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がんを患うと疲れやすくなる?その原因と緩和させる方法をご紹介

「がんになってから疲れやすい」
「もっと楽に過ごす方法はないのかな」
など、疲労感でお悩みの方はいませんか?がんになると、さまざまな理由で疲れを感じやすくなります。
今回は、疲れやすくなる理由と、楽に過ごすための工夫をお伝えします。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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がんはなぜ疲れるのか

がんに伴う疲労感は「がん関連疲労」と呼ばれ、大きな問題になっています。
ほとんどすべての患者が疲労を感じているためです。※1
では、なぜ疲れてしまうのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

※1 がんを学ぶ.がん疲労の原因

がんはエネルギーをたくさん使う

がん細胞自体が、ふつうの細胞よりもエネルギーを多く消費します。
そのため、今までどおりに栄養をとっていたとしても、エネルギーは不十分です。

また、がん細胞は炎症を起こす物質を出すので、つねに体が炎症した状態となります。
風邪をひくと体力を消耗するのと同じで、がんがあるだけで疲れやすくなるのです。

がん細胞が体に及ぼす影響については以下の記事でも解説しています。「がん」という病気について理解を深められる内容となっていますので、併せてご覧ください。
>>がんとはどのような病気なのか?その正体と治療法についてご紹介

治療によって体が疲れる

抗がん剤は、がん細胞だけでなく、正常な細胞にも攻撃を行う薬です。
そのため、粘膜が傷ついて吐き気や食欲不振といった副作用があらわれ、食事をとれないことで体力が落ちて疲れやすくなります。

抗がん剤の副作用については以下の記事で詳しく解説しています。副作用を防ぐ方法もまとめているので、併せてご覧ください。
>>抗がん剤の副作用について

がん悪液質の影響

「がん悪液質(あくえきしつ)」というのは、栄養のサポートをおこなっても改善が難しい栄養失調の状態です。
この状態の方は、筋肉が分解され、栄養が吸収されにくくなっていることがわかっています。

がん関連疲労を感じやすい人は?

がん関連疲労は誰でも感じうるものですが、以下の方はリスクが高いといわれています。※2

  • 治療前から疲労感がある方
  • うつや睡眠障害のある方
  • 治療中に太った方
  • 孤独を感じている方

治療をはじめてからは、うつや睡眠障害の治療もおこなうこと、体重の維持に気をつけることなどを並行できると疲労の軽減につながります。

※2 Cancer-related fatigue: Mechanisms, risk factors, and treatments.Julienne E. Bower..HHS Public Access.Published in final edited form as:Nat Rev Clin Oncol. 2014 October ; 11(10): 597–609. doi:10.1038/nrclinonc.2014.127.

がんとうつ病に関しては、以下の記事でも詳しく取り扱っています。心の状態からうつ病の危険性を確認するチェックリストや、うつ病のリスクを低減するための心との向き合い方などをまとめているので、ぜひご覧ください。
>>がん患者におけるうつ病やうつ状態の対応とポイント

疲労を緩和させるには

疲労を緩和させるには
がんに伴う疲労感は、ある程度自然に生じることではありますが、やはり少しでも和らげて過ごしたいですね。どのような方法があるかお伝えします。

栄養不足に気を付ける

何も言われていないのであれば、基本的にはバランス良く、タンパク質を少し意識してみましょう。
治療中には、食欲が落ちているとき、食べたくないときもあると思います。
そうした場合には、無理にバランスを考える必要はありません。
食べられそうなものを優先してとりましょう。
ゼリーや果物、麺類などが食べやすいと答える方が多いです。
また、吐き気がある場合には、匂いのあるもの、熱い物よりは、匂いの控えめで冷たいものの方が気になりません。
うどんや素麺は、入院中の食事でも人気のあるメニューです。

できる範囲の運動を楽しくおこなう

「疲れているときは安静にします」という方が多いでしょう。
しかしながら、最近はがん患者の運動療法の大切さが見直されてきています。
運動不足が疲労の原因になるという、ちょっと驚く情報ですね。

運動といっても、ランニングやテニスなどハードな運動をする必要はありません。
その時の体力や気持ちに合わせて、少しの有酸素運動をしてみましょう。
だいたい、週に150分程度が目安とされています。
毎日おこなうのであれば、1日20分です。
少し息が上がって汗ばむくらいの運動がおすすめされています。
ウォーキングやラジオ体操、ヨガなどはいかがでしょうか。
もちろん、無理は禁物です。リハビリスタッフに、自宅で出来る体操などについてアドバイスをもらうのもよいでしょう。

瞑想で精神的なリラックスを

高齢のがん患者に瞑想を取り入れてもらった研究では、炎症反応が低下する、精神的に落ち着くという結果が出ました。
疲労の軽減につながるかはまだ結果が出ていなませんが、炎症が抑えられることで疲労が減るかもしれません。
楽な姿勢でおこなえますので、体を動かすのはつらいという方でも取り入れやすいのではないでしょうか。瞑想のためのアプリや動画などが配信されています。

まとめ

がん患者は、ほとんど全員が疲労を感じています。がんそのものや治療の影響もありますが、じつは栄養不足や運動不足も疲労につながる可能性があります。
タンパク質を意識した食事や、無理のない範囲でのエクササイズが疲労を改善してくれるかもしれません。また、瞑想をおこなうことで炎症が抑えられたり、精神的に穏やかになったりとよい影響が得られるようです。

少しでも疲労がやわらぐよう、取り入れられそうなものから始めてみませんか。

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンの種類や成分についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。
>>フコイダンの効果・作用についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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