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【医師監修】賦活とは?

海藻に含まれている成分であるフコイダンについて調べると「免疫賦活」という言葉をよく目にします。いったい賦活とはどのような意味なのでしょうか。

この記事では、フコイダンの作用である免疫賦活に関して解説します。

最近注目されている海藻のねばねば成分フコイダンの免疫賦活作用について、詳しく知っていきましょう。


日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

【書籍】
ミトコンドリア不老術
(幻冬舎)
炭酸美肌術(幻冬舎 )
ほか多数執筆


賦活について

賦活は「ふかつ」と読みます。辞書では「活力をあたえること」と定義されている言葉です。機能や働きを活発にさせることにつながります。つまり、免疫賦活とは体の免疫を活発にすることです。英語では「Activation」と表現されています。

さらに免疫賦活をわかりやすくいうと、免疫に活力をあたえる作用であることがわかります。では、免疫に活力をあたえるとどのような影響があるのでしょうか。

免疫を高めることで、外からの敵や異物の侵入から体を守ることができます。免疫力を高め、体を守ることで、私たちは毎日を元気に過ごせるのです。最近では、免疫賦活剤の開発がすすめられ、がんの免疫療法に用いられています。そのなかで、海藻に含まれるフコイダンの免疫賦活作用にも注目が集められています。

ヨーグルトや漬物に用いられる乳酸菌には、免疫を活性化させる「免疫賦活作用」があるいわれています。例えば、乳酸菌の株であるK15株は、免疫細胞に攻撃の指示を出す樹状細胞を活性化する作用が知られています。このような作用が免疫賦活作用です。

他にも「細胞賦活」であれば、細胞の増殖が活発になることを指します。「賦活体」は、化学反応を起こす物質のことです。また、化学反応を誘発する働きを最大限に引き出す物質を指すこともあります。

「精神賦活薬」というと、向精神薬のことを指しメンタルヘルスの病気の治療に用いられます。脳梗塞や脳出血、脳の外傷など脳の代謝に対する薬の名称は、脳の代謝を活性化することから「脳代謝賦活剤」です。

また、活性炭の賦活方法として「薬品賦活法」と「ガス賦活法」があります。「賦活」という言葉はさまざまな分野で利用されています。

免疫療法とは

免疫療法とは

免疫療法とは、一般的に免疫の力によりがん細胞を攻撃する治療法のことです。免疫とは、体のなかに外敵からの攻撃や異物の侵入を防いだり、入ってしまった時に外に出そうとしたりして体を守ることを指します。

免疫細胞として有名なものが、白血球です。白血球はマクロファージや好中球、リンパ球などに分類されます。そのなかでもT細胞(Tリンパ球)は、がん細胞を攻撃する働きが特徴的な免疫細胞です。

T細胞は、キラーT細胞とヘルパーT細胞の2種類に大きく分類されます。そのなかでもキラーT細胞は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞に攻撃する細胞性免疫に関与します。

そしてヘルパーT細胞は、Th1細胞とTh2細胞にわかれ、免疫システムのなかの異物である抗原に対し、キラーT細胞やB細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞、マクロファージなど免疫細胞の働きを調節します。Th1細胞は、指令を出す際にサイトカインという生理活性物質を分泌します。このサイトカインが、他の免疫細胞の働きに重要なのです。

免疫力が低下することによりT細胞が弱くなったり、がん細胞がT細胞の働きを阻止したりすることで、免疫細胞であるT細胞がうまく働きません。そこで必要なのが免疫を強める免疫療法なのです。

免疫療法とは、免疫の力でがん細胞を攻撃する治療法です。現時点では、臨床試験において治療に対する効果や安全性が確立された薬による免疫療法が一般的で、保険治療で受けられます。

しかし免疫療法と称して、効果や安全性が確立されていないにもかかわらず、自費診療でおこなわれているものもあります。免疫療法といえども、効果や安全性が証明されているものを選びましょう。

免疫療法に関しては、日々あたらしい開発・研究がすすんでいます。例えば、海藻に含まれるフコイダンは、研究段階ではありますが免疫機能への有効性や安全性が評価されている成分です。

フコイダンの免疫賦活効果について

フコイダンの免疫賦活効果について

海藻のねばねば成分である、フコイダンの免疫賦活効果についてみていきましょう。以前から、さまざまな研究や臨床試験がくり返されています。

2012年に、高年齢者におけるフコイダンの安全性・免疫機能への効果を調べた試験の結果が発表されました。免疫機能検査において、血中のIgEの有意な低下が認められています。IgEは、抗体の機能をもつタンパク質である免疫グロブリンの一種です。血中のIgEが高いと、不調を感じるほどに生体反応が強くなることもあります。フコイダンの摂取において、IgEの低下と検査における有害事象を認めなかったことから、免疫機能への効果と安全性があると示されました。

2015年に発表された健常者における研究では、フコイダンの摂取により、T細胞であるTh1が分泌するサイトカインの産生能力が上がったことがわかりました。また、研究において血液検査や尿検査の異常は認められませんでした。フコイダンが、健常者における免疫機能の低下予防や維持に有効かつ安全であることがわかった研究です。

他にもマウスにフコイダンを含むエサを70日間あたえ、免疫機能であるリンパ球の割合について測定した研究があります。結果、高分子フコイダンには、キラーT細胞の割合を増加させる作用があると示唆されました。前述したように、キラーT細胞はがん細胞に対して攻撃をおこなう免疫細胞。抗がん作用について、フコイダンが注目された研究です。

また、フコイダンの作用によって一酸化窒素(NO)の産生が誘導されたこともわかっています。NOは、マクロファージの活性化によって産出されます。そしてNOは、体内において微生物やウイルス、がん細胞などに対して防御作用に関与しているのです。よって、フコイダンによるNO産生誘導作用は、免疫賦活作用であるといえます。

まとめ

「賦活(ふかつ)」について紹介しました。賦活とは活力をあたえることで、免疫賦活とは体の免疫を活発にすることを指します。

海藻に含まれる成分のフコイダンには、さまざまな研究において免疫賦活作用があるとわかっています。まだ研究段階ではありますが、今後がん治療などの分野において期待ができる成分です。

日々の生活のなかで、免疫力を高めていくことはとても大切です。フコイダンが含まれる食品にはわかめ、めかぶ、もずくなどがあります。ぜひ毎日の生活に取り入れてみませんか。

近年のがん治療には統合医療も行われるようになっています。

中でも注目を集めているのがフコイダン療法。低分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療に良い効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談した上でベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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