1. コラムTOP
  2. 海藻の化学
  3. 海藻の健康効果と推奨される摂取量。毎日食べるのはNG?
海藻の化学

海藻の健康効果と推奨される摂取量。毎日食べるのはNG?

「海藻が体によい」と聞いたことはありますか?
日本でよく食べられている海藻には、さまざまな健康上のメリットがあるとわかっています。一体、どのくらいの量を食べるとよいのでしょうか?
今回は、海藻の健康効果を解説するとともに、推奨される摂取量を紹介します。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

詳しいプロフィールはこちら

海藻はメリットがたくさん

海藻はメリットがたくさん
近年では、海藻の健康上のメリットが広く知られるようになっており、日本だけでなく海外でも注目を集めているようです。具体的にみていきましょう。

心筋梗塞を減らす

海藻をたくさん食べることで、心筋梗塞のリスクが減少します。
8万6千人の日本人を20年間調査した研究によると、ほとんど毎日海藻を食べる人は、ほとんど食べない人と比べて、狭心症や心筋梗塞をおこすリスクが24~44%も低下することがわかったのです。
週に3.4日以上の頻度で海藻を食べると心臓病のリスクが減ってきます。

心筋梗塞の原因となるのは動脈硬化、そして動脈硬化を引き起こすのはコレステロールです。それぞれについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
>>動脈硬化とは?その原因と対策方法について
>>コレステロールを下げるために毎日食べたい食品は?

高血圧の抑制

海藻の持つ「塩分を吸着して体の外に出す働き」によって、高血圧を抑えます。
日本には、高血圧の治療を受けている人だけで1000万人もおり、かかっている医療費は約2兆円です。高血圧の診断を受けていない人も含めると、4000万人ほど血圧の高い方がいると推測されています。
血圧のために塩分を控えた食事を作るのもなかなか大変ですし、外食となると難しいこともあるでしょう。そんな方は、海藻を使ったメニューを1品取り入れてみませんか。スープやみそ汁、サラダ、酢の物などは海藻を使いやすいメニューでしょう。
高血圧を改善することで、動脈硬化の進行を抑えることにつながり、先ほどお伝えした「心筋梗塞が減る」ことにもつながっています。

海藻に併せて、カリウムを含む野菜や果物、n-3系脂肪酸を含む青魚などを食べると、さらに高血圧の抑制に効果的です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>減塩だけじゃない!血圧が下がる生活習慣とおすすめの食品を紹介

内臓脂肪を減らす

海藻には、内臓脂肪を減らす効果があります。
いわゆる「メタボ」で、お腹周りの脂肪に悩んでいる方は多いでしょう。女性は、ホルモンバランスの影響で更年期以降に内臓脂肪が増えやすく、「体型が変わってしまった」と悩む方が少なくありません。
動物を使った研究によると、ワカメ・もずく・昆布などの「褐藻」と呼ばれる海藻類に含まれるマグネシウムやフコキサンチンは、脂肪の燃焼を助けたり、脂肪をつきにくくしたりする働きがあることがわかりました。
加齢によって基礎代謝がおちて痩せにくくなっている方、メタボの改善をしたい方に、ぜひ取り入れてもらいたいです。食事に加えるほか、間食に昆布のおやつを食べるのもよいかもしれません。昆布は歯ごたえがあるため噛む回数が増え、満腹感を得やすいという効果もあります。
人の体での効果はまだわかっていませんが、海藻を取るだけで内臓脂肪を減らす助けになるかもしれない、というのは朗報ですね。

海藻に含まれる栄養素については、以下の記事でも詳しく解説しています。
>>海藻の栄養素とは?健康に良い理由とは?

毎日の食事に取り入れてみよう

毎日の食事に取り入れてみよう

海藻には、さまざまな健康によい効果があるとご紹介しました。では実際に毎日の食事に海藻を取り入れるとき、どのくらいの量を食べればよいのでしょうか。

食べ過ぎはNG?

以前から、海藻を食べすぎることで、海藻に含まれるヨウ素が甲状腺に悪影響を及ぼすのではないかと言われていました。
調査が進み、実際にある程度関連があることがわかっています。ほとんど海藻を食べない人に比べて、毎日海藻を食べる人では、甲状腺がんを発症するリスクが1.4倍という結果でした。
さらに、閉経後の女性では特に注意が必要だということがわかりました。閉経後の女性は、閉経前の女性と比較すると、ほとんど毎日海藻を食べる場合では3.8倍も甲状腺がんになるリスクが高まるそうです。
閉経の前後でなぜ甲状腺への影響が変化するのかは、まだわかっていません。

週に3.4回がおすすめ

病気の予防効果と、甲状腺への影響を合わせて考えると、海藻は週に3.4回食べるのがおすすめといえます。
海藻に含まれるヨウ素の1日の推奨摂取量は0.13mg、日本人の平均摂取量は1〜3mgです。そのため、ほとんどの方は欠乏の心配はありません。
海藻に含まれるヨウ素の量は以下の表を参考にしてください。

1品の海藻摂取量 含まれるヨウ素の量
わかめの味噌汁(1-2g) 0.1mg
ひじき(5-7g) 2mg
昆布だ(0.5-1g) 1-3mg
海苔1枚 0.12mg

目安としては、1日に小鉢1品でよいのではないでしょうか。

まとめ

海藻には、じつにたくさんの健康効果があることがわかっています。
特に、生活習慣病の改善効果が高く、日々の食事に取り入れることはメリットが大きいでしょう。一方で、海藻を食べすぎてしまうと、甲状腺の病気を発症するリスクが高まります。
1日小鉢1品程度の海藻を、週に何度か取り入れてみてはいかがでしょうか。

フコイダンには試験管レベルの研究結果も多いですが、すでに次のような作用が実証されております。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

さらに、そんな美容と健康に対してさまざまな作用をもたらすフコイダンを効率的に摂取できる方法として、最近では「中分子フコイダンドリンク」にも注目が集まっています。

毎日飲むだけで簡単に続けられるので、フコイダンに興味がある方はぜひ、こちらもあわせて検索してみてはいかがでしょうか。

「中分子フコイダンドリンク」で調べると、中分子フコイダンや中分子フコイダンドリンクについてさらに詳しい情報を得ることが可能です。

1

この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

おすすめの関連記事

スマホ用のフローティングバナー