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健康の科学

お酒の飲み過ぎはなぜよくないの?肝臓とアルコールの関係

春が近づくとさまざまなイベントが増えます。卒業式や入学式。社会人になってからは、送別会や歓迎会、お花見など飲む機会が増えるのではないでしょうか。

アルコールは肝臓に悪いと知っているけれども、どのように影響するのかご存じですか?今回は、アルコールの飲み過ぎによる肝臓の病気を中心に、アルコールと肝臓の関係を紹介します。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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肝臓は沈黙の臓器

肝臓は、病気になっても症状がでにくいため、ほとんどの人が肝臓障害を見逃してしまいます。肝臓が、沈黙の臓器とも呼ばれる理由です。肝臓は、再生力も強く、大きな力が蓄えられているので病気で85%が壊れても働き続けるともいわれています。

しかし、病気によりおなかに水がたまったり黄疸がでたりと症状がでるころには肝臓の病気が進んでしまっていることも。気づかないうちに悪くなってしまう肝臓。早期発見が大切です。

アルコールによる肝臓の病気

アルコールと肝臓の病気は、切っても切れない関係にあります。アルコールは肝臓で代謝されるからです。よって、アルコールを飲み過ぎることで、肝臓に負担がかかってしまいます

アルコールを飲む期間や飲む量だけが関係する訳ではありません。じつは少量でも短期間でもアルコールを飲むことで肝硬変になる人もいます。

ここでは、アルコールが理由で起こるアルコール性肝障害についてみていきましょう。

1. 脂肪肝

アルコール性肝障害でよくみられるのが脂肪肝です。アルコールの量が多くないとしても、毎日飲んでいると肝臓に負担がかかります。すると肝細胞に中性脂肪がたまっていきます。この状態が脂肪肝です。

食べ過ぎによる肥満や糖尿病なども脂肪肝に関係します。症状はほとんどなく、超音波検査などで見つかることが多くあります。アルコール性肝障害の初期である脂肪肝は、お酒をやめれば肝臓の負担が減り、短期間でも改善することが特徴的です。

2. アルコール性肝炎

アルコール性肝炎も、アルコ-ル性肝障害のひとつです。症状としては、おなかに水がたまったり黄疸がでたり、腹痛、発熱などがあります。長期にわたる大量の飲酒が原因です。重症化すると死亡する場合もあるので注意しましょう。
アルコール性肝障害として、脂肪肝と肝炎が併発する場合もあります。肝炎とわかった時点で飲酒をやめられるのであればよいのですが、アルコール依存症などで、肝炎になっているにもかかわらず飲酒を続けると、アルコール性肝炎はその後、肝硬変へと進行します。

3. アルコール性肝線維症

継続的な飲酒により、肝臓組織の線維化が進むと、アルコール性肝線維症と診断される場合があります。そして、アルコール性肝線維症が重症化すると肝硬変となることも。

おなかに水がたまる腹水や、黄疸の症状から肝硬変と診断されます。そこから詳しく検査し、肝臓が線維化していることがわかるとアルコール性肝線維症と診断されます。代謝酵素の遺伝的要因もあり、アジア系で多いのが特徴です。

4. 肝硬変

脂肪肝が続くと、線維が増え肝臓が硬くなります。健康的な肝細胞が減り、肝臓の機能が低下した状態が肝硬変です。肝硬変になってしまうと、肝臓の機能回復はほとんど期待できません

しかし、長期的で完全な断酒により、おなかに水がたまる腹水や黄疸が改善されるのであれば、肝臓の再生に希望が持てます。また、肝硬変から肝臓がんに進む場合も多くあり注意が必要です。

5. 肝臓がん

アルコール性肝硬変から、肝臓がんに進んでしまうことも多くあります。肝臓がんはアルコールだけでなく、他にもC型肝炎やB型肝炎ウイルスもリスク要因です。

ウイルスの感染から肝硬変となり、年齢が若くても肝臓がんのリスクが高まります。C型肝炎やB型肝炎の治療が成功し、ウイルスがいなくなると肝臓がんの発生率も下がります。

肝臓がんの発生は、アルコール性肝硬変やウイルスだけが理由ではありません。喫煙や肥満、他のがんの併発、アルコール依存症などさまざまな因子が関与します。

アルコールを飲まない人も肝臓の病気に注意が必要

アルコールを飲まない人も肝臓の病気に注意が必要
お酒を飲まない、あるいは飲んだとしても少量しか飲まない人は肝炎にならないのでしょうか?

じつは、最近では、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれるアルコールが原因ではない肝障害も増えています。

NAFLDを放置することでNASHへと進行し、さらに肝硬変や肝臓がんと病状が進行してしまう場合も。原因として考えられるのは、運動不足や食べ過ぎによる肥満、糖尿病などの生活習慣病です。

30代以上の男性に多く、女性の場合は閉経後に増加します。飲酒しない人でも、健康診断などで肝臓の数値はチェックするようにしましょう。

アルコール性肝障害を防ぐ方法

アルコールと肝臓の病気は密接な関係があるとわかりました。では、予防する方法はあるのでしょうか?今回は以下の3つのポイントを紹介します。

禁酒

禁酒は、アルコール性肝障害の治療法でもあり予防法でもあります。禁酒により、おなかに水がたまる腹水や黄疸の症状が改善され、肝機能が回復することも。アルコール性肝障害を防ぐためにも禁酒は効果的です。

普段から日課としてお酒を多く飲んでいる方、アルコールがやめられない方は、アルコール依存症の可能性があります。その場合は、禁酒するといっても簡単ではありません。断酒会や自助グループ、専門家による治療などが必要になってくるでしょう。

肝臓の数値を確認する

普段から肝臓の数値を確認することも、アルコール性肝障害を防ぐ方法のひとつです。血液検査の結果から、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPの指標を確認してみましょう。

AST(GOT)とALT(GPT)は肝細胞で作られる酵素です。健康な方の血液中にもみられます。肝障害により肝細胞が壊れると、血中に流れる量が増え値が上がってしまうのです。ALTは主に肝臓中に存在しているので、肝障害が起こるとALTの方がASTよりも高値を示します

また、γ‐GTPが高い場合は、アルコールの飲み過ぎを疑いましょう。健康な人はアルコールを飲まないとγ‐GTP値が下がります。一定期間あけて検査することで、一時的なものなのか肝臓やすい臓の障害によるのかがわかります。

普段からお酒を飲む方は、症状がなくてもきちんと肝臓の数値を確認することが重要です。

毎日の食事を見直す

飲酒だけでなく、毎日の食事を見直すことも大切です。肝臓が元気に働くためには、良質なたんぱく質とビタミン、ミネラルをとりましょう。

たんぱく質は大豆製品、肉類、魚類、乳製品などから摂取できます。ビタミン・ミネラルは緑黄色宇野菜やきのこ、海藻からも摂取できます。

食事で栄養分を取り入れるのが難しい方は、サプリメントや健康食品からはじめてみましょう。

まとめ

まとめ
アルコールと肝臓の関係について紹介しました。肝臓は沈黙の臓器なので、症状がでてからでは病気が進んでしまっていることも。アルコールを飲まない人であっても肝臓障害になりうるので、健康診断の結果は注意しておきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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