1. コラムTOP
  2. フコイダン
  3. フコイダンの副作用は危険?フコイダンの安全性について
フコイダン

フコイダンの副作用は危険?フコイダンの安全性について

フコイダンの副作用は危険?フコイダンの安全性について

薬には作用と副作用があるため、「がんに効く」と言われるフコイダンにも副作用があるのでは?
そんな不安からフコイダンの導入に踏み切れない方のために、フコイダンの副作用や安全性についてまとめました。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

詳しいプロフィールはこちら

フコイダンとは

メカブ・モズク・コンブなどの海藻類に含まれる「滑り成分」のこと。
食品学では水溶性食物繊維に分類され、とても体に良いとされています。

さらに最近は、がんを抑制する効果が知られるようになり、健康食品として数多くのフコイダン製品が流通しています。

フコイダンの定義

学術的には、『フコースを主構成糖とする高分子硫酸化多糖体』と定義されています。
つまり、以下の条件を満たすものをフコイダンと呼んでいます。

①「フコース」という糖を他の糖よりも多く含んでいる
②フコイダンとしての立体構造を有している(分子量1,000以上が目安)
③「硫酸基」を含んでいる

フコイダンの構造と機能性

フコイダンは原料となる海藻によって、糖の種類や数などの構造が異なります。
また、抽出方法によって分子量(塊の大きさ)が変わり、こうした違いが吸収率や機能性の違いになると考えられています。

例えば、コンブから抽出されるフコイダンは免疫活性や肝機能をサポートする作用が高く、モズクから抽出されるフコイダンは消化器粘膜を保護する作用に優れています。

フコイダンについてさらに分かりやすく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
>>フコイダンとは何か?種類や成分と健康への影響について解説
>>健康食品として注目されるフコイダンとは?

フコイダンの副作用

 
海藻類に含まれるフコイダンは、食品成分ですので副作用はありません。

ただし、健康食品のフコイダン製品は、海藻類からフコイダンのみを抽出して精製されますので、通常の食生活では摂りにくい量のフコイダンを簡単に摂取できます。

医薬品ではないため飲む量は決められていませんが、一度にたくさん摂ると、便が緩くなる可能性があるので注意しましょう。

冒頭で述べたように、フコイダンは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は腸の中でゲル状になり、便を柔らかくする働きがあります。体に害はありませんので、お子さまや妊娠中の方、高齢の方にも安心してお飲みいただけます。

フコイダンが抗がん剤の副作用を抑制

 
フコイダンが抗がん剤の副作用を抑制
フコイダンは副作用の心配がないだけでなく、抗がん剤の副作用を抑えるために、多くのがん患者さんが飲用しています。

ご承知の通り、抗がん剤はがん細胞を殺傷する目的で使われる薬で、そのほとんどに深刻な副作用があります。
抗がん剤ががん細胞以外の正常な細胞も攻撃してしまうからですが、特に免疫細胞が破壊されると全身状態が悪化します。
フコイダンが抗がん剤治療のサポートに役立つのは、免疫活性作用があるためだと考えられています。

また、フコイダンには抗がん剤の効果を増強する作用も認められています。
「アポトーシス誘導作用」と言われるもので、副作用のない抗がん剤のような働きです。

アポトーシスとは「プログラムされた細胞死」のこと。正常な細胞はアポトーシスによって、一定以上増えないようにできています。
このアポトーシスが機能せず、無秩序に増え続ける細胞が、がん細胞です。
フコイダンはがん細胞のアポトーシスを誘導し、抗がん剤の効果を高めることが分かっています。

>>フコイダンはがんに作用する?フコイダン療法と低分子・中分子・高分子の違い
>>がんとアポトーシスとの関係

フコイダンの作用について

 
上記のように、フコイダンはがん治療にも活用されていますが、他にも健康に役立つ様々な作用があります。
ここからは、フコイダンが持つパワーについて、現時点で明らかになっていることをご紹介します。

抗がん作用(三大作用)

 
フコイダンのがんに対する作用は色々ありますが、特に重要なのは次の3つです。

(1) アポトーシス誘導作用
(2) 血管新生抑制作用
(3) 免疫活性作用

「アポトーシス誘導」とは、がん細胞が自ら滅びるように仕向けること。
フコイダンの抗がん作用は、アポトーシス誘導によるところが大きいと言えます。

「血管新生抑制」とは、がん細胞の周りに新しい血管をつくらせないこと。
がん細胞も栄養がないと生きていけないため、自らの周りに血管を張り巡らせ、栄養を取り込もうとします。
フコイダンはこれを抑制する作用があり、がん細胞を兵糧攻めにして弱らせるのです。

「免疫活性」とは、がん細胞と戦う免疫細胞を増やして強くすること。がん細胞は健康な人でも毎日つくられていますので、免疫を活性化することで、がんの予防にもつながります。

抗ウイルス作用

フコイダンには、ウイルスに対して抗体の産生を促す作用があることが明らかになっています。
インフルエンザウイルスや単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスなど、さまざまなウイルスの感染を防げるとされています。

>>フコイダンの抗ウイルス作用や仕組みについて解説

デトックス効果

 
便には発がん性物質が含まれていることをご存知でしょうか?排便は有毒物質を体外に出す行為で、デトックス(解毒)につながりますが、そのために積極的に摂りたいのがフコイダンなどの水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は便を柔らかくして便通を促すだけでなく、腸内環境を整える作用があるため、悪玉菌によってつくられる発がん物質を減らす効果も期待できます。

生活習慣病対策

 
水溶性食物繊維が食後の血糖上昇を抑え、悪玉コレステロール値を下げることはよく知られています。
糖尿病モデルマウスにフコイダンを与えると、糖の吸収が抑えられるだけでなく、筋肉への糖の取り込みが促進され、血糖値の上昇が強く抑制されることが示されました。

抗アレルギー作用

 
花粉症などのアレルギーは、免疫細胞の過剰反応によって起こります。
花粉症は現代病と言われますが、メカブから抽出したフコイダンを摂取すると、辛いアレルギー症状が緩和されたという報告があります。

美容効果

フコイダンには、加齢によって衰えた肌の機能を補う力があるとされています。
フコイダンの保湿成分に注目が集まっていて、フコイダンを配合した化粧品の開発もおこなわれています。

>>フコイダンの美容効果について、飲んでも塗ってもキレイになる

まとめ

 
抗がん作用以外にもデトックス効果や生活習慣病予防、花粉症などのアレルギーにも効果があるフコイダン。
海藻から抽出される食品成分のため、薬のような副作用もありません

抗がん剤の副作用を緩和することも確認されていますので、検討してみてはいかがでしょうか。

最近では、フコイダンを効率的に摂取できる方法として「中分子フコイダンドリンク」というものが販売されています。

毎日飲むだけで簡単に続けられるので、健康のための新習慣として、誰もが取り入れやすいといえるでしょう。

興味のある方はぜひ一度「中分子フコイダン」で検索してみてください。

近年ではがん治療の統合医療にも、フコイダンが用いられるようになっています。
中分子フコイダンが持つ作用が、がん治療に良い効果をもたらすと期待されているためです。

具体的には、フコイダンは抗がん剤との併用が可能であり、かつその効果を高めたり、副作用を軽減したりする可能性が示唆されています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

フコイダンには、まだまだ秘められたパワーがあると考えられます。

今後研究が進むことで、私たちの健康に対しても医療分野に対しても、さらなる恩恵をもたらしてくれることでしょう。

1

この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

がんの種類を知る

おすすめの関連記事

スマホ用のフローティングバナー