大腸がんと言っても、大腸はとても長い臓器なので、がんの出来た部位によって異なる特徴を持ちます。

大腸のつくりと働き

大腸は小腸のあとに続く臓器で、右の下腹部からぐるっと左の下腹部までお腹を一周しています。
6つの部位があり、小腸に近い方から順に盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸です。

大腸は、栄養が吸収された食べ物の残りかすから水分をとり、固形の便を作り出す働きをしています。
小腸から送り出されたばかりの便はまだ液体状ですが、大腸を通るうちに便の水分が吸収され、固形に変化します。

大腸がんの部位別の症状

初期の大腸がんは、どの部位でもほとんど症状がありません。
盲腸がんは非常に頻度が少なく、また、盲腸を通過するときには便がまだ液状のため、進行してもあまり症状が出ないことも珍しくありません。
日本人ではS状結腸がんと直腸がんが比較的多いです。

お腹の右側(上行結腸〜横行結腸)も、通過する便がまだ柔らかいため、がんが出来ても進行するまで気がつかないことがあります。
大きくなってからしこりに気が付いたり、お腹が張ったかんじ、貧血などの症状が出て受診することも多いです。

お腹の左側(下行結腸〜直腸)は、便もある程度の大きさ・硬さになってきます。
がんが邪魔して便が通過しにくくなる、便の移動や水分の吸収がうまくいかなくなるなどの影響で、便が細くなったり、便秘や下痢になったりといった症状が出ます。

大腸がんに特有の治療

大腸がんに特有の治療

手術や抗がん剤の治療があるのは他のがんと同様ですが、大腸がんに特有の処置について紹介します。

ストマ(人工肛門)をつくる

がんで大腸の一部が詰まっている、直腸や肛門を手術で摘出した等の理由で、肛門の代わりに便を出す穴をお腹に造ったものをストマと言います。
穴の先に便を集める袋を装着し、その袋に便が溜まってきたら交換します。
袋は、服の上からはさほど目立ちませんので、日常生活は通常通りに過ごせます。
きちんと使い方を覚えれば、匂いが漏れることもありません。
温泉などに浸かることも可能です。

シャワーなどが設置されていてストマの処理がしやすくなっている、”オストメイトトイレ”も少しずつ普及しています。
高速道路のPAなどで見かけたことがあるかもしれません。地域によってはまだ普及が充分ではありませんが、たいていの場合ストマの交換は数日おきなので、お出かけの前にストマの処置をしておけば困ることは少ないでしょう。
最近では、「オストメイトナビ」「オストメイトJP」など、オストメイトトイレの設置場所を探すアプリがあります。

ステントを入れる

がんで便の通りが悪くなった部分を広げるために、ステントと呼ばれるバネのようなものを入れる処置をすることがあります。
気をつけなければならないことはあまりないですが、便が硬くなって便秘になるとステントが詰まってしまうので、便を柔らかめに保てるように食事内容に注意したり、下剤を使ったりしながら調整します。

大腸がんの経過や転移について

がんは、種類や進み具合によってその後の経過が大きく異なります。

大腸がんは比較的治療効果が良い

大腸がんは、胃がんや膵臓がんなど他の消化器系のがんに比べれば、根治的な手術(完治を目指す手術)で完治する可能性が高いです。
ただし、がんの進み具合によっては、根治的な手術や抗がん剤治療が難しい場合もあります。
治療の目的は、必ずしも”治す”ことではありません。進行を抑える目的や症状を抑える目的の手術もあるので、治療の目的は主治医ときちんと共有しましょう。

同じ消化器系のがんである胃がん、膵臓がんは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

>>胃がんとは?症状や治療法をご紹介
>>膵臓がんとは?症状や治療法を解説

転移しやすいのは肝臓や肺

がんは、手術や抗がん剤で治療をしていても、血液に乗るなどして他の臓器にうつることがあり、これを転移と言います。

>>がんの転移とは?

がんの種類によって転移しやすい場所がだいたい決まっており、大腸がんは肝臓・肺・骨などが多いです。
肝転移を起こすと、食欲低下、疲れやすい、背中が痛むなどの症状が現れることがあります。

肺転移では、声が枯れたり、咳や痰などの呼吸の症状が起こりやすいです。
骨転移の部位は骨盤や背骨、大腿骨が多く、座ったり立ったりすることで力がかかりやすいため骨折に注意しなくてはいけません。
骨折すると痛みが出るため、痛み止めを調整したり、放射線を当てることもあります。

まとめ

大腸がんと診断された時、頭が真っ白になったり、辛い気持ちになるのは自然なことです。
慌てず正しい情報を得て、出来る限り望む生活を続けられるように考えていきましょう。

参考文献
 大腸癌研究会
 大腸癌治療ガイドライン2019年版(書籍)
 公益社団法人 日本オストミー協会-HOME (joa-net.org)

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

>>中分子フコイダンとは?

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

フコイダンの種類や成分をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>フコイダンとは何か?種類や成分と健康への影響について解説

フコイダンの作用をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>健康食品として注目されるフコイダンとは?

中分子フコイダンの摂取は、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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