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希少がんとは?

「希少(きしょう)がん」とは、『人口10万人あたりの年間発生率(罹患率)が6例未満のもの、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きいもの』と定義されています。

希少がんには、骨の肉腫、軟部肉腫、脳のグリオーマ、眼の腫瘍、中皮腫、神経内分泌腫瘍、小児がん、など200種類近い悪性腫瘍が含まれます。それぞれの希少がんは、いずれもがん全体の1%未満ですが、すべてをあわせると、がん全体のおよそ15%にも達すると言われています(希少がん対策:https://kishougan.jp/)。

今回は希少がんのうち、代表的な3つの腫瘍(肉腫、GIST、神経内分泌腫瘍)について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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肉腫

全身の骨や軟部組織(筋肉、脂肪、血管、神経など)から発生する腫瘍を骨軟部腫瘍と言います。このうち、悪性の骨軟部腫瘍を肉腫と言います。肉腫は、大きく分けると、約25%が「骨の肉腫」、約75%が筋肉や脂肪、血管などの軟らかい組織にできる「軟部肉腫」です。

骨の肉腫には代表的なものとして、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫などがあります。このうち骨肉腫は、10代から20代の若年者のひざや肩の周囲に発生することが多い腫瘍です。

軟部組織の肉腫には、脂肪肉腫、未分化多形細胞肉腫、粘液線維肉腫、滑膜肉腫、平滑筋肉腫などがあります。太ももや臀部、後腹膜(腹膜の外側でおなかの奥深く)に発生しますが、種類によって発症する年齢や部位が異なります。脂肪肉腫は中高年に多く、平滑筋肉腫、粘液線維肉腫は高齢者に多く発生します。

肉腫は全身のさまざまな部位・組織から生じるため、その症状や必要とされる治療、治療効果もさまざまです。

GIST(消化管間質腫瘍)

GIST(消化管間質腫瘍)

GIST(ジスト)とは、gastrointestinal stromal tumor(消化管間質腫瘍)の略で、消化管の粘膜の下にある「筋肉の層」から発生する腫瘍です。50歳代から60歳代に多く、その発生頻度は、10万人に1~2人とまれな病気です。発生部位としては胃が約70%、次いで小腸が約20%、大腸と食道が約5%となっています(GIST診療ガイドライン(第3版)、金原出版、2014)。

GISTは正常な粘膜の下にできるため、腫瘍が大きくなるまで自覚症状はほとんどありません。このため、診断が遅れることが多いといわれています。

GISTに特徴的な症状はなく、またGISTのできた部位(臓器)によって違った症状がでます。腫瘍がある程度大きくなってから見られる代表的な症状としては、出血(吐血や下血)、腹痛(主に鈍痛や違和感)、腹部の腫瘤(しこりを触れる)などがあります。持続性の出血によって貧血がみられることもあります。ただ実際にはがん検診でのX線造影検査や内視鏡検査などで偶然見つかることが大半です。また、他の病気の検査で行ったCTやMRIなどでたまたま診断されることもあります。

また、GISTの特徴として、ほぼ全例でc-kit遺伝子という遺伝子の突然変異によるKIT(キット)蛋白の異常がみられます。したがって、最終的な診断は、組織の一部をとって顕微鏡で観察して、特殊な蛋白を染める免疫組織染色(めんえきそしきせんしょく)という方法でKIT蛋白の発現を確認することで確定します。

GISTの治療法は、まず、その大きさによって決定します。2cm未満の小さなGISTでは、経過観察(定期的な検査)が行われます。2cm以上のGISTに対しては、手術が検討されます。切除ができない場合や再発したGISTに対しては、「分子標的治療薬」による薬物治療が行われます。

神経内分泌腫瘍

神経内分泌腫瘍(NEN:neuroendocrine neoplasm)とは、神経内分泌細胞(ホルモンやその類似物質を分泌する細胞で、全身に分布)から発生する腫瘍のことで、すい臓や消化管(直腸など)、肺など全身のさまざまな部位から発生します。※1

肺の神経内分泌細胞から発生する肺神経内分泌腫瘍は、細胞の形などから神経内分泌がん(小細胞がん、大細胞神経内分泌がん)とカルチノイド(定型カルチノイド、異型カルチノイド)に分けられます。

神経内分泌腫瘍は、細胞の増殖能力(核分裂の過程にある細胞の数や細胞増殖の目安となるタンパク質のKi67値)と組織の形状によって、神経内分泌腫瘍(NET:Neuroendocrine tumor)と、神経内分泌がん(NEC:Neuroendocrine carcinoma)の2つに分けられます。さらにNETはNET-G1、NET-G2、NET-G3に分類されます。

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※1 膵・消化管神経内分泌腫瘍について(がん情報サービス)

さらに、神経内分泌腫瘍は、ホルモンが過剰に作られる機能性(症候性)と、ホルモンによる症状を認めない非機能性(非症候性)に大きく分かれます。非機能性(非症候性)神経内分泌腫瘍ではホルモンによる症状はありませんが、機能性(症候性)神経内分泌腫瘍では、過剰に作られるホルモンの種類(インスリン、ガストリン、グルカゴンなど)によってさまざまな症状がみられます。

まとめ

以上、代表的な希少がんである、肉腫、GIST(消化管間質腫瘍)、神経内分泌腫瘍について解説しました。これらは全く違う腫瘍であり、治療法や予後も大きく異なります。一部の希少がんに対しては、分子標的治療薬など新たな治療法が開発され、臨床に導入されつつあります。この記事を参考に、かかりつけのお医者さんにご相談してみましょう。

また、がんには、手術や化学療法などさまざまな治療法がありますが、その中でも近年注目されているのが「中分子フコイダン療法」です。

海藻類に含まれるフコイダンという成分を、機能性を保ちつつ腸管から吸収されやすい分子量に整えたものが中分子フコイダン。抗がん作用をはじめ、以下のような作用も報告されています。

抗腫瘍・抗がん作用/抗アレルギー作用/肝機能向上作用/抗生活習慣病/抗ウイルス作用/抗ピロリ菌作用/血液凝固阻止作用/美肌作用/育毛作用

>>フコイダンについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

中分子フコイダンを摂取することで、抗がん剤との組み合わせによる相乗効果や、副作用の軽減などが期待できる治療法で、実際の臨床結果でも、確かな可能性を感じさせる症例が数多く存在しています。

中分子フコイダン療法についてもっと知りたいという方には相談・お問合せも承っておりますので、がん治療の選択肢の一つとして、ご検討の一助となれば幸いです。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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