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緩和ケアとは?どこで受けられるかなど解説

「緩和ケア」という言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?実際に患者さんと話していると、「最後の治療・麻薬で死期を早める」というネガティブなイメージが拭えない方が少なくないように感じます。
しかしながら、薬の進歩などによって「緩和ケア」はもっと前向きな選択肢のひとつとなってきました。今回は、緩和ケアとは何か解説します。ぜひ参考にしてみてください。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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緩和ケアとは

緩和ケアは、時代とともに考え方が変わってきています。まずは、現在の緩和ケアについて知識を見ていきましょう。

緩和ケアは体と心のケア

緩和ケアでおこなわれる治療は、体の痛みをとるだけでなく、精神的な辛さや苦しさもやわらげるものです。主にがんの方、そのほかには心不全や神経難病の方などにも提供されています※1
医療用の麻薬をつかって痛みのコントロールをするほかにも、緩和ケアの領域でおこなえることはたくさんあります。

  • ・呼吸の苦しさやだるさなど、体の症状の対応
  • ・精神的なつらさ、それに伴う不眠など、精神的な症状の対応
  • ・社会との関わり(家族関係や仕事、学校など)に関する悩みの対応

病気にまつわるあらゆる困りごとを、患者と医療者で一緒に解決していくというのが、緩和ケアです。
緩和ケアには、医師だけでなく看護師や薬剤師、リハビリスタッフ、栄養士、ソーシャルワーカーなど様々な職種が関わります。「こんなこと関係ないから話したらだめかな」とひとりで悩まず、まずは伝えてみてください。直接のお手伝いが難しい場合でも、どこで相談できるかお伝えすることができるかもしれません。

※1 厚生労働省.緩和ケア

できるだけ早いうちから緩和ケアを

現在は「病気がわかった時、治療を始める時から緩和ケアを並行しておこなうのが望ましい」と世界的に定められています。※1
以前は「治療ができなくなったら緩和ケアに切り替える」という考え方が主流でした。ドラマや小説でもそのように取り上げられていたため、「もう治療できないので緩和ケアをする」「治療ができないから見放されたのだ」と感じる方が多いのでしょう。
早いうちから緩和ケアで痛みや苦しさをとることで、よい効果がたくさんあります。

  • ・痛みを我慢してよけいに痛みに敏感になるのを、防ぐことができる。
  • ・楽に過ごせるため、余命が伸びるといわれている。※2
  • ・しっかり痛みをとっていると、最期のときにも苦しさが少ないかもしれない。

緩和ケアはまだわかっていないことも多いですが、痛みや苦しさをとることで、治療に集中できる、家族や親しい人と楽しい時間を過ごせる、自分のやりたいことをやれるなど、たくさんのメリットがあります。

また、がんは生死に関わる病気であり、大きな不安をともない伴います。それだけでなく「治療はどうなるんだろう」「副作用は何があるの?」など不安も大きく、気分が落ち込みやすい状態。がんの発症が原因でうつ病を患ってしまう方も少なくありません。

>>がん患者におけるうつ病やうつ状態の対応とポイント

緩和ケアは、こうしたがん患者さんの心の負担を減らすことにもつながります。

ぜひ、取り入れてみませんか。

※2 Early Palliative Care for Patients with Metastatic Non–Small-Cell Lung Cancer.Jennifer S. Temel et al.N Engl J Med;363:733-42:2010

緩和ケアとホスピスは何が違う?

緩和ケアとホスピスは何が違う?
ホスピスケアは、人生の最後の時におこなわれる緩和ケアをさす言葉です。緩和ケアの一部分を指しています。
日本では、海外と医療制度が異なる影響もあり、緩和ケアとホスピスケアはあまり区別されていません。違いについてはあまり気にせずともよいでしょう。

緩和ケアはどこでうけられる?

緩和ケアを受けるには、どうしたらいいのでしょうか?ここから具体事例を紹介します。

かかりつけ医の外来や入院で

基本的に、どの医療機関でも緩和ケアを受けることは可能です。「痛みについて相談したいです」「最近◯◯について悩んでいるのですが」などとお声がけください。
初期の緩和ケアは、外来で始めることがほとんどです。痛みが急に悪化した時には、入院してじっくり薬で調整する場合もあります。
主治医が中心になって緩和ケアをおこない、放射線科や整形外科などの医師が状態に応じてサポートに入るというスタイルが主流です。まだ多くはないのですが、がん治療を行う主治医とは別に、緩和ケアの専門医が緩和ケアを担うこともあります。

在宅でも可能

緩和ケアは、入院だけでなく自宅でも受けることができます。アメリカでは、およそ半数の方が最期の時間を自宅で過ごしているそうです。※3
「自宅では、入院と同じような薬を使うことができないのでは?」と思われるかもしれません。ですが、訪問診療や訪問看護、ヘルパーなどを利用することで、自宅でも痛み止めの麻薬をはじめとしたさまざまな薬剤を扱えますし、内服だけでなく注射の薬も使用できます。
住み慣れた家で、大切な家族と時間を過ごしたい。そういった願いに応えるのが、在宅緩和ケアなのです。

※3 Hospice Facts & Figures.NHPCO Releases New Facts and Figures Report on Hospice Care in America.August 17:2020

まとめ

緩和ケアは、身体と心の痛み・辛さをやわらげるための大切な治療。
以前はがんの治療ができなくなってからおこなうものとされていましたが、今では可能な限り早期からおこなうことが望ましい、と考え方が変わっています。早くから先手を打った治療をしていくことで、痛みを気にせずに過ごせるようになるかもしれません。
病院でも自宅でも、穏やかに楽しく毎日を過ごすためのサポートを受けることができます。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?。

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、そのなかでも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

>>中分子フコイダンとは?

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

フコイダンの種類や成分をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>フコイダンとは何か?種類や成分と健康への影響について解説

フコイダンの作用をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>健康食品として注目されるフコイダンとは?

中分子フコイダンの摂取は、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたい方には相談・お問合せも承っております。がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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