2022.04.27
がんがんの転移とは?
がんの転移とは、がん細胞が発生した場所から血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って離れた部位や別の臓器へ移動し、そこで増えることをいいます。がんが最初にできた部位を原発巣(げんぱつそう)、がんが転移した部位を転移巣(てんいそう)と呼びます。大腸がんが肺に転移した場合には、「大腸がんの肺転移」と呼びます。転移しやすいがんと、そうでないがんがありますが、基本的にはどんながんでも転移する可能性があります。
転移の種類には、おもに(1)リンパ液を介したリンパ節への転移(リンパ行性(こうせい)転移)、(2)血液を介した別の臓器への転移(血行性転移)、(3)がんのできた臓器からがん細胞がこぼれ落ち、胸のなか(胸腔(きょうくう)内)やお腹のなか(腹腔(ふくくう)内)に散らばるように広がるパターン(播種(はしゅ)または播種性転移)があります。
がんの転移は、肺、肝臓、脳、骨など、身体のあらゆる部位(臓器)におこり得ます。また、最初にできたがんの部位(臓器)によって、転移しやすい部位が異なります。例えば、大腸がんは肝臓や肺に転移しやすく、乳がんは骨、肺、肝臓に転移しやすいことがわかっています。※
※ National Cancer Institute「Metastatic Cancer: When Cancer Spreads」
また、最初にできたがんの部位(原発巣)がはっきりしないのに、転移だけが見つかることもあり、このようながんを「原発不明がん」と呼びます。
なお、以下の記事ではそれぞれ大腸がん、乳がんの症状や治療法を詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
>>大腸がんとは?その症状と治療法について
>>乳がんとは?その症状と治療法について
がんの転移の検査
がんの病期(ステージ)および治療方針を決定するうえで、転移の有無や広がりの診断は必須といえます。がん転移の検査は、様々な検査方法を組み合わせて診断します。
超音波検査:腹部の臓器(肝臓など)やリンパ節への転移を検出可能な検査です。ベッドサイドで比較的簡単にできることがメリットです。
CT・MRI検査:がんの転移の部位、大きさ、(造影検査では)腫瘍内部の血流などを診断するために広く行われている検査です。撮影する部位にもよりますが、くび(頸部)からお腹の下(骨盤)まで幅広く検査することができます。
PET検査:腫瘍の良悪性の鑑別に用いられる検査です。全身を一度にスクリーニングできることより、他の画像検査では診断が難しい遠隔転移を診断することも可能な検査です。ただ、小さな転移の場合、検出できない場合もあります。
骨シンチグラフィ:骨転移を調べる検査です。
一般的に、がんが遠くの臓器やリンパ節へ転移している場合、最も進行した病期(ステージIV)と診断されます。
>>がんの転移とは?
>>ステージ4のがんとは?症状や具体的な治療法について
がんの転移に対する治療
がんの転移に対する治療法は、最初にがんが発生した部位、転移した臓器、転移の個数・大きさ、転移がみつかった時期、患者さんの年齢・全身状態などによって違います。つまり、患者さんひとりひとり治療法が違うということになります。さらに、診療する科(外科、内科、放射線科)、あるいは医師によっても、すすめる治療法が異なることがあります。
がんの転移に対する治療は、大きく分けて、全身療法と局所療法があります。転移の状態に応じて、全身療法だけ行う場合、局所療法だけ行う場合、あるいは、全身療法と局所療法を組み合わせて行う場合があります。
全身療法とは、抗がん剤やホルモン剤、免疫チェックポイント阻害薬などを点滴や内服で投与し、全身のがんを治療する方法です。がんの転移を縮小したり、できるだけ長く、進行しないようにすることが目的です。
なお、抗がん剤については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
一方で、局所療法とは、がんが転移した部位に対する治療のことです。転移が限局した臓器に小数のみ認める場合(小数転移あるいはオリゴメタスタシスといいます)には、局所療法が有効なことがあります。転移に対する局所療法には、手術による切除、放射線治療、ラジオ波焼灼などがあります。
大腸がんの肝転移に対する治療法
大腸がんの肝臓への転移(肝転移)を例にあげて説明します。
肝臓へ転移したがんの切除が可能であれば、まずは外科治療(切除)を考えます。転移の数が多かったり、転移したがんのサイズが大きかったり、あるいは、場所が悪くて切除が難しい場合には、まず抗がん剤治療を行ってから再評価し、切除が可能になれば手術を行う場合があります。
手術での切除が難しい場合や肝機能が悪い場合には、がんを栄養する肝臓の動脈内に抗がん剤を投与して塞ぐ肝動脈化学塞栓術を行ったり、マイクロ波凝固療法(MCT)やラジオ波焼灼(RFA)という方法で転移がんを凝固、死滅させる治療を行うこともあります。
また、高齢の患者さんや、全身状態があまりよくない患者さんでは、体幹部定位放射線治療(SBRT)や粒子線といった放射線治療を行うこともあります。
肝臓の転移の数が非常に多い場合、または、肺や脳、腹膜など他の臓器にも転移がみられる場合には、局所の治療は行われず、全身療法として抗がん剤治療を選択することが一般的です。
このように、大腸がんの肝転移の治療法だけでも非常にたくさんの選択肢があります。
まとめ
がんの転移とは、がん細胞が血液やリンパ液の流れに乗って別の部位・臓器へ移動し、そこで増えることをいいます。転移の種類には、リンパ行性転移、血行性転移、および播種性転移があります。がんの転移に対する治療には、全身療法と局所療法があり、両者を組み合わせる場合もあります。
がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、なかでも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。
海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。
抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用
フコイダンの種類や成分をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>フコイダンとは何か?種類や成分と健康への影響について解説
フコイダンの作用をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>健康食品として注目されるフコイダンとは?
中分子フコイダンの摂取は、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。
中分子フコイダン療法についてもっと知りたい方には相談・お問合せも承っております。がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
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