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末期がんは完治できる?治療方法や中分子フコイダンの可能性について

末期がんは完治できる?治療方法や中分子フコイダンの可能性について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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「末期がん」とはどういうがん?

がんの進行度を示すものとして、病期分類(ステージ)を使うことが一般的ですが、時々、「末期がん」という表現が使われることがあります。
例えば、本やネットの記事で「末期がんから奇跡の生還」といったタイトルを目にすることがあります。

この「末期がん」とはどういう状態のことでしょうか?

じつは、医学用語として「末期がん」という言葉はありません。
「末期がん」は、がんが進行あるいは再発して有効な治療の手段がなくなり、余命が数週間~数ヶ月と考えられる状態として使われることが多いようです。

ちなみに、余命とは、医師が統計データと実際の臨床経験に基づいて推測されたものであり、必ずしも正確とは限りません。
たとえば、余命3ヶ月と宣告された場合、多くの患者さんは「必ず3ヶ月以内に亡くなる」と思われるかもしれません。
しかし、余命は、生存期間の平均的な値として中央値(ある患者さんの集団において50%の患者さんが亡くなるまでの期間)が使われることが多いのです。つまり、生存期間の中央値が3ヶ月の集団のなかには、3ヶ月未満で亡くなる人がいる一方で、1年以上(あるいは5年以上)にわたって生存する人がいる可能性があります。

したがって、「余命3ヶ月」でも実際には3ヶ月より早く亡くなってしまう人もいれば、それよりずっと長く生きる人もいます。ですので、余命を宣告された場合でも、あくまで予測される平均的な期間であり、自分に当てはまらないことがあることを理解する必要があります。

このように、余命宣告を受けたときは受け止め方とその後の心のケアが重要です。
以下の記事では、余命宣告の信頼性と正しい受け止め方について説明していますので、ぜひご覧ください。
>> がんの余命宣告を受けたら?信頼性と正しい受け止め方

ステージ4のがんは治らない?

また、「ステージ4=末期がん」と思っている人もいるようですが、これも誤解です。なかにはステージ4でも完治する人、あるいは、がんと共存しながら5年、10年と長期にわたって生存する人もいます。

がんのステージ4とは、一般的には「がんが他の臓器に転移している」状態です。
しかし実際には、ステージ4の定義はがんの種類によって違います。
また、転移に関しても、ある臓器の1カ所に小さな転移がある場合と、体のあちこちに10カ所以上の転移がある場合、どちらもステージ4になります。
ステージ4といえども、がんの種類、転移の状態などによって治療成績(予後)が変わってくる可能性があります。

>>ステージ4のがんとは?症状や具体的な治療法について
>>がんの転移とは?

最近では、ステージ4のがんの治療成績が向上しています。
分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤といった新しい薬が次々と開発され、再発や転移を認めるがん患者さんに使えるようになってきました。

こうした抗ガン剤をはじめとする治療が功を奏すれば、以前はほとんどなかったのですが、がんが小さくなり、手術が可能となるケースもあります。
この場合、さらに生存期間が長くなるチャンスが生まれます。

実際に、最新の統計データによると、すべて(全部位)のがんを対象とすると、ステージ4の患者の5年相対生存率は20%を超えています。もちろん部位によって生存率は違いますが、ステージ4でも2割以上の人が5年も生存する可能性があるのです。

末期がんの完治を目指すには

末期がんと聞くと、多くの方が「もう治る見込みはないのでは?」と感じてしまうかもしれません。しかし、現在の医療では、末期がんに対しても多様な治療法が存在しており、「完治」までは難しくても、進行を遅らせたり、症状を緩和したりすることで、生活の質(QOL)を大きく保つことができるケースも増えてきています。

ここでは、末期がんに対しておこなわれる代表的な治療法と、それぞれの目的・特徴について詳しく見ていきましょう。

末期がんの治療法

「末期がん」と診断されたとき、治療の選択肢が限られていると感じる方も多いかもしれません。しかし近年では、がんの進行度に関わらず、さまざまな治療法やケアが組み合わされ、患者さんのQOL(生活の質)や症状の緩和を目指した医療が広がっています。

ここでは、末期がんに対しておこなわれる代表的な治療法について、その特徴と目的、選択の際のポイントをわかりやすく解説していきます。

抗がん剤治療

抗がん剤治療は、がん細胞の増殖を抑える薬剤を体内に投与することで、がんの進行を抑えたり、腫瘍を小さくしたりする治療法です。末期がんにおいては「完治」よりも、延命や症状の緩和を目的とした使用が中心となります。

病状としてがんが複数の臓器に転移している場合には、局所的な治療では対応が難しいため、全身に作用する抗がん剤治療が有効な選択肢となることもあります。しかしながら抗がん剤は副作用も強く現れる可能性があるため、治療による効果と副作用のバランスを考慮しながら進めていくことが大切です。

手術治療

末期がんにおける手術は、「根治」を目指すものではなく、症状の緩和やQOLの向上を目的とした「緩和的手術」がおこなわれます。例えば、腸閉塞による腹痛や吐き気、食欲不振といった症状を軽減するために人工肛門を造設する手術などが一例です。

このような手術により、食事をとれるようになったり排便が可能になったりすることで、日常生活の快適さが大きく改善されるケースも少なくありません。手術の可否は、がんの広がり方や全身状態、ほかの症状の有無をもとに医師と十分に相談したうえで判断します。

放射線療法

放射線療法は、がん細胞にピンポイントで放射線を当てて破壊する治療法です。末期がんでは、進行したがんによる痛みや出血などの症状を緩和するために用いられることが多く、「緩和的放射線療法」と呼ばれます。

副作用が比較的少なく、短期間の治療で症状の緩和も期待できるため、患者さんの身体的負担を抑えつつ、効果的な症状緩和のために導入されます。例として骨転移による痛みや、呼吸困難、消化管出血などに対して有効なケースもあります。

免疫療法

近年注目されている免疫療法は、がん細胞を攻撃する体の免疫力「リンパ球」の働きを高めることで、がんを制御しようとする治療法です。中でも「免疫チェックポイント阻害剤」は、一部のがん種で画期的な治療効果が期待でき、長期的な効果や副作用の少なさからも期待されています。

しかしながら、すべてのがんに有効なわけではなく、適応となるがんの種類や遺伝子の特徴が限られていることもすくなくありません。体力の低下した末期がんの症例でも導入できるケースがあります。

緩和ケア

緩和ケアは、がんにともなう身体的・精神的な苦痛を和らげ、患者さんとそのご家族がよりよい生活を送るための医療や支援のことです。誤解されがちですが、緩和ケアは「最後の手段」ではなく、がんと診断されたそのときから並行して始めるべき医療の一部です。近年では、がんの病期に限らず「苦痛の少ない毎日」を送るために積極的に活用されています。

痛みのコントロール、精神的サポート、生活上の悩みへの対応、家族支援など、その内容は多岐にわたります。入院・外来・在宅とあらゆる場面で受けられる支援体制が整備されつつあり、緩和ケアの導入によって生存期間が延びるという報告もあります。

末期がん患者さんの生存率

がんの進行がステージ4と診断されたり、いわゆる「末期」と診断された場合、気になるのがどれくらい生きられるのかという「生存率」ではないでしょうか。

生存率は治療の見通しや生活設計を考えるうえで重要な指標の一つです。しかし、実際の数値はがんの種類や進行度、治療方法、年齢や体力などによって大きく異なります。

ここでは、末期がんにおける5年および10年生存率のデータを紹介します。

5年生存率

5年生存率1
5年生存率2

(参照:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/0808_1/index.html

5年生存率は、がんと診断された人が5年後も生存している割合を示す指標で、がん種や進行度、治療法によって大きく異なります。全体では相対生存率66.1%と報告されています。しかし、個人差や病期、なんのがんであるのかなど要因によるぶれが大きいため、数字に一喜一憂せず、主治医と相談しながら治療方針を考えることが重要です。

10年生存率

10年生存率
(参照:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01010/
10年生存率は、がん治療後の長期的な見通しを示す重要な指標です。国立がん研究センターの調査では、2008年診断例の10年相対生存率は59.4%でした。がん種や進行度によって大きく差があり、早期発見・治療が予後に大きく影響します。

10年生存率のデータは治療方針の検討や、患者さんやご家族の今後の生活設計に役立つ情報である一方、個々の状況(年齢、併存疾患、治療内容など)によっても大きく異なります。そのため、あくまで全体的な統計値として参考にしながら、主治医との綿密な相談を通じて、自分にとって最適な治療やサポート体制を見つけていくことが大切です。

がんの終末期医療

がんの終末期医療
一方で、がんが進行し、亡くなる人がいることも確かです。
次に、これらの患者さんに対する医療、すなわち「がんの終末期医療」について述べます。

終末期とは、がんなどの疾患や老衰などの進行によって、余命が数ヶ月以内と判断された後の時期を指します。その終末期に行われる医療のことを終末期医療(ターミナルケア)といいます。がん患者さんは、多くの場合、亡くなる2~3ヵ月前までは大きな支障なく日常生活を送ることができるのですが、亡くなる約1ヵ月前になると、食欲不振、倦怠感、呼吸困難感など様々な症状が出現し、次第に強くなってきます。

がんの終末期医療では、基本的に延命を目的とした積極的な治療は行われず、生活の質の維持または向上を目的として、身体的および精神苦痛を緩和する治療(すなわち緩和ケア)が中心となります。

緩和ケアについて、WHO(世界保健機関)は「生命をおびやかす病気に直面している患者とその家族に対し、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確に評価して対応することで苦しみを予防し、和らげることで生活の質を良くする方法」と定義しています。

つまり、身体的な痛みだけではなく、精神的なストレス、仕事のことや将来への不安、無力感など、心の「痛み」や「つらさ」を和らげるための方法です。

緩和ケアは、全国のがん診療連携拠点病院であればどこでも受けることができます(がん診療連携拠点病院以外の病院でも受けることができる場合があります)。
また、病院だけでなく自宅でも受けることができます。主治医やがん相談支援センターに相談してみてください。

>>緩和ケアとは?どこで受けられるかなど解説

がん治療に「中分子フコイダン」を用いた臨床結果

中分子フコイダンは海藻由来の天然成分で、がん治療の補完代替療法として注目されています。ある58歳女性の肺がんステージⅣ症例では、分子標的薬との併用により、脳転移を含む腫瘍が画像上で消失。3年間再発もなく経過は安定しています。

がん治療に「中分子フコイダン」を用いた臨床結果

>>臨床例①:ステージⅣの肺がんの脳転移(58歳⼥性)

この症例では、分子標的薬と中分子フコイダンの併用により短期間で腫瘍が消失したことが確認されています。フコイダン単独の効果かは断定できませんが、脳転移に伴う複視の症状が速やかに軽快したことからも、併用治療が有益な作用を及ぼした可能性が示されます。がん治療の効果は人それぞれ異なるため、中分子フコイダンなどの補完的な成分の導入・活用は専門知識のある医師と相談したうえで使用を検討することが大切です。

まとめ

末期がんと診断されても、すべてを諦める必要はありません。現在では、抗がん剤や手術、放射線、免疫療法、緩和ケアといった多様な治療法が存在し、症状の緩和や生活の質を維持しながら苦痛なく、楽しく過ごすことも可能になっています。

中分子フコイダンのような補完的アプローチが注目される例もありますが、あくまで治療の中心は標準医療です。末期がんにおける「完治」は簡単なことではありませんが、治療選択肢を知り、自分に合ったケアを受けることで希望ある時間をつくることもできます。

どの治療を選ぶかは、主治医との信頼関係のもとで丁寧に話し合うことが何よりも大切です。「自分なりの生き方」を最優先に、悔いのない時間を過ごすための参考となれば幸いです。

参考サイト:
全国がんセンター協議会.全がん協生存率調査
WHO公式Webサイト
がん情報サービス.緩和ケア

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

「中分子フコイダン」を用いた臨床結果の一例を紹介しています。どういった症状に効果があるか具体的に知りたい方は臨床ページをご覧ください。
>>「中分子フコイダン」を用いた臨床結果

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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