2023.10.10
がん全身がんとは? 治療法や検査方法について
「芸能人の◯◯さん、全身がんを公表」などと耳にしたことはありますか?「全身がん」という方は、あまり聞きなじみがないかもしれません。
がんには、はじめにできた部位(原発巣)と、血流などにのって移動し定着した部位(転移巣)とがあり、原発巣の部位によって治療が決まります。
がんが全身にできているとはどういった状態なのか、どのように治療がおこなわれるのか、最近の話題とともに紹介します。
原発巣と転移巣
がんが全身に複数箇所ある場合、どちらかが転移巣である場合と、どちらも原発巣である場合に分けられます。
原発巣は、はじめにがんが出来た部位のことです。転移巣というのは、原発巣からがん細胞が遠くに運ばれ、別の場所で大きくなったものを指します。
もともと肺がん(原発巣)があり、それが肝臓に転移する、というイメージです。多くの方はこのパターンに当てはまるでしょう。
がんの転移は、病気のどの段階でも起きる可能性がありますので、転移があるからといって必ずしも「余命が短い」というわけではありません。
それほど多くはないですが、原発巣がいくつかできる場合もあります。肺がんと胃がんが、たまたま同時期にできるようなことで、こうした状態は「重複がん」と呼ばれます。
がんは、できる部位によって細胞の形が異なります。例えば、胃がんのほとんどは、「上皮がん」という種類で、薄く平べったい形の細胞です。肺がんの半分程度は、「腺がん」という種類で、サイコロのような形をしています。
転移巣の細胞は、原発巣の細胞と同じ形や性質を持っています。つまり、同じ「肝転移」であっても、「胃がんの肝転移」と「肺がんの肝転移」では、がん細胞の見た目や性質が異なるため、見分けが付くのです。
細胞診という検査で、原発巣か転移巣かを判断することができます。
全身にがんがある状態の治療は?
全身にがんがある場合でも、それぞれに対し並行して抗がん剤治療をおこなうわけではありません。
重複がんのとき
一般的に、今現在も進行している、あるいはより深刻な症状が出そうな原発巣に向けた治療をおこないます。あまり進行していないか、進行しても症状があまり出ない部位のがんは定期的な経過観察で様子を見るということです。
どちらをメインで治療するか決めかねる重複がんの場合は、どちらにも効果が見込める抗がん剤を使用します。
乳がんや前立腺がんのホルモン治療のような、あまり体に負担にならない治療の場合は、他の抗がん剤治療と並行しておこなうことも可能です。
原発巣と転移巣があるとき
原発巣と転移巣が判断できる時の方が圧倒的に多いですが、いくら検査をしても原発巣が見つからないことも。
原発巣がわかるときは、原発巣に合わせた治療をおこないます。原発巣と転移巣は性質が同じなので、両方に効果が見込めます。
原発不明がんは、転移巣は見つかったのに原発巣がどこかわからないがんを指します。がん全体の1-5%程度です。早い段階で転移をおこす・抗がん剤が効きにくいなどの特徴を持ちます。
原発不明がんの治療は「この部分に転移があるということは、原発巣の可能性が高いのはどこか」と推測することが大切です。
例えば、ワキのリンパ節に転移がある女性の場合は、乳がんが原発巣ではないか、と推測し、乳がん用の治療を。「PSA」という腫瘍マーカーの値が高く、骨転移がある男性の場合は、前立腺がんの治療をおこないます。
ですが、組み合わせが特殊で、原発巣がどこか推測の難しいがんの方もいます。今までは、多くのがんに効く可能性のある抗がん剤を試していく方法をとっていましたが、近年、遺伝子から治療法を探す方法が出てきました。
がん遺伝子パネル検査とは
がん遺伝子パネル検査は、標準治療が終わった方、原発不明がんのように標準治療がない方向けの検査です。特殊なもので、希望すれば誰でも受けられる検査というわけではありません。
がんに関連した遺伝子を約100種類調べ、効果が見込める治療法を探す目的でおこないます。ただし、治療法が見つかるのは10%程度で、よい結果に結びつくことの方が少ないのが現状です。
検査の費用は、3割負担の場合で約17万円。そのほか、検査に必要ながん細胞を採取する「細胞診」の費用や受診料などが別にかかります。
どこの病院でもできる検査ではないので、まずは担当医とよく相談しましょう。
また、重複がんについても知っておく必要があります。重複がんとは、がんと診断された患者が他の部位や臓器に新たながんを発症することです。複数の異なるがんが同じ患者に同時または異なるタイミングで発症することがあります。
重複がんの原因として、遺伝子異常や生活習慣だけではなく、最初のがんに対する治療の影響を受けることも。重複がんに関して詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
>>重複がんとは?
まとめ
がんは、原発巣がいくつかできる、転移がおこるの2パターンで全身に広がっていきます。がんが進行すると、全身に転移ができるのはある程度自然なことです。
今まで決まった治療法がなかった「原発不明がん」の方や、標準治療が終わってしまった方に、最近になってがん遺伝子パネル検査を用いて新しい選択肢を示せるようになりました。必ずしもよい結果が得られるわけではありませんが、可能性を広げたい方は主治医に相談してみるのもよいでしょう。
がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。
海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。
抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用
中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。
中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
がんの種類を知る
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