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【肝臓がんステージ4】余命や生存率は?知っておくべき適切な治療法と完治に対する考え方

【肝臓がんステージ4】余命や生存率とは。知っておくべき適切な治療法と完治に対する考え方

肝臓がんステージ4の気になる予後や生存率。この記事では肝臓がんステージ4の症状や選択される治療法、ステージ4におけるQOLの考え方などについて解説しています。

※ 肝臓がんの概要については以下の記事を参考にしてください。
>>肝細胞がんとは?その原因と治療法について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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肝臓がんステージ4の状態は?分類による評価基準解説

肝臓がんの進行度を評価する際には、「TNM分類」が使用されます。
TNM分類は以下のような判別基準のひとつです。

  • T:原発のがんの広がり、深さ、大きさなど
  • N:がん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり
  • M:原発から離れた臓器への遠隔転移

肝臓がんステージ4は腫瘍の大きさに関係なくリンパ節への転移が見られる場合や、他の臓器にがん細胞が転移してしまっている状態。がん細胞が発生している場所より外に、がん細胞が広がっている状態をステージ4としています。
肝臓がんステージ4の状態は?分類による評価基準解説
(参照:https://ganjoho.jp/public/cancer/liver/treatment.html

また、T因子の

  • 腫瘍が1つ
  • 腫瘍の大きさは2cm以下
  • 脈管(がん周囲の血管やリンパ管)へのがん細胞の侵襲がない

のうち、いずれにも該当しないのが「肝臓がんステージ4」です。

TNM分類やがんのステージ4についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
>>ステージ4のがん、生存率について|治療にはどんな方法がある?

※侵襲:がんが入り込むこと

肝臓がんステージ4の症状は?

肝臓がんステージ4の症状は?
自覚症状が出にくいといわれている肝臓がん。ですが、末期になると肝臓の予備力も追いつかなくなり、さまざまな症状が現れるようになります。

※予備力:対象の臓器が治療などを含めたストレスにどれだけ耐えられるのかを示す指標

肝臓がんもステージ4になると、周辺のリンパ節や遠隔転移が見られます。例えば、がんが腹膜に転移すると消化管の運動障害などが生じ、腹痛や下痢などを起こします。腹部が膨満し、吐き気や嘔吐も生じるようになるでしょう。

さらに肝臓が大きく腫れてくるので腹水も生じ、むくみが見られるようになります。黄疸も顕著になり、尿の色味が濃くなるほか、皮膚や眼球の色の変化も見られます。体の消耗が激しくなり、体重減少も起こります。

末期になると見られる特有の症状が、次に述べる「肝性脳症」です。

肝性脳症とは?

肝臓がんをはじめとした肝臓の状態が悪いときに発症する病状のひとつに「肝性脳症」があります。肝性脳症の要因となるのは「アンモニア」です。

アンモニアは食事として摂取した各種栄養素が、体内で代謝され分解されるときに作られます。アンモニアは人体にとっては有害物質。体外へ排泄しなければなりません。

肝臓で行われる解毒機能はアンモニアを二酸化炭素と結びつけ、「尿素」にして無毒化し、 腎臓を経て尿として体外に排出します。
ところが、肝臓の働きが低下するとアンモニアが解毒されなくなり、そのままの形で血流にのって体内をめぐります。

アンモニアが脳に到達するとさまざまな悪影響を及ぼします。軽症の場合は生活リズムの乱れや少し「うつ」っぽくなったり、怒りっぽくなったりと症状として気が付かないこともあります。

しかし、重症化してくると手の震えや判断力の低下、幻覚や幻聴、意識が朦朧とする意識障害が起こる場合もあるのです。

肝臓がんの基本治療は3本柱「手術・焼灼・塞栓」

肝臓がんの治療にはメインとなる3つの治療法があります。手術で腫瘍自体を取り除く方法、熱エネルギーを利用してがん腫瘍を焼き殺す方法、がん細胞に栄養を与える血管の血流を阻害してがん細胞を死滅させる方法です。ここでは3つ目の「塞栓治療」について深堀していきます。

塞栓治療

肝臓がんにおける塞栓治療とは、肝臓に入り込む血管を塞いでがんを栄養不足にすることで死滅させる治療法です。

肝臓に流れ込む血管には他の臓器とは異なり、肝動脈と門脈という2つのルートがあります。 肝臓がんはおもにごく初期のものを除くと、肝動脈や門脈から入り込む血液の流入によって酸素や栄養素が供給され、腫瘍が肥大化します。つまりこの門脈や肝動脈から流れ込む血液量を減らし、がんを壊死させてしまおうというのが塞栓療法です。

肝動脈化学塞栓療法

肝動脈化学塞栓療法とは、肝臓に栄養が流れ込む経路の遮断と、抗がん剤による腫瘍壊死効果を狙った二重のアプローチによる治療法です。
肝臓がんの腫瘍が成長する場合、他の臓器のがんよりも多くの血液を必要とするため、栄養血管からの血流を遮断する塞栓療法は効果的な治療の一つといわれています。

治療の難しい、進行したがんの場合に選択されます。

肝動注化学療法

肝動注化学療法は、抗がん剤を肝動脈に直接注入する局所の化学療法です。肝臓がん治療の最後の砦ともいわれていて、症状が進んだ門脈の腫瘍などに対しても効果を発揮するとされています。 肝臓は血流が豊富で、肝臓がんの腫瘍はその成長に比較的多くの血流を必要とします。

その特性を逆手に取り、豊富な血流に乗せて抗がん剤を流し込みがんの死滅を狙った治療法です。肝臓がんの肝動注化学療法は、全身の化学療法に比べると比較的副作用を抑えることが可能な治療法とされています。

手術療法

手術療法は腫瘍の数が数個と限られていて、肝臓の予備力が保たれている場合に選択されます。手術での切除が予後に好影響と判断される場合に行われます。

手術療法について詳しくは知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
>>【肝臓がんステージ2】主な症状とは?余命や生存率を伸ばすためにできること

焼灼療法

焼灼療法とは、ラジオ波やマイクロ波で腫瘍を焼いて死滅させる方法です。がんのサイズがそれほど大きくなく、個数が少ない場合に有効な治療法の一つ。手術療法に比べると体への負担も軽く済む治療法です。

焼灼療法について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
>>【肝臓がんステージ3】症状を進行度から解説。余命や生存率を知り、適切な治療で完治を目指す

その他の治療

肝臓がん治療には「化学療法」や「放射線療法」もあり、多臓器への転移が見られる場合や腫瘍が多い場合に選択されます。

化学療法では抗がん剤や分子標的薬を用いてがん細胞の死滅を狙い、放射線療法ではがん細胞をターゲットとして放射線を照射し、細胞の死滅を狙います。

肝臓がんの生存率と自分らしく生きること

肝臓がんに限らず、患者さんは5年生存率の数字を気にする方も少なくありません。とくに肝臓がんのステージ4であれば、実質5年生存率は3.9%。決してその数値は良好だとはいえないでしょう。

5年生存率がなぜ注目されるのかというと、多くの病院でインフォームドコンセントの時に指標の1つとして示される数字だからです。5年生存率を参照にして治療の選択をすることもあります。

※インフォームドコンセント:医療行為を受ける前に、医師および看護師から医療行為について十分な説明を受け、質疑応答を行った上でその医療行為に同意すること

しかし、5年生存率は同じ病気や同じ治療法、病院によっても差があります。大事なのは、5年生存率に振り回されずどのように受け止めるか。

例えば、「5年生存率〇%」という数字に対して「〇%しか生きられないのか」と受け止めるのか、「このような状況でも〇%も生きることができるのか」など受け止め方により印象は大きく異なりますね。

実際に人体とは不思議なもので、悲観的になるよりも明るい気持ちで笑って過ごしているほうが、免疫力にも良い影響を与えることがわかっています。

その他の治療
(参照:https://kobayashibyoin.com/nk-cells/

一日一日を楽しく生きて、笑いながら過ごしていると免疫力も活性化することがわかっています。自分らしく生きることを念頭に、どのように生きるのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

肝性脳症につながる要因を避ける生活を

自分らしく健やかな生活を送ることを考えると、肝性脳症を起こさない生活を目指したいところです。意識することがQOLにつながる要素の一つとなるでしょう。

肝性脳症の原因は先ほども述べた通り、血液中に増加するアンモニアです。 アンモニアは食事から摂ったタンパク質が腸内細菌によって分解され発生します。通常であればアンモニアは肝臓で処理され、無毒化して尿として体外に排泄されます。しかし、肝臓の機能が低下してくると、解毒されずに血液中にたまってしまうのです。

肝性脳症につながる要因をできるだけ避けるならば、アンモニアの発生源となるタンパク質を過剰に摂らないように意識しましょう。 とはいえ、タンパク質すべてを避けると肝臓の回復力に影響します。

肝臓の機能がどの程度低下しているかを医師に相談し、必要なタンパク質量を見定め良質なものを厳選して摂取するようにしましょう。

またアンモニアは腸内で便が滞っていると、より多く発生することもわかっています。ですので、便秘を避けることも重要です。食物繊維などの摂取と適度な運動を心がけ、毎日のスムーズな排便を目指しましょう。

さらに肝臓の機能が低下してくると、血糖のコントロール力も低下して高血糖や低血糖などが起こりやすくなります。
低血糖状態が長く続くと、エネルギー不足から筋肉の減少やむくみなどが起こりやすくなります。一方で高血糖状態がつづくと余分な血糖は中性脂肪になります。どちらも肝臓への負担になるのです。

そこで低血糖によるエネルギー不足や高血糖によるエネルギーの貯蔵を防ぐために、食事を一日4〜5回にわけて食べる方法も検討されます。

肝性脳症につながる要因を避ける生活を
(参照:https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/liver-cirrhosis-nutritional-therapy/late-evening-snack/

これは肝臓機能の低下が激しく、血糖値の上下動が大きい場合などに医師からすすめられることがあるので、独断で行うのではなく医師と相談しながら進めましょう。

まとめ

まとめ
肝臓がんステージ4の場合、選択できる治療法には限りがあります。生じる症状に苦痛を感じることもあるでしょう。しかし、肝臓の予備力に配慮し「自分らしく生きること」を考えると、人生も悲観的にならずに済むかもしれません。楽しく生きることを考えれば、免疫力アップのサポートにもつなげられます。

「どのように毎日を過ごすのか」を、今一度考える際の参考になれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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