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子宮頸がんワクチンは大丈夫?後遺症が心配な方へ医師がやさしく解説

子宮頸がんワクチンは大丈夫?後遺症が心配な方へ医師がやさしく解説

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、世界中で子宮頸がん予防の中心となっているワクチンです。しかし、日本では2013年の報道をきっかけに「後遺症があるのではないか」「打ってはいけないのでは」といった不安が広がり、接種率が大きく低下した時期がありました。

現在では、国内外の大規模調査により、当時報道された症状とワクチンの因果関係は認められないという科学的な結論が出ています。それでも、過去の印象から不安を抱えたままの方がいるのも事実です。

この記事では、HPVワクチンの安全性に関する近年の見解、なぜ「後遺症」という言葉が広まったのか、実際にどのような副作用があるのかを解説します。ワクチンに対する不安を少しでも解消し、正しい情報に基づいた判断が自分自身でもできるようにしましょう。

※子宮頸がんの概要については以下の記事を参考にしてください。
>>子宮頸がんとは?その症状と治療法について

日置医院長

この記事の執筆者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

詳しいプロフィールはこちら

HPVワクチンとは

HPVワクチンとは初性交前に予防接種することで、ハイリスク型HPV感染のほとんどの予防を期待できる効果を持ちます。日本では、2010年度から公費負担での接種が開始されるようになりましたが、2013年頃に手足の動かしにくさや不随意運動など、多様な症状が副症状として出現することを各種メディアが大々的に報じたことにより、厚生労働省から積極的推奨の一時差し控えが発表されました。

結果的に今では、報道された内容の副症状とワクチンの因果関係には否定的な見解が出されています。それでも今なお、HPVワクチンの副作用や後遺症など、ネガティブな印象を抱いている方も少なくありません。

子宮頸がんワクチン後遺症の近年の見解

日本国内でHPVワクチン接種後のさまざまな症状があらわれたことも一因となり、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)に関する安全性について、国内外で大規模な調査がおこなわれました。

厚生労働省が公表した最新の報告書では、ワクチン接種後にみられた多様な症状とワクチンとの因果関係は認められないという見解が出されています。

このため、「HPVワクチンが特別な後遺症を引き起こす」という考えは否定的で、世界的にも安全性が高いワクチンとして位置づけられています。

安全性についての各国の見解

WHOや海外の報告をみると、HPVワクチンの安全性に問題がないことが繰り返し発表されているのが現状です。日本でも厚生労働省の調査でHPVワクチン接種後に生じた多様な症状は実はHPVワクチンの接種歴のない女性においても一定数存在することが確認されました。さらにHPVワクチン接種者と非接種者で多様な症状の起こりやすさに違いがなかったということもわかっています。

報道で過熱した多様な症状について、日常生活の些細な出来事がきっかけとなって起こる可能性があることも報告されているのです。

多様な症状に関しては生物学的な要因以外にも、生育環境や生活体験などの背景が関わっていると考えられていて、緊張や不安、恐怖がさまざまな症状を増大させるとされています。

つまりHPVワクチンを接種することへの過剰な不安や緊張を抱くのではなく、安心して接種できる環境の整備が重要なのがわかっているため、現在では万が一に備えての安全対策や多様な症状が出現した際の適切な診療体制も整えられています。

子宮頸がんワクチン「打ってはいけない」「後遺症」といわれる理由

子宮頸がんワクチン「打ってはいけない」「後遺症」といわれる理由
HPVワクチンは世界的に安全性が確認されている一方で、日本では「打ってはいけない」「後遺症がある」といった誤解が根強く残っているのも現状です。その背景には、過去の報道や行政の対応が影響しています。

副作用症状の過剰報道

2013年頃、ワクチン接種後に生じた痛みや運動障害などの症状が、因果関係が明確でない段階で大きく報道されました。
はっきりとしたことがわかっていない背景もあったのでワクチンに対する不安が急速に広まり、接種率が大きく低下しました。

過去の一時的な推奨接種の中止

2013年、厚生労働省は「積極的推奨の一時差し控え」を決定しました。
これは安全性に重大な問題があったわけではなく、国民の不安が大きくなったため、情報提供のあり方を見直す目的でおこなわれた措置です。

その後科学的根拠が整理され、2021年には積極的推奨が再開されました。しかし、約8年間の中断期間があったことで、ワクチンに対する不安が社会に残り続けているのでしょう。

子宮頸がんワクチンの主な副作用

子宮頸がんワクチンの主な副作用

(参照:厚生労働省「HPVワクチンについて知ってください
」、https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf|P5
子宮頸がんワクチンももちろん、医薬品の一つではあるので副作用がまったく生じないというわけではありません。ワクチンの種類によりそれぞれ出現する可能性のある副作用は異なります。

子宮頸がんワクチンは筋肉注射での接種となりますが、接種部位の痛みや赤み、腫れなどは他の予防接種と同様に生じやすい副反応です。

かつて子宮頸がんワクチンの接種を受けたあとに体中に広がる痛みや手足の動かしにくさ、不随意運動などの症状に関しては、さまざまな研究機関が調査しましたが、明確な因果関係は発見できませんでした。現在では子宮頸がんワクチンだからこその副作用とはいわれなくなりました。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。
>>“子宮頸がんワクチンの副作用とは?知っておきたい種類とリスク・救済制度まで解説”

子宮頸がんワクチンの接種を慎重に判断したい事例

HPVワクチンは世界的に安全性が確認されているワクチンですが、すべての人が無条件で接種できるわけではありません。体調や既往歴によっては、一時的に接種を控えたほうがよいケースもあります。これは「危険だから」ではなく、より安全に接種するための対応策の一つです。

以下のような場合には、接種前に必ず医師へ相談しましょう。

①明らかな発熱・重い急性疾患がある場合
体調が回復してからワクチンの接種を検討しましょう。ワクチンの効果を十分に得るためにも、健康な状態での接種が望ましいです。

②過去にワクチン成分でアレルギーを起こしたことがある場合
重度のアレルギー歴(アナフィラキシーなど)がある場合は、接種の可否を慎重に判断します。

③妊娠中の方(原則として接種は延期)
妊娠中の安全性は確立していないため、出産後に接種を検討します。

④出血傾向がある方
HPVワクチンは筋肉注射のため、出血傾向がある場合は事前の申告が必要です。

子宮頸がんワクチンを受けられる人

HPVワクチンは、年齢や性別に応じて公費・自費で接種できます。

12〜16歳の女子(公費負担)

日本では、小学校6年生〜高校1年生相当の女子を対象に、定期接種として公費で接種できます。初性交前に接種することで、HPV感染の高い予防効果が期待できます。

該当年齢以外の女性(自費)

17歳以上の女性も接種可能ですが、この場合は自費となります。20代・30代であっても、HPV感染の予防効果は期待できるため、接種を希望する女性も少なくありません。

9歳以上の男性(自費)

HPVは男性にも感染し、咽頭がん・肛門がん・陰茎がんなどの原因となることがあります。2023年から9歳以上の男性も自費で接種が可能です。

子宮頸がんワクチンの期待できる効果

子宮頸がんの原因の95%以上が、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染によるものです。HPVワクチンは、このハイリスク型HPVの感染を高い確率で防ぐことができ、将来的な子宮頸がんの発症リスクを大幅に下げる効果が期待できます。

ワクチンによって予防できるのは「がんそのもの」ではなく、がんの原因となるHPV感染です。HPVワクチンを接種することで、前がん病変(CIN)への進行を防ぎ、結果として子宮頸がんの発症を大きく減らすことができます。

さらに、海外の大規模研究では、ワクチン導入後の若年女性において前がん病変の発生率が大幅に減少したことが報告されており、実際の予防効果が世界的に確認されています。
日本でも9価ワクチン(シルガード9)が導入され、より広いHPV型をカバーできるようになったことで、予防効果はさらに高まっています。

子宮頸がんワクチンの種類

子宮頸がんワクチンの種類
(参照:厚生労働省「HPVワクチンについて知ってください
」、https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000901220.pdf|P4
HPVワクチンは、このハイリスク型HPVの感染を高い確率で防ぐことができ、将来的な子宮頸がんの発症リスクを大幅に下げることが期待されています。

日本で取り扱っているワクチンは3種類です。

  • 2価ワクチン(サーバリックス):HPV16・18型に対応
  • 4価ワクチン(ガーダシル):HPV6・11・16・18型に対応
  • 9価ワクチン(シルガード9):HPV6・11・16・18・31・33・45・52・58型に対応

 

現在は、より予防範囲の広い9価ワクチンである「シルガード®9」が主流となっています。

子宮頸がんの罹患率と子宮頸がんワクチン後遺症のリスクを比較

科学的に比較すると、「子宮頸がんに罹患するリスクは決して低くないもののワクチンによる重篤な副作用は極めてまれ」ということが明確です。

日本では毎年約1万人が子宮頸がんと診断され、約3,000人が亡くなっています。一方で、HPVワクチンの重篤な副作用は非常にまれであり、因果関係が明確に認められたケースはほとんどありません。この比較からも、ワクチン接種のメリットが大きいことがわかります。

体質的なアレルギーなどの問題や、基礎疾患の有無によりすべての人が完全に「メリットのほうが大きい」と断言できるわけではありませんが、子宮頸がん発症による生命を脅かす危機と子宮頸がんワクチン後遺症のリスクを数値的に比較することも、ワクチン接種の意義を判断するうえでの参考にすることはできるでしょう。

疾患の撲滅へ向けて|狂犬病の日本での事例をみてみる

日本では、犬への狂犬病ワクチン接種が義務化されていることにより、国内の狂犬病症例は現在のところ「0」となっています。動物自身が意思表示できないなかでも、社会全体でワクチンを適切に活用することで、感染症を抑え込むことができた好例です。

HPVワクチンも同様に、正しく理解し、社会全体で予防に取り組むことで、将来的に子宮頸がんを「撲滅できるがん」にすることが期待されています。

子宮頸がんワクチンと「90-70-90目標」

子宮頸がんは、ワクチンで予防でき、さらにがん検診により早期発見ができれば十分に治るがんであることがわかっています。

しかし、今もなお、女性の生命を脅かす危険ながんの一つです。今のままでは罹患率や子宮頸がんの罹患率や死亡者数は増加し、世界的に増加していくと見込まれています。

実際に世界規模でみてみると患者さんの85%はあまり裕福ではない国々の十分な教育を受けることができない若年者であるのです。

「母親」という尊い命を失うことにより将来の人類の出生率にまで危険が及びかねません。実際のところ子宮頸がんは撲滅できるがんであると考えられていて、世界中が国を上げて予防策を取り入れたいと考えられているのです。

そのためWHOでは、2018年5月に子宮頸がん撲滅に向けて「90-70-90目標」を世界戦略として提案しています。

子宮頸がんワクチンと「90-70-90目標」
(参考:World Health Organization、https://iris.who.int/server/api/core/bitstreams/4e245e89-ddcc-488f-97c7-9de5e08524ef/content|P10)

  • 15歳までにHPVワクチンを完全に接種した女子が90%
  • 35歳までに高性能検査(HPV検査)を受けた女性が70%
  • 子宮頸がんと診断された女性の90%が適切な治療を受けている

この3つを達成することで、将来的に子宮頸がんの死亡率を大幅に減らせることが見込まれます。日本でもワクチン接種率が回復しつつあり、世界的な取り組みに追いつくことが期待できるでしょう。

副作用がまったくないワクチンはない

子宮頸がんワクチンに限らず、どのワクチンにもどの薬にも、副作用がゼロというものは存在しません。HPVワクチンの副作用の多くは以下のように一時的で軽度です。

  • 接種部位の痛み
  • 腫れ・赤み
  • 発熱
  • 倦怠感

 

これらは他のワクチンでも一般的にみられる副反応で、数日以内に自然に改善することがほとんどです。

子宮頸がんワクチンの後遺症に関する世界中の大規模調査では、重篤な副作用は極めてまれであり、ワクチンとの因果関係は認められないという結論が繰り返し示されています。HPVワクチンは「副作用がまったくないワクチンではない」ものの、科学的に安全性が確認されているワクチンであるため接種するメリットは大きいといえるでしょう。

万が一のときにできる治療「フコイダン療法」

万が一のときにできる治療「フコイダン療法」
子宮頸がんワクチンは世界的に安全性が確認されているワクチンですが、接種後に体調の変化を感じ、不安を抱える方がいることも事実です。

その多くは一時的な反応で自然に改善しますが、まれに「倦怠感が続く」「皮膚症状が治らない」「自律神経の乱れを感じる」など、原因がはっきりしない不調が長引くケースもあります。

こうした「ワクチン後の慢性的な不調」は、医学的にも明確な治療法が確立していないため、対症療法が中心となるのが現状です。そのなかで当院が注目しているのが、海藻由来の天然成分「中分子フコイダン」を用いたフコイダン療法です。

中分子フコイダンは、以下のようなさまざまな働きを持つことが報告されています。

  • 抗炎症作用(NF-κB抑制)
  • 抗凝固・抗血栓作用
  • 免疫バランスの調整作用
  • スパイクタンパクへの結合による中和作用が期待される点

 

これらの作用は、ワクチン後の体調不良の背景にあると考えられている「慢性炎症」や「免疫のアンバランス」「微小血栓」などのメカニズムと重なる部分が多く、副作用症状の予防や改善にアプローチできる可能性があります。

実際に当院でも、コロナワクチン後の副作用症状に対してフコイダン療法を用いたところ、以下のような「うれしいお声」をいただいています。

  • 長く続いていた皮膚のかゆみが改善した
  • ふらつきや視界の違和感が軽減した
  • 全身の倦怠感が徐々に和らいだ

 

もちろん、すべての方に同じ効果が得られるわけではありませんが、副作用がほとんどなく、他の治療とも併用しやすい点はフコイダン療法の大きな利点です。

ワクチン後の不調は、原因が複雑で一人ひとり異なるため、画一的な治療が難しい領域です。そのなかで、中分子フコイダンは「安全性が高く、複数のメカニズムに同時にアプローチできる」という点から、当院では有効な選択肢の一つとして位置づけています。

ワクチン接種後の体調変化に不安を感じる方は、一度ご相談ください。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。
>>“コロナ後遺症・ワクチン後遺症とフコイダン|慢性的な不調に悩む方へ、新しい可能性”

まとめ

HPVワクチンは、世界的にみても安全性が高く、子宮頸がんを予防するうえで非常に有効なワクチンです。過去には「後遺症」が大きく取り上げられた時期がありましたが、現在では科学的な検証が進み、報道された症状とワクチンの因果関係は認められないという明確な見解が示されています。

副作用がまったくないわけではありませんが、その多くは一時的で軽度であり、重篤な副作用は極めてまれです。

一方で、子宮頸がんは今もなお多くの女性の命を奪っているがんです。ワクチンと検診を組み合わせることで予防できるがんでもあります。正しい情報を知ることは、自分自身や大切な人の健康を守る第一歩。もし接種後の体調変化が気になる場合でも、適切なサポートや治療の選択肢は存在します。不安を抱えたままにせず、医療機関に相談しながら安心して予防に取り組んでいきましょう。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

「中分子フコイダン」を用いた臨床結果の一例を紹介しています。どういった症状に効果があるか具体的に知りたい方は臨床ページをご覧ください。
>>「中分子フコイダン」を用いた臨床結果

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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