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健康の科学

【医師監修】免疫力を高める食材6選を徹底解説

「ひいた風邪がなかなか治らない」
「なんとなく、だるさが続く」

もしかしたら、免疫力が下がっているサインかもしれません。免疫力とは人が本来もっている自然治癒力のこと。この記事では、免疫について解説します。

免疫力を高める食材も紹介するので、毎日を健康に過ごしたい方はぜひ最後までお読みください。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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そもそも免疫力とは?

免疫とは、病気や細菌・ウイルスなどの敵からの感染を防ぎ、また攻撃する自己防衛の生体反応です。さまざまな免疫細胞が協力し、私たちの免疫システムを作り上げています。

免疫力とは、その免疫システムの強さのことです。また免疫力とは、自然治癒力ともいわれています。免疫は普段であれば、免疫細胞の連動により私たちの体のなかで異物が悪さをしないように働いています。しかし、免疫力が下がってしまうと、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザなどの病気にかかりやすくなったりすることも。また、がんなどの病気にも免疫力が関与します。

免疫力を高めることは、体を守ることにつながるのです。最近では、免疫を高める栄養素や食事に含まれる成分が注目されています。

免疫力を高める栄養素とは

免疫力を高める栄養素とは

免疫力を高める栄養素として、主にビタミン類や亜鉛などがあります。野菜や魚介類、フルーツを食べる習慣がない人は、免疫を高める栄養素が不足しがちです。不足すると、免疫システムがうまく働かず、健康を維持できないことも。毎日の食事から意識することが大切です。

ビタミン類において、特にビタミンA、B群、C、D、Eが免疫力を高めるのに重要です。ビタミン類は、種類によってさまざまな働きをします。例えば、免疫システムにおける免疫細胞の働きを助けたり、免疫の調節に関与したり、免疫を下げる物資の生成を抑えたりもします。

亜鉛は、免疫細胞を活性化させたり、人の体に生まれつき備わっている自然免疫に維持に関与したりする栄養素です。ここにあげた以外にも、免疫に関わる栄養素はたくさんあります。食事やサプリメントを利用して効率良く摂るようにしましょう。

免疫力を高める食材6選

免疫力を高める食材6選

免疫力を高める食材をみていきましょう。ビタミンや亜鉛だけでなく食物繊維やカルシウムなど、さまざまな栄養素が免疫力を高めることに関与していることがわかります。

 

海藻

めかぶ、もずく、わかめなどの海藻も免疫力を高める食材のひとつです。最近注目されている成分として、海藻のネバネバ成分のフコイダンがあります。フコイダンは、胃で消化されずに腸まで届く食物繊維です。腸内環境を整え、免疫を高める効果が期待できます。

フコイダンでは、小腸では吸収されずに免疫細胞を活性化させます。また、フコイダンは水溶性の食物繊維なので、便をやわらかくし出しやすくする作用も。また、腸内において善玉菌のエサとなります。活性化した善玉菌はビタミンなどを生成し、免疫細胞の活性化につながるのです。
フコイダンと免疫に関する研究をみてみましょう。マウスにフコイダンを含むエサを70日間あたえた研究です。結果、高分子フコイダンを食べたグループで、キラーT細胞という免疫細胞の割合が増加したと報告されています。

 

玄米・胚芽米

玄米とは、お米のもみからもみ殻のみを取り除いたもので、米ぬかや胚芽は残っている状態です。そして胚芽米は、玄米に比べて胚芽が8割以上残るように精米しています。

普段から食べる白米と比べると、玄米や胚芽米は栄養素が豊富です。特にビタミンB群やビタミンE、食物繊維などが白米と比べて多く含まれています。ビタミンEは、体に悪影響をあたえる活性酸素から体を守る役割をもちます。免疫細胞を活性化させたり、免疫を下げる物質の生成を抑えたりするビタミンです。

胚芽米は、白米とおなじ程度のカロリーにもかかわらず免疫力を高める栄養素が豊富に残っています。かみ応えもあるので、満腹感も十分です。まずは1食から変えてみましょう。

 

キノコ類

しめじ、まいたけ、えのきだけ、しいたけなど普段の食事に欠かせないキノコ類もおすすめです。低カロリーなだけでなく、食物繊維やビタミンDを多く含みます。

免疫システムのなかで、サイトカインというタンパク質が活躍します。しかし、過剰に生成されることで自分自身の体を攻撃してしまうことも。ビタミンDは、過剰なサイトカインの生成を抑える働きがあります。

腸内環境を整えることは、免疫を整えることにつながります。キノコに含まれる食物繊維は、他の食品に比べて不溶性食物繊維を多く含むことが特徴です。便をかさ増しさせ、大腸を刺激するので便秘の改善にも期待できます。

他にも、まいたけやしいたけに多く含まれるβグルカンという食物繊維の一種が効果的です。βグルカンは、免疫システムに重要な免疫細胞を活性化する働きがあります。

 

小魚

栄養素が豊富な魚介類のなかでも、小魚はまるごと食べられるのでその栄養素を十分に得ることができます。例えば、煮干しや干しエビなどがありますね。

小魚は、細胞をつくる元になるタンパク質を多く含んでいることが特徴です。他にもビタミンDやビタミンEを多く含んでいます。ビタミンEは抗酸化作用があるビタミンです。体のなかで悪さをする活性酸素を抑えます。

また、小魚はカルシウムを多く含みます。体カルシウムは不足すると、体内のカルシウムを一定に保つために、骨や歯から溶け出し細胞や血液に入り込んでしまいます。細胞内のカルシウムが多くなりすぎるのは注意が必要です。免疫細胞の働きが、うまくいかなくなってしまいます。カルシウムの作用は、骨を丈夫にするだけではありません。免疫システムを正常にする重要な働きがあります。

 

緑黄色野菜

色鮮やかな緑黄色野菜には、ビタミンや食物繊維などの栄養素が豊富に含まれており、免疫力を高めるために必要な食材です。緑黄色野菜の摂取は、免疫力だけでなく美容や健康維持にもつながります。一度に多くの野菜を食べることは難しいので、スムージーなどで飲むのもおすすめです。野菜を選ぶときは、緑黄色のもので旬のものを選びましょう。

例えば、にんじんにはβカロテンが含まれています。βカロテンは、体内に入るとビタミンAに変化。免疫細胞である白血球を増やす作用があります。また、ビタミンAは喉や鼻、気管支などの粘膜を正常に保ちます。これにより、菌やウイルスなどが体内に入ってくることを防ぐのです。

ブロッコリーは腸の動きを良くし、腸内環境を整える食物繊維が含まれています。他にもビタミンCやビタミンEも。ビタミンCは抗酸化作用があるだけでなく、白血球の働きを強め免疫力を高めます。

 

発酵食品

発酵食品は、免疫力を高める食材として有名です。日本だけでなく、各国において独自の食材として発展してきました。発酵食品は善玉菌を多く含み、腸内環境を改善します。善玉菌は、外部からの病原菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫細胞を活性化させる作用があるため、発酵食品を食べることで免疫を高めることが期待できます。

納豆、味噌、キムチ、甘酒、ぬか漬け、ヨーグルトなどが代表的ですね。例えば、味噌は原料である大豆自体にも、免疫細胞を活性化するタンパク質が多く含まれています。

ぬか漬けは、野菜を発酵させてつくる漬物です。野菜を加熱しないため、野菜の栄養をそのまま摂れるのでおすすめです。発酵させることで乳酸菌を豊富に含むので、腸内環境を整えることができます。

まとめ

免疫力についてや免疫力を高める栄養素・食材について紹介しました。免疫力を高めることは、風邪をひきにくい体をつくり、病気からも体を守ることにつながります。

毎日の食事が私たちの体をつくります。今回紹介した食材を、普段の生活に取り入れてみましょう。

特に、最近注目されているフコイダンを含む海藻がおすすめです。サラダに入れたりスープに入れたりして楽しむこともできます。免疫力を高める食材を意識して料理に応用してみましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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