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海藻の化学

わかめの栄養素と効果とは?健康への影響など解説

毎日の食事に取り入れやすい海藻である「わかめ」には、どのような健康効果があるか詳しくご存じですか?
今回は、わかめのもつ様々な効能をご紹介します。今まであまり取り入れていなかったという方にも、ぜひ注目してもらえたらと思います。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

【書籍】
アンチエイジングの仕組み(扶桑社)
炭酸美肌術(幻冬舎)
ミトコンドリア不老術
(幻冬舎)
20分で素肌美人になる!
(現代書林)
「脱毛因子ブロック」で髪はよみがえる!(現代書林)
地球のパワーで輝く美肌がよみがえる(現代書林)

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わかめは健康にも美容にも効果的

わかめの効能を3つご紹介します。

メタボリックシンドロームの予防に

40代ごろから少しずつ気になってくるメタボリックシンドローム。
近年の研究によると、わかめにはメタボリックシンドロームを総合的に予防できるような効果があるそうです。

たとえば、わかめを食べることで中性脂肪を下げることができるという日本の報告があります。水で戻したカットわかめ4gを食べてから脂質の多い食事をした場合、カットわかめを食べなかった場合と比べて、食後の中性脂肪の値が減少していたのです。
食事の最初にわかめを摂取するという手軽な方法なので、誰でも取り入れやすいでしょう。

また、わかめに含まれるフコキサンチンは、体重増加を抑えたり、血糖値の急上昇を抑えたりといった作用もあります。血糖値の急上昇は「血糖値スパイク」と呼ばれ、眠気やだるさ、動脈硬化の原因になったりと、さまざまな悪影響を及ぼすものです。肥満や高血糖はさまざまな病気につながるため、わかめが肥満改善の助けになるのは嬉しい効果と言えますね。

さまざまな作用をわかめ1つで得られるので、メタボリックシンドロームが気になってきた方は、食事にわかめを取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、わかめを摂取する以外にも、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を予防する方法があります。
以下の記事で紹介しているので、気になる方はご覧ください。
>>生活習慣病を予防する5つのポイント

髪を健康に保つ

わかめに含まれる「ヨウ素」は、甲状腺ホルモンの材料となり、髪によい影響を与える成分です。
甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を促すホルモン。血流を促すことで頭皮にしっかりと栄養を与える、髪の毛の成長を促す、といった作用があります。髪の毛を健康に保つ「育毛」のための成分といえるでしょう。

ヨウ素は、海藻だけでなく昆布出汁や魚介類などにも含まれるため、日本人はおおむね不足なく摂取できていることがわかっています。過剰摂取になってしまいますので、サプリなどで追加で摂取する必要はありません。

フコイダンの原料としてよく使われるメカブはわかめの根本部分で、育毛効果も期待できます。フコイダンはもともと抗がん剤治療のサポートに活用することが多いのですが、脱毛に効果があるといわれています。フコイダンと育毛効果について詳しく知りたい方は、ぜひ下記をご参照ください。

>>フコイダンで髪が育つ?フコイダンの育毛効果について

便秘の解消に

マグネシウムと水溶性食物繊維は、便秘解消に効果的です。

マグネシウムは、下剤の成分としても用いられるなど、便秘の解消に効果的なミネラルです。令和元年の調査によると、平均摂取量が約200〜250mgで、男性ではやや不足傾向が見られます。マグネシウムは、ごまやアーモンドなどにも含まれますが、わかめをはじめとした海藻類は含有量が多いです。

水溶性食物繊維は、からだの中で水分を吸ってゼリー状になり、便の水分量を増やします。その結果、便がやわらかくなり、便秘の解消の助けになることが報告されています。便秘解消のためには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は1:2が理想的なのではないかと考えられていますが、実際には1:3程度の摂取状況です。
水溶性食物繊維が豊富なわかめなどの海藻を取り入れて、食物繊維の比率を改善してみてはいかがでしょうか。

わかめの種類と調理法

わかめの種類と調理法
わかめは、部位によって名称や特徴が異なります。それぞれ、おすすめの調理法をご紹介しますので、部位を使い分けて楽しんでみてください。

乾燥わかめは、薄くて火が通りやすいため、過熱しすぎると溶けて形が崩れてしまいます。煮込み料理にはあまり向きませんが、スープやみそ汁の最後に加える、酢の物など火を通さない和え物に使うのがおすすめです。

茎わかめは、わかめの中心のかたい部分を指します。肉厚で、歯ごたえもしっかりしているため、コリコリ感を楽しめる料理がおすすめです。きんぴらや佃煮はいかがでしょうか。

めかぶは、わかめの根元のこと。コリコリとした食感と強いネバネバ感が特徴的な部分ですので、ネバネバ食材が好きな方におすすめです。スープや和え物に使っても、納豆やオクラなど他のネバネバ食材と合わせても、美味しく食べられます。わかめの中では、比較的どんな調理方法も合いますよ。

また、わかめは水溶性食物繊維ですが、取り方のコツを下記でご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

>>食物繊維とは?働きや摂取の方法についてご紹介

まとめ

「わかめ」の3つの効能
今回は、身近な海藻である「わかめ」の3つの効能と、わかめの調理法についてご紹介しました。メタボリックシンドロームの予防や美容への効果、便秘改善など、わかめにはさまざまな効能があります。
みそ汁やサラダだけでなく、食べ方にもバリエーションをつけて、わかめを積極的に取り入れてみませんか?

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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