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健康の科学

食欲不振を改善したい!おすすめのセルフケアについてご紹介

食欲不振は多くのがん患者さんが経験する症状です。思うように食べられないと不安になり、食事を作ってくれた人に対して罪悪感を持つこともあるでしょう。この記事では、食欲がないときの対処法や食事の工夫、セルフケアについて紹介します。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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食欲不振の原因は?

 
がん患者さんの食欲不振は、がん自体の影響、抗がん剤や放射線治療の副作用のほか、心理的な要因も大きいと言われます。食欲不振の対処法は原因や症状によって異なるため、まずは原因を知ることが重要です。

がんの症状が原因の場合

 
がんによる痛み・だるさ・息苦しさなどは食欲不振の原因となります。特に消化器系のがんでは、食べ物を飲み込みにくくなったり、消化管が狭くなって食べ物が通過しにくくなる場合もあります。
そうした場合は、がんの症状を改善するための治療が必要ですので、医師に相談しましょう。また、体の状態に合わせて、少しでも楽な姿勢で食べられるように環境を整え、飲み込みやすいように食べ物の形状を工夫することも大切です。

副作用が原因の場合

 
抗がん剤や放射線治療後は、吐き気・嘔吐だけでなく、口内炎や味覚障害などを生じやすくなります。吐き気があるときに無理に食べるのは辛いので、「食べられるときに食べられるものを食べれば良い」と考えましょう。
味を感じにくいときは、だしを効かせて風味をアップする、レモン汁や酢で酸味を加える、乳製品でコクを出す、生姜やシソでアクセントをつけるなどで、ずいぶん食べやすくなります。味を濃くしようとすると、塩分や糖分が過剰になるので注意しましょう。

心理的な負担が原因の場合

 
精神的なストレスも、食欲に大きく影響します。がん患者さんでは、治療や将来への不安から、食べられなくなる人も少なくありません。そんなときは、食事が楽しみになるように食器や盛り付けを工夫したり、リラックスできる雰囲気をつくると良いでしょう。
また、食べられないことを申し訳ないと思う患者さんもいます。せっかく作ったのに食べてもらえないとガッカリするかもしれませんが、「後で食べればいいから」と言って残しておくようにすると、患者さんの心の負担が和らぎます。

食欲がないときに大切なこと

 
食欲がないときに大切なこと

食欲がないときに、食べられないことを気に病むのは逆効果。「2~3日食べられなくても何とかなる」と考えて、焦らずに気を楽に持つことが大切です。
ただし、水分だけは十分に補給しましょう。食べ物にも水分が含まれるので、食事が摂れないと脱水になってしまいます。下痢や嘔吐があるときは、なおのこと注意が必要です。
1日3食、決まった時間に食べるに越したことはありませんが、こだわる必要はありません。栄養バランスも大切ですが、そのときに食べたいもの、食べられそうなものを優先しましょう。
栄養補給の方法は食事以外にもありますし、どんな食べ物でも口から食べている人のほうが元気でいる傾向があります。食欲不振が長引くときは、体重の変化を見ながら、必要に応じて医師に相談することが大切です。

食欲がないときにおすすめの献立は?

 
「食べられるときに、食べたいものを、食べられるだけ」が原則ですが、献立や味付けの工夫で、食欲不振や栄養不足が改善されることがあります。
例えば、白いごはんは食べにくくても、おにぎりにすると食べられたりします。炊き込みご飯や混ぜご飯も良いですね。おかゆも少し味を付けるか、ふりかけや佃煮を付けると食べやすくなります。
メインのおかずは、身が柔らかい魚の煮付けや豆腐・卵料理がおすすめ。野菜は柔らかく煮るとたくさん食べられます。また、酢の物はさっぱりして食べやすい人が多いようです。
さらに、汁物を野菜のポタージュにすると栄養価がアップ。野菜のビタミンやミネラルだけでなく、牛乳や豆乳を加えることでタンパク質も補えます。
デザートや間食も重要です。ヨーグルト、アイス、プリン、ゼリー、果物などでカロリーアップを図りましょう。冷たいもの、味が濃いものなどが食べやすいこともありますが、消化吸収機能が低下しているときは、辛いものや油が多い料理は控えましょう。
そのほか、小さい器に少量ずつ盛り付けることも大事。「完食できた」という気持ちが、食事の満足感や自信につながります。

栄養補助食品やサプリメントも有効

最近は、効率よく栄養補給できる補助食品もたくさんあります。インターネットで手軽に買えるので、利用してみてはいかがでしょうか。
がん患者さんでは、補完代替療法としてサプリメントや健康食品を利用する人も多く、様々な成分に有効性があるとされています。
中でも注目されているのがフコイダンです。

フコイダンとは

 
フコイダンは、モズク、メカブ、コンブなどの褐藻類に含まれる滑り成分で、水溶性食物繊維の一種です。1913年にスウェーデンの科学者によって発見され、1970年代から盛んに研究されるようになりました。その結果、抗がん作用をはじめとする多くの健康効果が報告されています。
しかしながら、褐藻類の種類や部位、採取した時期などによって、フコイダンの構造が異なるため、詳細な部分の構造はいまだに不明。フコイダンを化学的に合成するのは不可能なので、サプリメントと言ってもすべて食品から抽出された成分です。※1 

※1 海藻フコイダンの科学.山田 信夫.成山堂書店

フコイダンの抗がん作用

 
長年のフコイダン研究で明らかにされているのは、「アポトーシス誘導作用」「血管新生抑制作用」「免疫活性作用」の3つです。※2
アポトーシスとは、「プログラムされた細胞死」という意味で、正常な細胞は古くなると自ら死ぬようにできています。アポトーシスが作動せず、どんどん増え続けるのががん細胞の特徴ですが、フコイダンによってこのプログラムが誘導されるわけです。
また、がん細胞が栄養を取り込むために新しい血管を作ることを「血管新生」と呼び、これを阻止する作用も報告されています。さらに、がん細胞と戦う免疫細胞を活性化することで、がんの予防にも効果があるとされています。

※2  統合医療と健康を考える会.フコイダンについて

食欲不振にはモズク由来のフコイダンを

 
フコイダンには抗がん作用以外にも、肝機能をサポートしたり、コレステロールを低下させたり、ウイルス感染やアレルギーを抑制するなど、様々な作用が認められています。ただし、フコイダンは含まれる海藻の種類などによって構造が異なるため、作用の強さには違いがあることを知っておきましょう。
食欲不振には、消化器粘膜の保護作用に優れているモズクのフコイダンがおすすめです。モズク料理にもフコイダンが含まれるため、日々の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

さらに、フコイダンを効率的に摂取できる方法として、最近では「中分子フコイダンドリンク」にも注目が集まっています。

毎日飲むだけで簡単に続けられるので、フコイダンに興味がある方はぜひ、こちらもあわせて検索してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

 
がんの症状や治療の副作用などで食欲がないときは、水分だけはしっかり摂るようにして、食事の内容や時間は臨機応変に対応しましょう。水分もとれず、嘔吐を繰り返すような場合は、すぐに医師や看護師に相談することが大切です。栄養士やカウンセラーといった専門職も、色々と力になってくれるでしょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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