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がんの最新治療とは?3つの種類について

がんの標準治療は、手術、抗がん剤、放射線治療の3大療法が中心です。最近では、第4のがん治療として、免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)が様々ながんで使われるようになりました。これ以外にも、まったく新しいがん治療法が開発され、臨床応用がすすんでいます。将来的に標準治療となることが期待される「がん最新治療」を3つ紹介します。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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1.光免疫療法

米国立がん研究所(NCI)の研究員である、小林久隆氏が開発した治療法で、がんに集まる薬の投与と、光の照射を組み合わせた治療法です。

まず、がん抗体薬と光感受性物質(IR700)の複合体を点滴することで、がん細胞だけに、特殊な光に反応する物質を集めておきます。次に、病巣に特殊な光(赤色可視光)を照射し、がん細胞のみを死滅させるという治療法です。

昨年2020年9月25日、楽天メディカルジャパンが開発した医薬品「アキャルックス」が、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」に対して、厚労省から製造販売承認を取得しました。これは、条件付きの早期承認制度にもとづいて、最終段階の第三相臨床試験の結果を待たずに承認されたことで話題となりました。

現在、頭頸部がん患者に対する第三相臨床試験が行われています。また、おもに安全性を確認するために、食道がんと胃がんに対する光免疫療法の医師主導治験が行われています。

現時点での適応は頭頸部がんに限定されますが、将来的には、肺がん、大腸がん、乳がん、すい臓がん、前立腺がんに応用することが検討されているとのことです。ただ、それぞれのがんで違う種類の抗体が必要となることや、体の深い所にどうやって光を届けるか、といった課題も残されています。ですので、臨床現場でさまざまながんをカバーするには、まだ時間がかかるということです。

2.がんウイルス療法

がんウイルス療法

ウイルスを使ってがんを治療する方法を、がんウイルス療法といいます。このうち、現在、もっとも研究がすすんでいる「腫瘍溶解ウイルス」は、正常な細胞内では増殖せず、感染したがん細胞内だけで特異的に増殖し、細胞を破壊するウイルスのことです。

破壊のさいに放出されたウイルスは周囲のがん細胞に感染することで、治療の効果が高まることが期待されます。さらに、破壊されたがん細胞の断片を抗原提示細胞(マクロファージや樹状細胞)が認識し、がんに対する免疫が活性化されるという利点もあります。

20201年6月、テセルパツレブ(商品名:デリタクト)という日本では初となる「がんウイルス療法」の新薬の製造販売が承認されました。適応は、脳腫瘍の一種である悪性神経膠腫(こうしゅ)になります。

テセルパツレブの臨床試験では、この薬を使った人では1年後の生存率が92.3%であり、手術など標準的な治療後に再発した場合には1年後の生存率が15%程度だったのに対して、きわめて効果が高いことが示されました。

テセルパツレブは全ての固形がんに同じメカニズムで作用することから、今後、脳腫瘍以外のがんにも適応が拡がることが期待されています。現在、たとえば、悪性胸膜中皮腫の患者さんを対象とした第一相臨床試験が実施されています。また、このテセルパツレブ以外にも、多くのがんウイルス療法の臨床試験が行われています。

3.CAR-T細胞療法

CAR-T療法とは免疫療法の一種で、簡単に言うと、人工的にパワーアップされたT細胞(がん細胞を発見して攻撃する免疫の要となる細胞)をつかってがんを攻撃する治療法です。

通常、T細胞は、遺伝子異常(遺伝子のキズ)が多いがんは見つけやすいので攻撃できるのですが、遺伝子異常が少ないがんは見つけにくいために攻撃力が弱くなります。

そこで、T細胞を人工的に作り替えて、がんを見つけやすくして、さらに、がんへの攻撃力を高めてあげるという方法です。

2019年に日本で、B細胞のがんを対象としたCAR-T細胞療法の薬である「キムリア」が承認されました。

現在、白血病のひとつである「B細胞性急性リンパ性白血病」と悪性リンパ腫のひとつ「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」に対して使われていますが、従来の抗がん剤治療や骨髄移植でも治らなかった患者さんでも、大幅な生存率の改善が見られたということです。

このCAR-T細胞療法ですが、血液のがんだけでなく、固形がんなど、他の悪性腫瘍に対しても、適応拡大が期待されています。ただ、現在のところ、まだ他のがんでの治療効果が確認されたという情報はありません。

まとめ

がんの最新治療として、光免疫療法、がんウイルス療法、CAR-T細胞療法を紹介しました。この他にも、iPS細胞から作った免疫細胞を使ったがん治療なども臨床試験がはじまっています。一刻も早く安全性と効果が確認されて、より多くのがん患者さんに使える日がくることを願っています。

がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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