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健康の科学

減塩だけじゃない!血圧が下がる生活習慣とおすすめの食品を紹介

高血圧の食事といえば、「減塩」を思い浮かべるのでは?もちろん減塩は大切ですが、血圧が上がる仕組みを知れば、積極的に摂りたい成分がわかります。血圧を下げるために、何を食べれば良いのでしょうか。食事を含めた生活習慣で、見直すべきポイントをまとめました。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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そもそも血圧とは?

 
血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の内壁を押す圧力のこと。ホースに大量の水を流すと水圧で膨らむように、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)が多いと、血管への圧力が大きくなります。
また、流す水の量が少なくても、ホースのどこかを押さえると、その手前に圧力がかかって膨らみます。血管もこれと同じで、血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)が血圧に影響を及ぼします。

血圧が上がるメカニズム

 
血圧は「心拍出量」と「末梢血管抵抗」の増加によって上昇します。
興奮すると血圧が上がるのは、交感神経が活性化し、アドレナリンなどが分泌されるためです。アドレナリンは心拍出量を増やし、血管を収縮させて末梢血管抵抗を増加させます。緊張したりストレスを感じたりしたときも、交感神経が活性化されるので血圧が上がります。
また、心拍出量は腎機能が低下したときにも増加しますし、末梢血管抵抗は動脈硬化などと深く関係しています。
>>動脈硬化とは?原因と対策方法

高血圧の原因

 
高血圧は大きく分けて2種類あります。ほかの病気や薬の影響によって起こる「二次性高血圧」と、原因がはっきりしない「本態性高血圧」です。
日本人の高血圧の大部分は本態性高血圧なので、単に高血圧と言った場合はこちらを指すことが多いでしょう。
本態性高血圧は、塩分の摂り過ぎ、肥満、喫煙、飲酒、ストレス、運動不足、遺伝的体質などが組み合わさって起こるとされています。

なぜ塩分を摂り過ぎると血圧が上がるのか

 
高血圧の人は塩分を控えましょうと言われますが、塩分と血圧の関係は十分に解明されていません。ただ、塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると、血液の浸透圧を保つために血中の水分が増えます。その結果、心拍出量が増えて血圧の上昇を招くと考えられているのです。
高血圧治療ガイドラインでは、塩分は1日6g未満を推奨。日本人の食事摂取基準2020年版では、生活習慣病を防ぐための1日の摂取量として、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満を目標としています。※1

※1 厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020 年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書

塩分以外に気を付けることは?

 
塩分以外に気を付けることは?
血圧を下げるには、塩分だけでなく、カロリー制限も重要です。高血圧の要因には遺伝的体質もありますが、生活習慣の見直しによって改善される場合が多いと言われています。

適正体重を維持する

 
肥満は高血圧の要因のひとつです。内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞から血圧を上げる物質が分泌されます。肥満の人では、減量によってほぼ確実に血圧が下がるため、自分の適正体重を知り、それを維持することが大切です。
肥満かどうかはBMI(Body Mass Index,体格指数)で判定します。BMIの計算式は以下の通り。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BIMが18.5未満は「痩せ」、18.5~24.9なら「ふつう」、25以上は「肥満」です。※2
なお、急激に減量するとリバウンドの恐れがあるため、半年で今の体重の-5%か、1ヶ月1kgくらいのペースが良いでしょう。

健康的な減量方法として、普段の食事に海藻を取り入れてみることを推奨します。
以下の記事で、海藻のダイエット効果を紹介しています。ぜひご覧ください。
>>海藻ダイエットの効果。おすすめの組み合わせや食べ方もご紹介

※2 e-ヘルスネット.BMI

適度な運動を心がける

 
運動によって消費カロリーが増えるため、減量効果が期待できるのはもちろん、リラックス効果が得られます。リラックスすると血管が広がり、血液が流れやすくなるのです。さらに、適度な運動を続けることで、血管の機能が改善するとされています。
運動すると一時的に血圧が上がりますが、その後は下がることが多いと言われます。ただし、息を止めて行うような運動は血圧が急上昇しやすいので要注意です。
血圧を下げるには、ウォーキングや水泳など、全身を使う有酸素運動がおすすめです。運動の時間を取れない人は、できるだけ階段を使う、てきぱき掃除をするなど、こまめに動くことを心がけましょう。

血圧を下げるためにおすすめの食品・栄養素

 
食品に含まれる栄養素や成分には、血圧を下げる機能が認められているものがいくつかあります。血圧を下げる効果が期待できる食品を、減塩プラスαとして、日々の食事に取り入れましょう。

カリウム:野菜・果物・海藻

 
カリウムは塩分の排泄を促す作用があり、生活習慣病を防ぐために1日に摂るべき目標量が定められています。野菜、果物、海藻などの植物性食品に幅広く含まれていますが、日本人の平均的な摂取量をみると、男女とも目標量を満たしていません。
高血圧の人はカリウムをたっぷり摂ると良いですが、腎臓が悪い人は制限する必要があります。

水溶性食物繊維:海藻・果物・大麦

 
海藻には「アルギン酸」や「フコイダン」、熟した果物には「ペクチン」、大麦には「β-グルカン」という水溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維はコレステロールや血糖値を下げる働きがあり、動脈硬化を防ぐことが期待できます。
ちなみに、話題のオートミールやもち麦は大麦の加工品です。主食に大麦を取り入れることで、水溶性食物繊維を効率よく摂れます。

>>食物繊維とは?働きや摂取の方法をご紹介

n-3系脂肪酸:青魚、アマニ油、えごま油

 
魚の油に多く含まれる「DHA」や「EPA」、アマニ油、えごま油に含まれる「α-リノレン酸」は、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)と呼ばれ、体に良い油の代表格です。n-3系脂肪酸は血中の中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする働きがあります。

GABA(γ-アミノ酢酸):発芽玄米、トマト、きのこ

 
「GABA」は体内では脳や脊髄に多く存在し、イライラや興奮を抑える働きがある物質です。ストレスケア成分としてチョコレートなどに配合されています。
また、血圧が高めの人に適した特定保健用食品(トクホ)の関与成分として認められています。

ポリフェノール類:緑茶、赤ワイン、たまねぎ

 
ポリフェノールは植物に含まれる水溶性色素成分の総称で、たくさんの種類があります。代表的なものとしては、緑茶の「カテキン」、ぶどうの「アントシアニン」、たまねぎの「ケルセチン」など。これらは強い抗酸化作用があり、酸化による血管のダメージを防ぐことで血圧を下げると考えられます。

リコピン:トマト、スイカ、柿、マンゴー、パパイヤ

 
「リコピン」は脂溶性の色素成分で、赤色、橙色、黄色の野菜や果物に含まれています。緑黄色野菜に多いβ-カロテンと同じカロテノイドの一種で、とても強い抗酸化作用があります。

ナットウキナーゼ:納豆

 
「ナットウキナーゼ」は納豆のネバネバ部分に含まれる酵素です。血圧が高めの人を対象とした試験で、ナットウキナーゼの摂取が高血圧の予防と治療に役立つ可能性が示されています。※3
納豆にはナットウキナーゼのほか、納豆菌やビタミンKなど様々な有用成分が含まれますが、ワーファリンを服用している人はビタミンKが薬の効果を弱めるので要注意です。

※3 Effects of nattokinase on blood pressure: a randomized, controlled trial.Hypertens Res. 2008 Aug;31(8):1583-8.

まとめ

 
「高血圧の食事=減塩」と思われていますが、実は適正体重を維持するほうが効果的。さらに、血管を若々しく保つことで末梢血管抵抗が減り、血圧が下がります。そのためには、野菜・果物・海藻・きのこ・魚・大豆製品を積極的に摂り、タバコやアルコールを控えることが大切です。

また、もずくやめかぶ、昆布に含まれる「フコイダン」という成分には健康に対するさまざまな作用があることが報告されているため、積極的に食事に取り入れてみるといいでしょう。

>>フコイダンとは何か?成分と健康への影響を解説

フコイダンで報告されている作用は、現時点で以下の通りです。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

中でも注目したいのは、日本の死因第1位であるがんに対する作用です。

がん治療の統合医療においてフコイダンは、抗がん剤との併用が可能であり、かつその効果を高めたり、副作用を軽減したりすると期待されています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

毎日の食事に気軽に取り入れられることから、治療だけではなく予防のための活用も可能。

フコイダンは、様々な病気に対する良いアプローチを見込める成分です。健康維持にぜひお役立てください。

そんな美容と健康に対してさまざまな作用をもたらすフコイダンを効率的に摂取できる方法として、最近では「中分子フコイダンドリンク」にも注目が集まっています。

毎日飲むだけで簡単に続けられるので、フコイダンに興味がある方はぜひ、こちらもあわせて検索してみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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