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フコイダンの分子量問題に決着をつける中分子フコイダンとは?

中分子フコイダン

フコイダンには、人々を惑わす分子量に関する問題があります。いわゆる“高分子フコイダン”と“低分子フコイダン”のどちらが効果的なのかという見解が分かれる問題です。事実、「フコイダンに関心があるが、結局どのようなフコイダン製品を選べばよいのか?」といったご相談をいただくことも多いです。そこで、この記事では、フコイダンの分子量問題に関して医師の立場から私見を述べたいと思います。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

【書籍】
ミトコンドリア不老術
(幻冬舎)
炭酸美肌術(幻冬舎 )
ほか多数執筆


低分子フコイダンと高分子フコイダン

海藻から抽出されるフコイダンの分子量はおおよそ約20万~30万と言われています。一般的に分子量1万を超える物質はそもそも腸管から吸収されることが難しいとされるため、吸収率を高めることを目的として、酵素処理等により分子量500程度にまで分解したフコイダンを「低分子フコイダン」と定義づけられています。それに対して、分解処理を行わないフコイダンのことを便宜上「高分子フコイダン」と定義づけられています。現在、フコイダン製品は100種類以上も市場に流通していますが、大別すると、ほとんどが高分子フコイダンと低分子フコイダンに分類されます。

低分子フコイダンの問題点

低分子フコイダンは、分子量500程度のフコイダンです。これは、フコイダンに特徴的なフコースという糖鎖が2つ3つ繋がった程度の分子構造となることから、そもそもフコイダンの立体構造さえも損なわれており、またフコイダンの効能の象徴でもある硫酸基がバラバラにされている状態であることを示します。それは、すでに多様な効能を有するフコイダンではなくなっているものと考えられます。
分子構造が極めて重要であることは同じ硫酸基と糖鎖の分子構造を持つヘパリンの例からも明らかです。抗凝固薬ヘパリンは分子量3,000~30,000の分子集合体ですが、分子中に多数含まれている硫酸基が負に帯電しているため種々の生理活性物質と相互作用を有しています。ヘパリンは抗凝固因子であるアンチトロンビンを活性化することで血液が固まるのを防止します。他方、凝固因子であるトロンビンを抑制する作用もあることから、出血が強くなるとの副作用も有しております。これに対してヘパリンを酵素処理することで分子量4,000~6,000の成分を取り出したものを低分子ヘパリンといいますが、通常のヘパリンよりも糖鎖が短く、アンチトロンビンとは結合できる一方でトロンビンとは結合できないなどの性質を有することが判明しております。平たく言うと、低分子ヘパリンはヘパリンの出血が強くなるとの副作用を抑制するなどの幾つかの臨床的に優れた利点が確認されており、分子量や分子構造によって効能効果に大きな違いが生じることが証明されています。名前は低分子ヘパリンですが、それでも分子量は4,000以上であり、効能を有するためにはある程度の立体構造が必要であることがわかります。今、世に出ている低分子フコイダンは分子量1,000未満(多くの製品は500以下)とされており、500程度ならフコースが2つ3つ繋がっているだけなのでフコイダンとしての効果はあまり期待できません。

高分子フコイダンの問題点

高分子フコイダンは、原料から抽出されたままの構造を有した平均分子量20万以上のフコイダンです。直接触れる消化管に対する効果はあるのでしょうが、腸管から吸収されることはほぼ期待できないため、消化器系の臓器以外では、実験で得られたような効能は当然ないものと考えられます。
分子量が大きくなると腸管から吸収されなくなるのは事実ですが、種類や分子量にも依存するためフコイダンがどの程度なら吸収されるかはまだ正確にわかってはいません。ただし、同じ硫酸多糖体である医薬品低分子ヘパリンは分子量が4,000~6,000であり、様々なテストの結果、腸管から吸収されないことが判明しています。そのため、分子量20万~30万程度の高分子フコイダンが腸管から吸収されないことは明らかです。
この意見に対して、高分子フコイダンは大きすぎるため腸管からの吸収は期待されないが、腸管免疫を司る「パイエル板」に取り込まれることで免疫系が活性化し、腫瘍細胞の増殖を抑えられるとの反論があります。しかしながら、そのようなメカニズムで効能を説明するのであれば、パイエル板はあくまで免疫器官の一つにつき、これまでフコイダンがインビトロ実験(培養細胞を用いた実験)で明らかとしてきた“免疫系以外の様々な抗がん作用”、例えばアポトーシス誘導作用や血管新生抑制作用、などの効果効能がそのまま発現することはありません。「パイエル板」取り込みによって高分子フコイダンが十分な抗がん作用を発現することを説明するのは難しいのではないでしょうか。

フコイダンの理想形「中分子フコイダン」とは

フコイダンにおいて、腸管から吸収可能な“大きすぎないサイズ”と、硫酸基と糖鎖の結合に起因する“ある程度の立体構造”とが重要であることを説明しました。これら2つの性質を兼ね備えたものとして、分子量1,000~10,000程度の「中分子フコイダン」が理想のフコイダンの形態ではないかと注目されています。つまり中分子フコイダンこそが、免疫力を高め、癌細胞にアポトーシスを誘導し、癌細胞が作る新生血管を抑制する等の機能を全て有したフコイダンではないかと考えています。
ただし、腸管からの吸収率を考慮すると、分子量は出来る限り低分子化が望ましいと考えられます。腸管から吸収され、なおかつフコイダンとしての機能を維持できる構造を有する分子量は1,000前後から3,000程度までが望ましいのではないかと考えます。そしてそれら分子量が最大濃度となるよう調整された中分子フコイダンをコンセプトとした製品が、近年の技術の進展により開発されてきております。もちろん高分子フコイダン、低分子フコイダンの中にも分子量1,000~3,000程度のフコイダンが少量含まれており、少しは効果が認められるかもしれませんが、その量は圧倒的に少ないのです。

>>中分子フコイダン療法による臨床報告はこちら
フコイダンラボ.臨床例①:ステージⅣの肺がんの脳転移(58歳⼥性)
フコイダンラボ.臨床例②:ステージⅢCの卵巣がんの腹膜播種(62歳女性)
フコイダンラボ.臨床例③:ステージⅢCの肺がんの遠隔リンパ節転移(69歳男性)
フコイダンラボ.臨床例④:ステージⅠの皮膚がん(95歳女性)

海藻成分には低~中分子のフコイダンは存在しない?

フコイダンは、モズクなどの海藻に酸や酵素、⾼圧熱⽔などを使った処理によりフコイダンエキスとして抽出されます。精製フコイダンはそこからさらに抽出処理を繰り返して作られるので、最初の海藻から比べるとほんのわずかしか取れません。低分子フコイダンや中分子フコイダンは精製フコイダンからさらに複数の分解処理等の工程が必要となるためさらに少なくなるかもしれません。一方、高分子フコイダンは精製フコイダンから分解処理等がほとんどなされないばかりか低~中分子の成分を規格外のものとして除去されることもあるために、低分子フコイダンも中分子フコイダンもほぼ存在しえないのです。海藻からいきなり低分子フコイダン、中分子フコイダンを取り出すというわけにはいかず、そもそもそのような形で存在していないのです。

モズクを食べてもフコイダンは吸収されない

メカブ、ワカメに比べてモズクにははるかに大量のフコイダンが含まれていますが、たとえモズクを大量に食べてもフコイダンを体内へと吸収することはほとんどできません。なぜなら、私たちの体の中にはフコイダンを分解する酵素がないからです。分解されないフコイダンはほとんどが高分子フコイダンであり、吸収されずに便となって排泄されます。フコイダンの効能にあるピロリ菌の減少や便秘、直接触れる消化器の疾患にはモズクを食べても効果があるかもしれませんが、体の中の疾患に対する効果は期待できそうもありません。
また、フコイダンは食物繊維の一種であり、体内への吸収性は極めて悪いといえます。健常男性を被検者としたヒト臨床試験において、1gの高分子フコイダンを摂取して6~9時間後に10~60ng/mLのフコイダンが血中で検出されたとの報告※もみられますが、これまで報告されてきたフコイダンの作用濃度はいずれもμgオーダーであることと比較すると低濃度であるため、分子量を調整していないフコイダンをいくら食べても生理活性は期待できないと考えられます。

※Tokita Y, Nakajima K, Mochida H, Iha M, Nagamine T. 2010. Development of a fucoidan-specific antibody and measurement of fucoidan in serum and urine by sandwich ELISA. Biosci. Biotechnol. Biochem. 74:350-7.

まとめ

今回は、やや医学的な見地も交えてフコイダンの分子量問題から中分子フコイダンの魅力に至るまでを解説しました。「中分子フコイダン」が、低分子フコイダンと高分子フコイダンの両方の長所を持ちつつ、それぞれの短所を克服したものという事がわかっていただけたでしょうか。フコイダンを普段の生活に取り入れたい方は、中分子フコイダンの商品を探してみることをお勧めします。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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