1. コラムTOP
  2. がん
  3. 白血病の初期症状とは?異変に気が付いたら取りたい初期症状も解説
がん

白血病の初期症状とは?異変に気が付いたら取りたい初期症状も解説

白血病の初期段階では特定の症状が現れにくく、現れたとしても風邪のように「ちょっと調子が悪い」程度の症状です。このため異変に気が付きにくい傾向にあります。しかし、白血病治療は早期発見が非常に重要。異変に気づいた場合は、早期に医療機関に相談するようにしましょう。

ところが、白血病の初期症状は必ずしも白血病につながるものではなく、他の疾患や健康問題の兆候である可能性もあります。この記事では、異変を感じた場合、白血病の早期発見のために参考にしたい情報について解説していきます。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

詳しいプロフィールはこちら

白血病の概要

白血病は、骨髄やリンパ組織で異常な白血球の増加が起こるがんの一種。形態は急性と慢性の2種類に分類されます。

白血病の症状は、急性型と慢性型で異なる場合もありますが、一般的に代表的な症状は以下の通りです。

・疲労感や倦怠感
・発熱や頻繁な感染症
・皮膚の出血や出血傾向
・骨や関節の痛み
・腹部の腫れや圧迫感

白血病の原因は明確にはわかっていませんが、遺伝的要因や環境要因(放射線や特定の化学物質への曝露など)が関与している可能性もあります。また、特定の染色体異常や遺伝子変異も発見されており、これらが白血病の発症に関連しているとも考えられています。

白血病の種類

急性白血病 急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia, ALL) 免疫系の細胞であるリンパ球の異常な増殖が特徴。主に小児に見られます。
急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia, AML) 骨髄で形成される異常な骨髄細胞(未熟な白血球)が増殖する病態。急性白血病の中でも最も一般的な形態であり、幅広い年齢層に発症します。
慢性白血病 慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia, CLL) 成熟したリンパ球が異常に増殖し、骨髄やリンパ組織に蓄積する病態。主に中高年以上の成人に見られます。
慢性骨髄性白血病(Chronic Myeloid Leukemia, CML) 骨髄で異常な白血球(特に骨髄系の細胞)が増殖。慢性白血病の中でも比較的まれな形態で、成人に発症することが多いです。

急性白血病は白血球が正常に成熟せず、異常な形状や機能を持つ未熟な状態で骨髄に増殖する病気です。進行が速く、早期の治療が必要です。

対して慢性白血病は、成熟した白血球が異常な形状や機能を持ちながら増殖する病態。成熟した白血球とはいえ、正常な血球としての機能を兼ね備えていないことがほとんどです。

白血病の初期症状。こんな症状には要注意⁉

白血病の症状は、主に白血球が異常増殖することで他の血球量が減少することに起因します。慢性でも急性でも同じような症状が現れることもあり、本人も異変に気が付きにくいものです。医師であっても白血病の初期段階の症状は他の疾患との判別もつきにくいのです。
白血病の初期症状。こんな症状には要注意⁉
(参照:白血病ってどんな病気?|教えて白血病のことホームページ)

あざ、皮下出血

白血病の初期症状として、あざや皮下出血が現れることもあります。これは白血病によって血液中の異常な白血球が増え、正常な血球をはじめとした血小板の数が減り凝固因子の働きが妨げられるためです。

「あざ」や「皮下出血」が気が付かぬ間に出現し、なかなか治らない、といった症状が現れます。ぶつけた覚えがないのにできてしまったり、通常より広範囲に現れることもしばしば。

このあざや内出血に起因する血球成分が「血小板」。通常、血小板は血液凝固に重要な役割を果たし、出血を抑えます。白血病の場合、正常な血小板の数や機能が減少し、凝固能力が低下します。その結果、軽度の外傷や圧力によっても皮下出血やあざが生じやすくなるのです。

歯茎からの出血、急に鼻血が出る

白血病の初期には、はっきりとした要因がないのに少量の出血が現れる場合もあります。これも血小板の数が減ることに起因します。

血液を凝固させるための働きが弱くなるため、通常、数分で収まる出血がだらだらと長く続くなどの症状が出現します。

疲労感、貧血症状

疲労感や貧血症状が現れることもあります。これは異常白血球が増殖し、赤血球量の低下に起因する症状です。

赤血球は酸素を運ぶ役割を担います。白血病では赤血球量が低下するので全身の酸素供給量が低下し、疲労感や貧血の症状が現れます。その他にも息切れ、皮膚の蒼白感、頭痛なども起こることがあります。

赤血球数の現象による症状なので慢性的な疲労感や休息しても改善しない症状となるのです。

発熱や感染症症状

白血病の初期症状として発熱やかぜなどの症状に似た軽い感染症症状が現れることもあります。通常、正常な白血球であれば感染症に対する抵抗力として働きますが、異常白血球の増加により感染症に対しての抵抗力も低下するのです。

結果として発熱や感染症の症状が長引く状態に陥ります。

血液検査データに現れる異常値

白血病の初期症状の一つとして、血液検査データの異常値が現れることもあります。異常白血球の増殖により、赤血球や血小板をはじめとした白血球以外の血球成分量が低下します。骨髄内の容量には限界があるため、白血球のバランスによりその他の血球成分も影響を受けるのです。

各血球数の異常値は、血液検査によって検出されます。しかし、その他の病態でも起こり得る変化でもあるので、医師は検査結果を総合的に評価し必要な追加の検査や診断を行い診断につながる判断材料を収集するのです。

気になる症状を感じたらどうしたら良い?

「これってもしかして白血病?」「最近疲れが取れず、体調不良が続いている」こんな症状が続く場合は、もしもに備えて以下のような対処を検討してみましょう。

1.症状の記録
自分が感じている症状や異常を具体的にメモや日記に記録しておきましょう。症状の詳細な情報は、医師の診断に役立つことがあります。

2.医師の診察
症状が気になる場合は、早めに医療機関に相談しましょう。早めにかかることで万が一のことがあっても早期対処が可能になります。また、「医師に診てもらっている」という安心感で心理的な負担を減らすことも可能です。

3.必要な検査を受ける
医師の指示に従って必要な検査を受けることも検討しましょう。血液検査や骨髄検査などが行われることもあります。

早期の診断と治療は、白血病の管理や治療の寛解率(再発しない状態が続く確率)を高める上で重要です。自己判断せずに専門家の意見を仰ぎ、適切なケアを受けることを考慮しましょう。

白血病は早期発見が重要

白血病は早期発見が重要
白血病治療は早期発見できれば、症状も軽症なうちに治療を開始できます。
最近では 白血病も早期に診断できるようになりました。白血病は進行性の病気なので、早期に治療を開始できれば治療の効果を高めることにつなげられます。 治療の選択肢も広がり、種類や進行度に応じてさまざまな治療プランを選ぶことができるのです。

健康診断の重要性

とはいえ、前述した通り白血病の初期症状は他の疾患やちょっとした不健康な症状との区別がつきにくいもの。そこで意識しておきたいことが「健康診断」です。健康診断は、白血病の早期発見に重要な役割を果たします。

白血病は、骨髄やリンパ組織で発生する血液のがん。早期に発見されれば、治療の効果が高まり、合併症や悪化のリスクを減らすことができます。
健康診断は、白血病の早期発見において重要な役割を果たします。以下にその理由を解説します。

1.血液検査による異常の発見

健康診断では、一般的に血液検査が含まれています。この検査によって、血液中の異常な細胞や異常な血液数値を検出することができます。白血病では、異常な白血球数や異常な細胞の存在や骨髄の異常が見つかることもあります。

2.症状の早期発見

白血病の初期段階では、症状がほとんど現れないか、現れても異常ととらえられない軽症であることが多いもの。しかし、健康診断によって医師の診察を受け、白血病の兆候が見つかれば、早期の対処が可能となります。

3.予防的な検査とモニタリング

白血病のリスク因子や家族歴がある場合、定期的な健康診断を受けることも重要です。予防的な血液検査などによって、白血病の早期発見につなげることができます。

4.心理的な安心感

健康診断を受けることで、健康状態についての評価を得ることができます。白血病などの深刻な病気の早期発見や除外ができれば、心理的な安心感を得ることができるでしょう。

まとめ

まとめ
白血病の初期症状は、医師でも判断に迷うものです。白血病の初期症状は特定の症状が現れにくく、他の疾患との区別もつきにくいため、早期発見が重要。白血病の初期段階では、疲労感や倦怠感、発熱や感染症、皮下出血やあざなどの症状が現れることがあります。

これらの症状が現れ、長引く場合には白血病の可能性も考慮して医師の診断を受けることを検討しましょう。

近年は白血病診断も早期のうちに確定することが可能になってきています。早めの対処で、心配事を減らしながら豊かな生活につなげていきましょう。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

1

この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

おすすめの関連記事

スマホ用のフローティングバナー