2024.04.04
がんスキルス胃がんで完治した人が実践した対処法と早期発見の重要性
スキルス胃がんは、他のがんタイプと比べて特に進行が速く、治療が困難な特性を持つことで有名です。スキルス胃がんは、胃壁をスポンジだとするとその隙間に染みわたるように進行することから、胃壁が硬く、厚くなります。
一般的な悪性腫瘍のように、粘膜側にこぶのように増大するわけではないため、早期発見が難しいことも特徴です。
しかし、適切な治療と早期診断ができれば、完治の可能性があります。
この記事では、スキルス胃がんの完治を目指したい人に向けた情報とその進行特性について詳しく解説します。
>>大腸がんとは?その症状と治療法について
>>胃がんとは?その症状や治療法などについてご紹介
目次
スキルス胃がんの基本情報
スキルス胃がんは、胃がんのなかでも特に予後が悪いことで知られています。スキルス胃がんは、胃の粘膜下に広がりながら進行するため、初期段階での発見が非常に困難です。
また、早期からリンパ節や遠隔臓器への転移を起こしやすいという特性もあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
>>スキルス胃がんとは?原因・特徴・治療法から予後までを解説
スキルス胃がんは「4型・未分化型」
(参照:https://lala-clinic.jp/article.php/20150916214225269)
スキルス胃がんはその成長の仕方から「びまん型」とも呼ばれ、しみ渡るようにがん細胞が浸食することから胃壁を均一に厚く・硬くすることで胃の柔軟性を失わせます。
スキルス胃がんは未分化型の腺がんで、細胞がバラバラに散らばって進行するので見つかりにくく悪化しやすいという特徴があります。
スキルス胃がんの診断と治療
スキルス胃がんの診断と治療方法は患者さんの状態によって異なります。ここでは、スキルス胃がんの確定診断と治療法について詳しく説明します。
スキルス胃がん検査・診断方法
スキルス胃がんは、初期には目立った自覚症状がないのも特徴です。しかし、進行するにしたがって胃の消化機能などが低下することにより、食欲不振などをはじめとした消化器症状や体重減少などが見られます。主な検査・診断方法は以下のとおりです。
- 内視鏡検査:胃内部を直接観察し、異常があれば生検もおこないます。
- バリウム検査:バリウム剤を飲んだあと、X線を用いて胃の形状を確認します。
- CTスキャン:病態そのものだけではなく周辺組織や遠隔転移をチェックします。
- PETスキャン:全身のがん細胞の活動を可視化し、微小な転移をチェックします。
これらの検査により、がんの進行状態を把握し、適切な治療計画を立てます。
スキルス胃がんの治療
スキルス胃がんは、がんの進行度に応じてさまざまな治療法をとり入れます。患者さんの個別性にあわせた治療計画を立案するのが一般的です。
- 手術:進行状況に応じて、がん組織や周辺の組織、リンパ節などを除去します。進行がんでは全摘出も検討されます。
- 化学療法:がん細胞を攻撃し悪性腫瘍の成長を抑制します。手術の補助や、手術不能な場合の主な治療として使用される場合もあります。
- 放射線療法:放射線でがん細胞を破壊します。しばしば化学療法と併用されます。胃がんの場合は放射線の感受性が低いため、あまり選択されることはありません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>スキルス胃がんの症状は?早期発見方法や治療法について解説
スキルス胃がんは完治するのか
スキルス胃がんは、発見されたときの状態により完治への可能性が大きく異なります。完治を目指すにあたって、スキルス胃がんの治療後の生存率や完治の可能性は、患者さんや家族の心理面に大きく影響することでしょう。
とはいえ、「生存率」や「死亡率」はあくまでも数字という情報であり、患者さんの運命ではありません。
ここでは、末期のスキルス胃がんの生存率と余命について解説しますが、あくまでも「情報」のひとつというようにとらえておいてください。
スキルス胃がんの生存率と余命
(参照:https://gan-mag.com/gastrointestinal/8826.html)
実は現在のところ、「スキルス胃がん」のみを抽出した生存率の信頼できる統計は出されていません。
スキルス胃がんは、初期症状に乏しく、発見したときには進行している症例が多いことから、胃がんのステージ4の生存率を参照する場合が多いようです。
ステージ4の胃がんの5年生存率を参照すると、非常に低く、 一般的な平均値では7~9%とされていて、それ以外の多くの研究でも高くて10%以下と報告されている傾向にあります。
スキルス胃がんの末期と評価された場合の余命は、がんの広がり具合や対応可能な治療によって大きく異なりますが、平均して数ヵ月から1年程度とされています。
スキルス胃がんの完治とは?再発はどのくらい?
スキルス胃がんが完治したと評価されるのは、治療後にがんが完全に消失し長期間再発しない場合です。スキルス胃がんに限らず、胃がんの再発の多くは治療後2〜3年以内に起こります。
多くの症例で、治療後5年間は経過観察のために定期受診をします。厳密にいうとがんの種類や進行度などにより違いはありますが、一般的に「完治した」といえる指標が5年間再発がみられないことだからです。
再発に至る確率は早期発見と初期段階での治療に強く影響されますが、スキルス胃がんは進行も早いため、完治が困難である症例も少なくありません。
スキルス胃がん治療後の対処法で完治を目指す
スキルス胃がん診断後は、生活の質を維持しながら再発防止に向けた取り組みも大切です。ここでは、治療後の対処法と日常生活での注意点について説明します。
スキルス胃がん再発防止や早期発見につなげる対処法
スキルス胃がん治療後は病状の定期的なチェックが必要です。治療後の定期検診には、血液検査や内視鏡検査、時には画像撮影検査が含まれます。自覚症状に変化があればすぐに医師に報告しましょう。
日本臨床外科学会の定期検診の項目について参照すると、一般的に胃がん治療後の定期検診は治療後3年目までは3ヵ月から半年に一度のペースとされています。
患者さんの病状や治療の内容により多少の違いはありますが、早期発見や再発防止に努めるために定期検診は欠かさずおこなうよう心がけたいものです。
日常生活での注意点
胃がんの治療を始めたあとには、食生活について意識を向けることが重要です。
胃や残存した消化管に負担のかかりにくいものにし、消化しやすい食事を心がけます。
手術の内容や、胃の状況により小分けにして頻繁に食事を摂ることで胃への負担を減らす方法をとり入れなければならない症例もあるでしょう。
また、体力に応じて適度な運動を意識する心がけも必要です。
節酒、禁煙も重要です。飲酒や喫煙は細胞のがん化につながることがわかっています。再発防止に努め、免疫力UPにつなげるとともに健康維持を図りましょう。
さらに精神的なケアも重要で、カウンセリングやサポートグループを利用し、ストレスや不安のない毎日を送ることで免疫力のUPにつながることも示唆されています。心の負担を軽減し、前向きな日々を送る工夫をとり入れてみましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
>>スキルス胃がんになりやすい人は?原因と早期発見・予防策について解説
>>免疫とは?免疫に関するのウソ・ホントについて解説
完治した方の体験談
スキルス胃がんとの闘いは一人ひとり異なります。時として余命宣告されたにも関わらず、病状が改善し完治への可能性を見出している患者さんの体験談から、共通の教訓やヒントを得ることもできるでしょう。
ここでは、実際にステージ3Aの胃がんを発症し、抗がん剤治療をしたのち、翌年に縦郭リンパ節転移の再発を認められ余命宣告されたものの、治療以外にも目を向けた生活を意識し、がんの縮小に成功、現在でも元気に生存している80代男性の事例を紹介します。
ステージ3Aの胃がんを発症したAさんの体験談
2019年、Aさんに95㎜×90㎜もの大きな胃がん病変が確認されました。そのときすでに漿膜や周辺の周辺のリンパ節への転移も認められ、手術と術後抗がん剤にて治療を試みました。
しかしながら翌年、縦郭傍大動脈リンパ節転移が確認され、悪液質も現れがんの再発と診断されたのです。その時点で医師から告げられた余命は「半年」。
悲観し絶望するなかで、それでもあきらめずにできることを模索しました。がん治療としては種類を変えた薬物療法を継続。「抗がん剤を変えたのだから……」とわずかな期待を持ちながら自身の体力や免疫力の土台にも意識を向けて、経口摂取する物も医師と相談しました。
そのなかで、医師から「中分子フコイダン」を紹介いただきました。抗がん剤と併用することで、副作用が軽減できるばかりか、がんを死滅させるアポトーシス誘導作用等の効果が期待できるとのことでした。抗がん剤治療の効果をよりサポートできる中分子フコイダンなるものを知り、また悲観的にならずに過ごすことを意識して毎日を楽しむように心がけました。
その甲斐があってか、抗がん剤を使用しながらでも少しずつ食欲や体力が回復して来たのです。体力が付いてくると不思議と気持ちも前向きになるもので、完治に向けての抗がん剤治療と中分子フコイダンの摂取を継続しました。
その後、転移リンパ節の縮小を確認され体力や食欲もますます戻ってきているのだとか。余命半年と宣告されてから1年以上延命し、がんの縮小も認められ、さらに完治に向けた治療に前向きに励んでおられるそうです。
中分子フコイダンやフコイダン療法について詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事を確認してみてください。
>>フコイダンの分子量問題に決着をつける中分子フコイダンとは?
胃がんの体験談から考える回復のための大切なこと
がん治療についてはさまざまな見解があり、人により有用なものには多少の違いはありますが、「前向きな気持ち」「正しい治療法」「身体を作る栄養素の大切さ」はがんと闘うために大きく影響をおよぼすと考えられた事例でした。
治療そのものに意欲的に取り組むことはもちろん大切ですが、そのベースとなる「心と体」の健やかさをおろそかにしてはいけません。心と体が充実しているからこそ、悲観的な状況を打破できたといえるのかもしれませんね。
医師が監修した免疫力や栄養素の大切さについて知りたい方は、こちらの記事も参照してください。
>>がんが嫌う食べ物、好む食べ物とは?具体例と合わせてご紹介
>>がんとブドウ糖の関係性とは?がんが増殖する仕組みと取るべき栄養素についても解説
>>【幸せホルモン】セロトニンの分泌で心も体も幸せな毎日を(①オキシトシン②セロトニン③ドーパミンエンドルフィン)
まとめ
スキルス胃がんは、その進行の速さや治療の難しさから、完治が困難なケースが多いですが、適切な治療と早期発見によって完治に至る人もいます。
完治した人たちはスキルス胃がんの診断がついたあと、治療に臨むとともに食事や運動に気を配りながら、精神的なケアも含めたさまざまな方面から免疫力を意識した対処法を実践しているのでしょう。
スキルス胃がんと診断されても、情報という数字にとらわれず、前向きな姿勢で治療とケアに取り組むことが、スキルス胃がんを克服するための大切な鍵となるはずです。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
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