2021.06.30
フコイダンフコイダンの保湿効果について【正しいスキンケア方法】
肌には天然の保湿成分が存在し、うるおいを保っています。皮脂は肌表面を覆ってそのうるおいを守ると同時に、有害物質の侵入を防ぐバリア機能も有します。肌を清潔に保つために行う洗顔は、皮脂を洗い流してしまうため、洗顔後すぐの肌はとても乾燥しやすいのです。そこで適切な保湿ケアが必要になります。今回は洗顔後の正しいスキンケアの方法を解説し、肌が持つ保湿成分と優れた保湿効果を持つフコイダンについても紹介します。
目次
保湿成分とは何があるか?
セラミド
セラミドは、角質層にある細胞と細胞の間を埋めるように存在する保湿成分です。角質層がセラミドで満たされていると、外部刺激から肌をしっかり守る機能を維持できます。一方セラミドが不足している角質層は外部刺激の影響を受けやすく、肌荒れをおこしやすくなります。
セラミドの歴史は古く、大昔に生物が進化をとげ生息地を海から陸へ移したときに、水の外でも乾燥から身を守るために作られた成分といわれています。それ以来ずっと角質層に存在していますが、セラミドが不足しているときには、セラミド入りの保湿化粧品が効果的です。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は1gで6リットルの水を保持する性質があり、目や関節など身体の様々な部位に存在し、うるおいや潤滑油としての役割を果たします。肌の真皮層ではコラーゲン繊維の間でヒアルロン酸が水を抱え込み、肌のうるおいと弾力性をキープしています。
化粧品に使われるヒアルロン酸は、真皮層に存在するヒアルロン酸とは異なる働きをします。ヒアルロン酸はそのままでは分子量が大きいので角質に浸透せず、肌表面を覆い水分の蒸発を防ぎます。加水分解ヒアルロン酸は分子が小さいので、角質層内まで浸透して肌にうるおいを与えます。
コラーゲン
コラーゲンはタンパク質の一種で、皮膚だけではなく内臓・骨・血管など身体のあらゆる臓器に存在して、組織にしなやかな強さを持たせます。肌に弾力性があるのは、真皮層に網のように張り巡らされたコラーゲンがあるからです。化粧品の保湿成分として使用されるコラーゲンは、分子量の違いにより保湿作用が異なります。
分子量の大きいコラーゲンは角質層に浸透せず、肌表面を覆うことでうるおいを逃がさない働きをします。角質層に浸透させて肌をうるおす作用があるのは、分子量を小さくした加水分解コラーゲンです。
エラスチン
エラスチンもタンパク質の一種で、コラーゲンのように繊維状をしています。エラスチンはコラーゲンよりも細く、コラーゲン繊維にコイル状に巻き付いて真皮内でコラーゲンが作る構造を強化。コラーゲンとともにエラスチンも肌にハリと弾力を与えます。
化粧品には肌にうるおい・ハリを与える目的で、エラスチンが配合されます。エラスチンも分子量が大きいためにそのままでは角質層に浸透せず、コラーゲンと同じく肌表面を覆ってうるおいを保護する働きをします。加水分解エラスチンは分子量が小さく、角質層に浸透してうるおいを与えます。
フコイダンは天然の保湿成分
フコイダンはワカメ・モズク・コンブなどの褐藻類に含まれる粘りを持つ物質で、粘性多糖類の一種です。褐藻類は水がなくては生きられないため、自らの身体を粘性の高い物質で覆って乾燥から守り、傷口を保護する働きもあるといわれています。
乾燥から守る働きのあるフコイダンは、化粧品に天然由来の保湿成分として利用されるようになりました。分子量が大きいため肌に浸透するのではなく、肌の表面を覆い乾燥を防ぐ効果があります。またマウスを使って紫外線照射を行う実験では、フコイダンを塗布することで、紫外線による肌のダメージが抑えられたことが確認されています※。これはフコイダンのバリア機能の高さを表しているといえるでしょう。
※:海藻フコイダンの科学 山田信夫著 成山堂(2006)
正しい保湿順について
肌を美しく保つには保湿することがとても重要ですが、間違えた順序で行うと十分な効果が得られません。そこで次に、化粧品で保湿する際の正しい手順を説明します。
クレンジング・洗顔
保湿の前にクレンジング・洗顔を行う理由は二つ。一つは肌を清潔にすること、もう一つは保湿成分を肌に浸透しやすくするためです。メイクは油分が多く、時間が経つと余分な皮脂と混ざり合っているため、化粧水を塗布しても角質へ浸透しにくいのです。
クレンジングをすると、メイクと一緒に古い角質や角栓も落とすことができます。ダブル洗顔が必要な場合やメイクをしていない場合には、洗顔料をよく泡立てて肌の汚れを除去します。洗顔料が残らないようにしっかり洗い流した後、肌をこすらないよう優しくタオルで拭きましょう。
化粧水
清潔な手に適量の化粧水を取り、肌になじませます。小鼻・目元・口の周りは塗り残しやすいので、指先で丁寧に塗布しましょう。乾燥が気になる部位には、重ね付けも効果的。最後にハンドプレスをすると、しっかり肌になじみます。
化粧水の適量は、商品説明を参考にしましょう。またコットンに適量とり、パッティングして肌になじませる方法もあります。コットンを使う場合は、摩擦で肌を傷つけることがあるので気を付けてください。保湿効果は化粧品の価格や配合成分だけでは決まりません。使用量、塗布の仕方なども重要です。
美容液
化粧水の後には保湿美容液で集中保湿を行います。商品説明をよく読み、使用量や塗布の方法を守りましょう。塗布する際には化粧水と同じように、摩擦で肌を傷めないように注意をします。こすらずに指先を肌に置くようにして、少しずつなじませていくようにすると摩擦を抑えることができます。
美容液は高価なものが多いので、長持ちさせるために適量よりも少な目に使いがちです。しかし塗布する量が少なすぎると十分な効果が得られないため、メーカーが推奨する使用量を守りましょう。
乳液・クリーム
美容液の後、朝は乳液で、夜はクリームで保湿します。化粧水と美容液に含まれる水溶性の保湿成分は、塗布後時間が経つと蒸発します。そこで蒸発を防ぐため、油分で肌表面を覆う役割をするのが乳液とクリーム。皮脂分泌が多い夏場は、乳液やクリームを塗らずに済ませたいと感じる人は多いと思いますが、油分を適切に補わなければ肌は乾燥を防ごうとして皮脂分泌を活発化します。
肌に必要以上の負荷をかけないためにも、スキンケアの仕上げに油分補給を忘れずに。塗布時はこすらないよう、指や手のひらを置くようにしてなじませます。
天然由来の保湿成分で正しい保湿ケアを
洗顔後の肌はとても傷つきやすく、乾燥しやすくなっています。できるだけ早く、角質層に保湿成分を届け、皮脂膜の代わりになる油分で肌表面を保護することが大切です。肌にもともと存在する保湿成分が、化粧品にも使われていますが、今回紹介したフコイダンも天然由来の保湿成分で、保湿効果とバリア機能の効果があるといわれています。これらの保湿成分が配合された化粧品を使って、正しいスキンケアを行い、美肌を守りましょう。
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近年ではがん治療の統合医療にも、フコイダンが用いられるようになっています。
中分子フコイダンが持つ作用が、がん治療に良い効果をもたらすと期待されているためです。
具体的には、フコイダンは抗がん剤との併用が可能であり、かつその効果を高めたり、副作用を軽減したりする可能性が示唆されています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
フコイダンには、まだまだ秘められたパワーがあると考えられます。
今後研究が進むことで、私たちの健康に対しても医療分野に対しても、さらなる恩恵をもたらしてくれることでしょう。
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