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食道がんとは?その症状と治療法について

食道がんとは?その症状と治療法について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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食道がんとは

食道とは、咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器です。この食道から発生するがんを、食道がんといいます。
食道は、部位によって、上から頸部食道、胸部食道、腹部食道と呼ばれています。
日本人の場合、がんは胸部食道(中央付近)に最も多く、次いで腹部食道に多くなっています。

食道がんにはおもに「扁平上皮がん」と「腺がん」という2種類のタイプがあります。欧米では「腺がん」が多いのに対して、日本では90%以上が「扁平上皮がん」です。

食道がんの危険因子

食道がん(扁平上皮がん)のおもな危険因子は飲酒と喫煙です。
飲酒と喫煙の両方を続けている人はさらにリスクが高まります。
日本人では、お酒を飲んだときに顔が赤くなる人(フラッシャーと呼ばれます)が多いのですが、このような人たちはアルコールを代謝する酵素(2型アルデヒド脱水素酵素:ALDH2)のはたらきが弱いことがわかっています。

この酵素のはたらきが弱い人がお酒を飲むと、アセトアルデヒドという発がん性のある物質の血液中の濃度が高まり、体の中に蓄積されることによって食道がん(または頭頸部がん)になりやすいことがわかっています。

食道がん(腺がん)の危険因子として、胃食道逆流症があります。
胃食道逆流症とは、「胃酸など胃の内容物が食道へ逆流することにより、胸焼けといった不快な症状や合併症が引き起こされる疾患の総称」のことです。

この胃食道逆流症には、食道粘膜がただれる、いわゆる「逆流性食道炎」と呼ばれるものや、逆流の症状があるものの粘膜のただれを伴わないものも含まれます。

また、熱い飲食物(60~65℃以上)を摂取する習慣のある人では食道がんのリスクが高くなることが研究より明らかとなっています。

食道がんの症状

食道がんは、早期の場合、症状がないことも多いですが、進行してくると以下の症状がみられることがあります。

  • 胸の違和感(物を飲み込んだときに胸の奥がチクチク痛む、しみる感じがする等)
  • 飲食物のつかえ感、嘔吐
  • 体重減少
  • 胸や背中の痛み
  • 声のかすれ

食道がんの診断

食道がんの診断
食道がんの診断は、内視鏡検査やバリウムを用いた食道造影検査で行います。

また内視鏡検査によって組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無や細胞の種類などを調べます(病理検査)。
食道がんの広がりや転移を調べるためには、CTやMRI、PET検査を行います。
これらの検査によって、食道がんのステージ(病期)や切除手術が可能かどうかを診断します。

食道がんのステージ(TNM分類)は、がんの深さ(T)、リンパ節への転移の状態(N)、他の臓器への転移(M)の3つの項目によって、0からⅣまでに分類されます。

がんが粘膜内にとどまっている状態のがんがステージ0、粘膜下層に広がっているが転移のないがんがステージI、リンパ節に転移していたり、より深く進行したがんがステージIIとIII、そして、となりの臓器へ広がっていたり、遠くの臓器へ転移があるために切除ができないがんがステージIVとなります。

食道がんの治療

食道がんの治療には、内視鏡的治療、手術、薬物療法、放射線療法があります。
ステージ0の早期の食道がんに対しては、内視鏡的治療が行われます。

ステージI~IIIのがんでは、手術、放射線療法、薬物療法を組み合わせることが一般的です。
また、ステージIV(切除不能)のがんに対しては、薬物療法と放射線療法を組み合わせます。
同時に、つらい症状を緩和する対症療法も行われます。

最近では、薬物療法のひとつとして免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ(商品名オプジーボ)が、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道がん」に対して適応拡大となり、その効果が期待されています。

食道がんの予後(生存率)

国立がん研究センターが2021年4月に報告した最新の統計(2008年にがんと診断された患者のデータ)によると、食道がんの10年生存率は、全体で33.6%(ステージIが68.2%、ステージIIが37.4%、ステージIIIが18.8%、ステージIVが5.8%)でした。

がん全体の10年生存率が59.4%であることを考えると、治りにくいがんと言えます。

【まとめ】食道がんの早期発見のためには

食道がんは早く見つかれば見つかるほど治療成績(予後)が良好で、内視鏡による切除など、より体に負担が少ない治療の選択が可能です。

実際にタレントの堀ちえみさんは、舌がんの手術後に食道がんが見つかりましたが、非常に早期(ステージ0)であったため、内視鏡による切除だけで治療がすんでいます。

食道がんを早期に発見するためには、飲み込むときの胸の違和感や食べ物のつかえ感などの症状がある場合には早めに病院を受診すること。
また、お酒をよく飲む人(とくに顔が赤くなる人)、たばこを吸う人(とくに、飲酒と喫煙の両方ともしている人)は要注意です。

また、胸焼けなどの症状は、食道がんのサインでもあるわけですが、食道がんの危険因子となる胃食道逆流症の症状の可能性もあります。

したがって、胃酸があがってくる、胸焼けがひどい人は、一度、内視鏡検査を受けてみることをおすすめします。

参考文献
 A prospective study of tea drinking temperature and risk of esophageal squamous cell carcinoma.Int J Cancer. 2020 Jan 1;146(1):18-25.
 全国がんセンター協議会.全がん協生存率調査

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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