2023.04.28
がん子宮体がんの初期症状とは?不正出血から始まるサインと早期発見の重要性
「最近、不正出血があった」「閉経後なのに出血が……」そんな症状に心当たりはありませんか?
子宮体がんは女性特有のがんの一つで、初期段階でも比較的わかりやすい症状が現れやすいがんです。初期でも生じるわかりやすいサインとして「不正出血」があり、早期発見につながる重要な手がかりです。
この記事では、子宮体がんの初期症状や進行によって現れる兆候、検査方法やステージ別治療法、さらには予後や5年生存率に至るまでを詳しく解説します。
気になる症状がある方や婦人科検診を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
子宮体がんとは

(参照:子宮のがんについて | にんようjp、https://www.fkmc.or.jp/ninyo/article/006/)
子宮は妊娠したときに胎児を育てる、女性特有の骨盤内にある臓器です。子宮は主に入り口部分の「子宮頸部」と奥側の胎児が発育する部分の「子宮体部」に分けられます。子宮は胎児の成長に対応できるように伸縮性のある「子宮筋層」と呼ばれる丈夫な筋肉でできています。その内側に子宮内膜という粘膜で子宮内を覆っていて、子宮体がんはその子宮内膜の異常増殖によって発生します。
子宮体がんの症状
子宮体がんは、比較的早い段階から自覚症状がみられやすいがんの一つです。代表的なサインとなる症状を正しく理解し、早い段階で受診につなげることが予後につながります。
子宮体がんの初期症状
子宮体がんに関わる症状で受診のきっかけとなるよく聞く症状は「不正出血」です。月経時以外に不正出血が見られて受診し、発見されることがあります。また、閉経後の患者さんの場合は、不正出血が見られた場合にすぐに異常を疑えるので、自覚しやすい症状だといえます。
子宮体がんの進行時の症状
子宮体がんが進行してくると、さまざまな症状が現れ始めます。おりものの異常や排尿時の痛み、排尿困難など子宮や子宮周辺に関わる症状が徐々に増えてきます。腫瘍部分が増大してくるとお腹に痛みを感じるだけではなく、お腹の張り感やリンパ管の流れなどにも影響を及ぼすことがあり、足にむくみが生じることもあります。また、性交時に痛みを感じることもあるようです。
子宮体がんの検査・診断
子宮体がんは子宮頸がんと違い、健診プログラムが組まれている自治体は少なめです。そのため、子宮頸がんとは違い何らかの異常や意識がけにより受診して、検査することが一般的です。また、子宮体がんではなく別の気になる症状がきっかけで婦人科を受診し、たまたました検査で偶発的に見つかることもあります。ここでは、子宮体がんの診断につながる検査について解説します。
問診・内診・経膣超音波検査(エコー)
ごくまれに、子宮頸がんの検診を受けた際に何らかの異常で引っかかり、子宮体がんの発見のための受診へと至ることがあります。
子宮体がん発見に至るための最初におこなわれる検査は、問診や内診などです。問診により発生要因があると考えられる場合や、内診や触診で子宮や子宮周囲に腫れや粘膜の異常などが見られることがあります。また、経腟超音波検査で子宮内膜の厚みが厚くなっていることが観察された場合には、細胞診へと進みます。
細胞診
問診や内診、エコーなどで子宮体がんが疑われた場合、最初におこなうのが細胞診です。子宮体がんの細胞診は、子宮の内膜のごく一部を専用の器具で採取し、顕微鏡で調べます。
外来受診の際に内診台に乗り検査を受ける必要がありますが、麻酔などの必要もなくすぐに検体を採取できます。子宮頸部の検診を受けるよりも痛みはともないますが、生理痛のような痛みの程度とされています。
組織診
前述の細胞診は目視できない状態で検体を採取するため、がんのある部分の細胞をうまく採取できないこともあります。細胞診でははっきりしたことがわからなかったけれども、疑わしさがある場合に、より正確で詳細な情報を得るために組織診がおこなわれます。
組織診は、細胞診と同様に専用の検査器具で子宮内の組織を少量こすり取ります。あらかじめ子宮口を広げる処置をしてから子宮内を観察し組織を取ったり、子宮鏡と呼ばれる内視鏡を使って、疑わしい部分をカメラ越しに確認しながら組織を採取する方法です。組織診ではがんの確定診断のほかに、がんのタイプや悪性度などの判定の一助にもなります。
画像検査(超音波検査・MRI・CT)
画像検査は、子宮体がんであるとの確定診断が出た場合に、がんの広がりやがんの進行度を決めるための情報収集の一助としておこなわれます。超音波検査により、子宮内膜の状態と周辺組織との位置関係を調べます。
MRIやCT検査では、リンパ節転移の有無や遠隔転移の有無、周辺組織への浸潤なども調べます。MRI検査は、子宮の筋肉内にどの程度食い込んでいるのか広がっているのかなどの情報が得られます。PET検査では、全身のリンパ節や遠隔転移の有無なども検査できます。
腫瘍マーカーやホルモン値の採血
子宮体がんのなかには、女性ホルモンであるエストロゲンががん化に関わっているタイプがあり、1型と呼ばれていて閉経前後に見られやすいタイプのがんです。若年者にも発生することがあります。一方でエストロゲンががん化に関わっていない2型は、閉経後や高齢者に多いがんです。
ホルモンに関与しているのかどうかを確認するために、ホルモン検査も実施します。また、病状を把握するために、子宮体がんの腫瘍マーカー「CA125」を計測します。
子宮体がんのステージ

(参照:進行期分類(ステージごとのがんの広がりや浸潤) | 子宮頸がん | MSD oncology がんを生きる、https://www.msdoncology.jp/cervical-cancer/staging/)
子宮体がんは、手術で子宮体部に発生した腫瘍と周辺組織を取り除き、生検をして最終的なステージが決まります。術前にさまざまな検査が実施されますが、あくまでも病状を推定するのみに留まっているのです。このように、病状を手術前に正確に把握することが難しいのも、子宮体がんの特徴といえるでしょう。
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ステージ0(がんになる前の段階)
- 子宮内膜に異型細胞がとどまっており、がんとしては成立していない前がん病変。
- 適切な治療で進行を防げる段階。
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ステージI(がんが子宮内にとどまっている)
- がんが子宮体部の内部に限局している状態。
- 早期のがんで、予後良好なケースが多い。
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ステージII(子宮頸部へ広がっている)
- がんが子宮体部から子宮頸部へ進展した状態。
- 骨盤外には広がっていない。
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ステージIII(子宮外へ広がっている)
- 骨盤内の組織やリンパ節まで浸潤が及んでいる。
- 卵巣・卵管・膣上部などに転移がみられることもある。
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ステージIV(遠隔転移がある)
- がんが腹膜・膀胱・直腸、または肺などの遠隔臓器に広がった状態。
子宮体がんの治療

(参照:子宮体がん|産婦人科|新百合ヶ丘総合病院、https://www.shinyuri-hospital.com/department/21_obstetrics_and_gynecology/disease_02.html)

(参照:子宮体がん | 公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会、https://jsgo.or.jp/public/taigan.html)
子宮体がんの術前の検査は、あくまでも進行状態を推定するのみにとどまり、最終決定は手術後となります。手術で取り除いた悪性腫瘍実質を検査し、進行度を確定するうえで術後の再発リスクも判定し、追加治療の有無や種類が検討・選択されます。
手術
子宮体がんの治療の中心であり、基本となるのが、がんを含む子宮を摘出する「手術」です。進行度によって切除範囲は大きく異なります。ここでは、子宮体がんに適応となる術式について解説します。
単純子宮全摘出術
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(参照:子宮体がん|産婦人科|新百合ヶ丘総合病院、https://www.shinyuri-hospital.com/department/21_obstetrics_and_gynecology/disease_02.html)
子宮体がんの前がん病変や、ステージ1期であると推測された場合に適用となる術式です。子宮体がんの手術のなかでは最も切除範囲が小さく、子宮のみを摘出します。
とはいえ子宮体がんの場合、術後の検査も兼ねる場合が一般的です。手術では基本的に子宮のみではなく、卵巣や卵管の摘出も合わせておこなうことがスタンダードな術式です。卵巣や卵管の摘出が合わせて実施された場合、単純子宮全摘出術に加えて両側付属器摘出術が追加の術式としてオーダーされます。近年では低侵襲手術として、腹腔鏡下やロボット支援で手術をする施設も増えてきました。
広範囲子宮全摘出術

ステージ2期以降と予測される患者さんに対しては、広範囲子宮全摘出術が適応です。広範囲子宮全摘出術では、子宮の他に卵巣や卵管、さらに転移が予測されるリンパ節まで広く摘出します。病状により膣の一部を切除することもあります。
リンパ節郭清術

(参照:子宮体癌のMRI画像診断、疫学、分類、治療、https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/7072)
リンパ節郭清術は、子宮体がんがリンパ節へ広がっている可能性を考慮しつつ再発リスクを下げる目的でおこなわれます。骨盤内リンパ節や大動脈周囲リンパ節を切除し、がん細胞の転移の有無を調べます。切除したリンパ節も病理検査をして転移の範囲を調べ、術後の治療方針(追加の抗がん剤治療の必要性など)を検討する判断材料とするのです。また、予後の判断にもつながります。進行度が高いほど広範囲の郭清が必要です。
化学療法
子宮体がんもステージ3期以降になると、子宮の外にまでがん細胞が広がっている状態です。ステージ3期以降であると予測される場合には、手術で悪性腫瘍や周辺組織への転移部分を除去したあとに追加で化学療法もおこないます。
抗がん剤としてよく用いられるのは、シスプラチンやカルボプラチンなどのプラチナ製剤、パクリタキセルやドセタキセルなどのタキサン系薬剤などを組み合わせて、2剤を併用するのが一般的です。
4期以降と予測される場合、あらかじめ化学療法をおこなって、たとえすべてのがんを切除しきれないと判断された場合でも、悪性腫瘍自体が小さくなれば腫瘍減量術という手術がおこなわれることがあります。
子宮を含めて可能な限りがんを切除しますが、あらかじめ手術しやすいように悪性腫瘍に対して抗がん剤でアプローチしておくのです。がんの一部が残ることがわかっていても、手術でできる限りがんを取り除くことで、治療後の経過の改善を目指します。
子宮体がんは手術が基本的な治療ですが、患者さんの体力や病状により、手術をせずに薬物療法のみで経過を見る場合もあります。
放射線治療
ステージ4期以降の子宮体がんの場合、放射線療法が選択されることもあります。遠隔転移がなく子宮周囲への浸潤は見られるものの、浸潤範囲が骨盤内にとどまっている場合には放射線治療が適応になることがあります。
フコイダン療法
フコイダンは、海藻類に含まれる硫酸化多糖体の一種で、近年はがん治療の補助的な選択肢としても注目されています。抗がん剤や放射線治療そのものに代わる治療ではありませんが、免疫機能の調整や炎症の抑制、治療にともなう倦怠感や体調低下の軽減などが期待できます。
実際に当院の事例では、抗がん剤治療と併用することで抗がん剤の副作用である倦怠感が低減し、治療に立ち向かうための移植にもつながったと患者さんからお喜びの声をいただいています。
こちらの事例では、抗がん剤副作用の軽減だけではなく、病状が良くなった結果にもつながっています。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
>>“臨床例②:ステージⅢCの卵巣がんの腹膜播種(62歳女性)”
子宮体がん予後・5年生存率

(参照:院内がん登録生存率集計結果閲覧システム、https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph#h-title)
子宮体がんは不正出血というわかりやすい初期症状があるため、比較的早期に発見されやすく、全体の5年生存率データを見ても高い水準をキープしています。ステージI期では90%を超える良好な数字が示されています。一方で、進行期が上がるほど生存率は大きく低下し、III期・IV期では治療後の再発や転移のリスクも高くなります。このように、早期診断と適切な治療が予後に大きく影響するといえそうです。
まとめ
子宮体がんは「不正出血」という初期症状が現れやすく、比較的早期に気付ける可能性のあるがんです。進行するにつれてさまざまな症状が現れ、治療方法も手術や化学療法、放射線治療など多岐にわたります。
子宮体がんはI期での5年生存率は90%を超える一方で、進行期では予後が厳しくなる傾向にあります。少しでも異変を感じたら放置せず、早めに婦人科を受診することが早期発見と治療へとつなげられるでしょう。自身の体からのサインを見逃さず、大切な健康を守る第一歩を踏み出しましょう。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
「中分子フコイダン」を用いた臨床結果の一例を紹介しています。どういった症状に効果があるか具体的に知りたい方は臨床ページをご覧ください。
>>「中分子フコイダン」を用いた臨床結果
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
がんの種類を知る
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