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大腸がんの初期症状とは?早期発見のために気にするべきことについて解説!

大腸がんの初期症状とは?早期発見のために気にするべきことについて解説!

大腸がんは比較的進行が遅いがんとして知られていますが、初期段階では自覚症状が少ないため、発見が遅れてしまうことも珍しくありません。

「なんとなく体調が悪い」「排便のリズムが崩れてきた」といった小さな変化は、忙しい日常のなかで見逃されやすいものです。しかし、こうした初期サインに気付くことが、早期発見・早期治療へつながる第一歩になります。この記事では、大腸がんの初期症状や検査の種類、定期検診の重要性について詳しく解説していきます。

>>大腸がんとは?その症状と治療法について

日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

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大腸がんの初期症状

大腸がんは比較的進行の遅いがんといわれていて、初期段階では自覚症状がほとんど現れにくいことも特徴です。初期症状がわかりにくいため「気付いたときには進行していた」というケースも少なくありません。

初期の段階では症状は現れにくいですが、そのなかでも比較的早くに感じやすい症状として、排便のリズムの変化があります。

下痢や便秘が続く、もしくは下痢と便秘を繰り返すといった症状は、大腸がんのなかでも早い段階で見られやすい症状の一つです。

また、便に血が混じる、赤い血便や黒っぽい便が出るといった変化も、大腸がんの自覚しやすい初期症状とされています。

ただ、これらの症状は日常生活のなかでも起こりやすく、ストレスや食生活の乱れでも見られるため、つい見過ごしてしまう人も多いのも実態です。特に排便異常に加えて出血や便の色の異常など複数の症状が同時に現れた場合は、なるべく早く医療機関への受診を検討しましょう。

大腸がんに気が付いたきっかけ

大腸がんは初期段階では目立った症状が少ないため、自覚して病院を受診するきっかけが得にくい傾向にあります。初期段階で大腸がんが発見された例としては、
健康診断や人間ドックの「便潜血検査」で異常が見つかり、精密検査に進んで発見される
というケースが少なくありません。

また、日常生活のなかでふとした変化に気づき、病気の発見につながることもあります。「下痢や便秘が長く続く」「便が細くなった」「排便後も残便感がある」など、排便にまつわる異常を感じたことが受診のきっかけになることもあるようです。

これらの変化は、ほかの病気や一時的な体調不良でも起こりうるものですが、大腸がんの可能性もゼロではありません。大腸がんは、早期に発見できれば高い確率で治癒が可能ながんです。だからこそ、体からの小さなサインを見逃さず、「いつもと違う」と感じたら早めの受診を心がける意識づけが大切です。

大腸がんが生じる場所による症状の違い

大腸がんが生じる場所による症状の違い
(参照:https://www.senju-ge.jp/media/colon-cancer-early-symptoms

大腸がんは進行してくることでさまざまな症状を呈します。大腸がんは大腸のどの部分で腫瘍が増大しているかによって現れる症状も異なります

肛門側により近い大腸の左側に悪性腫瘍ができれば、排便異常にともなう自覚症状で気がつく場合もあります。しかし病状が進行していたとしても、肛門より離れた場所に生じる大腸の右側で腫瘍が増大している場合、症状が生じたとしてもわかりにくくかなり進行した状態で発見されることも少なくありません。

また、大腸自体は痛みの神経がないため、悪性腫瘍ができたとしても痛みを感じることはなく、痛みを感じている場合には悪性腫瘍そのもの以外が要因となっている場合があります。

大腸がんの進行にともなう情報については、こちらの記事も参考にしてください。

>>大腸がんの進行速度とは?ステージ別に知る進行の特徴と治療選択のポイント

大腸がん初期におこなう選別検査

大腸がん初期におこなう選別検査
大腸がんは初期にはほとんど自覚症状がないため、症状の有無に関わらず、定期的な検査が早期発見に役立ちます。ここでは、大腸がんの初期スクリーニングや、自覚症状がない場合にも用いられる代表的な検査方法を紹介します。

便潜血検査(FOBT)

現在、健康診断なども含めて広く用いられるスクリーニング検査です。便のなかに含まれる微量の血液を調べることで、大腸がんやポリープの出血を早期に発見します。2日分の便を採取するタイプが一般的で、痛みもなく自宅でおこなえるのが特徴です。陽性の場合には、精密検査として内視鏡検査へ進むのが一般的です。

大腸内視鏡検査(CF:Colonoscopy)

肛門から内視鏡というスコープを挿入し、大腸全体の粘膜を直接観察する検査です。病変の有無をリアルタイムで確認でき、組織採取(生検)やポリープ切除も同時に可能なため、診断と治療を兼ねた検査が可能です。便潜血検査で陽性となった場合や、家族歴がある人などに検討・実施されます。

造影検査(注腸X線検査)

バリウムという造影剤を肛門から注入し、大腸の形や狭窄、腫瘍の有無をX線で調べる検査です。スコープが入りにくい場合や、内視鏡が困難な方に適応されることがあります。現在ではCTによる仮想内視鏡(CTコロノグラフィ)も登場しています。

これらの検査を適切に組み合わせることで、大腸がんを早期に発見し、治療に結びつけることができます。
※狭窄 血管や管状の構造物が、何らかの原因により通常よりも狭くなる状態

40歳を越えたら1年に1回の大腸がん検診を検討するべき理由

40歳を越えたら1年に1回の大腸がん検診を検討するべき理由
(参照:https://www.yusokensa.com/kensin07s1.html

40代以降に大腸がん検診を定期的に受けるべき理由は、大腸がんの発症リスクが年齢とともに上昇するためです。大腸がんは、日本人に多いがんの一つで、特に50代以降に急増します。しかし、その前段階となるポリープや初期病変は、40代からすでに始まっていることもあります。

大腸がんは比較的進行が遅いがんとされているため、早期に発見できれば内視鏡での切除など、比較的軽い治療で根治が可能です。一方、進行してから見つかると、外科手術や抗がん剤治療が必要になるほか、再発リスクやQOLの低下も懸念されます。
また、初期の大腸がんは自覚症状に乏しく、便通異常や血便が出る頃には、すでに進行していることもあります。そのため、症状が出る前の段階で発見するためには、定期的な検診が大切です。

特に便潜血検査は、体への負担が少なく簡単におこなえるため、40歳を過ぎたら毎年受けることを検討しましょう。実際に、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診のための指針」でも、便潜血検査の実施が掲げられています。

便潜血検査で異常が見つかれば内視鏡検査で詳しく調べることで、早期発見・早期治療につなげることができます。自覚症状がなくても、定期的な検診で健康を守る意識が大切です。

大腸がんの前のポリープと大腸がんの違い

ポリープとは胃や腸などの消化器官の粘膜にできる突起物のことを指しています。

きのこ状の「有形性」というタイプはよく知られているポリープの代表格です。その他にも「無形性」タイプやその中間の「亜有形性」などのタイプもあります。

ポリープなどを含めた塊のことを「腫瘍」といい、腫瘍は良性と悪性にわけられます。

がんはタイプでいうと、悪性の腫瘍で周りの正常な細胞を浸食して増加したり、血管やリンパ管を介して別の部位に転移することもあります
遠隔転移が起これば、ときとして生命に危険を及ぼすこともあります。

一方で良性の腫瘍は、周りの正常な組織を押しのけるようにゆっくりと増えていくため飛び火はしません。

ポリープにはがん化しやすいものがあるため定期的な検診が重要

ポリープのすべてががんになるわけではないのですが、大腸に発生するポリープのうち「腺腫」と呼ばれるタイプは9割近くの確率でがんに移行するという報告もあります。

どのようなポリープががん化しやすいかといわれると、1cmを越える大きさのポリープはがんになりやすいことがわかっています。

そのため、6mm以上のポリープが発見されたときには、予防的に切除をするケースも少なくありません。またポリープは複数発生していることもあるため、定期的に検査を受けることも大切です。

まとめ

まとめ
大腸がんは早期で見つけることができれば、内視鏡治療だけで完治が期待できる可能性が高いがんです。そのためにも、日々の体の変化に敏感になること、そして年齢を重ねたら定期的な検診を受けることがとても重要です。

便通の変化や血便といった小さなサインを見逃さず、早めの受診を心がけましょう。検査や治療は決して怖いものではなく、自分の命を守るための手段の一つです。大腸がんを「早く見つけて、しっかり治す」ために、今できることから始めてみてください。

近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。

なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。

フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。

それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。

「中分子フコイダン」を用いた臨床結果の一例を紹介しています。どういった症状に効果があるか具体的に知りたい方は臨床ページをご覧ください。
>>「中分子フコイダン」を用いた臨床結果

>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ

がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。

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この記事の執筆者
日置クリニック コラム編集部

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