2022.02.24
がん大腸がんの進行速度は?ステージ別の特徴や正しい治療法・生存率について解説!

大腸がんは比較的ゆっくり進行するがんといわれていますが、進行度によってその速度や広がり方には違いがあります。早期の段階では数年単位で進行する傾向にありますが、ステージが進むと半年〜数ヵ月単位で進行が加速し、命に関わるリスクも高まっていきます。
この記事では、大腸がんの進行スピードや転移の仕方、ステージ別に異なる治療方針、そして予後との関係について詳しく解説していきます。進行の特徴を知ることは、早期発見・早期治療の大切さを理解するうえでも非常に重要です。
目次
進行した大腸がんとは
(参照:https://www.ezoe-clinic.com/advanced_colon_cancer/)
大腸がんは、大腸の内側を覆う粘膜から発生し、進行とともに腸の壁の奥深くへと広がっていきます。がんが粘膜や粘膜下層にとどまっている段階は「早期大腸がん」と呼ばれますが、それより深く、筋層やその外側まで浸潤した場合は「進行大腸がん」に分類されます。
進行がんになると、がん細胞はリンパ管や血管を通じてリンパ節やほかの臓器へ転移する可能性があり、さらには腸の壁を突き破って周囲の臓器に直接浸潤したり、腹腔内にがん細胞がちらばる「腹膜播種」を引き起こすこともあります。
大腸がんの進行度は「ステージ(病期)」で分類されており、がんの深さ(T因子)、リンパ節への転移(N因子)、遠隔転移の有無(M因子)を組み合わせて診断されます。
(参照:https://www.yokohama-naishikyou.com/colorectal_cancer/)
例えば、がんが筋層にとどまっていればステージ1、筋層を越えていればステージ2、リンパ節に転移があればステージ3、他臓器に転移があればステージ4と判定されます。
大腸がんの進行速度
大腸がんは、比較的ゆっくり進行するがんとされていますが、進行度(ステージ)によってその速度や進行・転移リスクは大きく異なります。一般的に、早期がんは年単位で進行し、進行がんは半年単位、末期がんは月単位で進行するといわれています。
以下はステージごとの進行スピードの目安です。
ステージ | 進行スピードの目安 |
---|---|
ステージ1 | 多くは数年かけて進展する |
ステージ2 | がんが腸壁の外側へと浸潤し始め、進行速度がややはやくなる |
ステージ3 | 進行はさらに加速、未治療のままだと数ヵ月から1年以内にステージ4へと進行する可能性がある |
ステージ4 | がん細胞が全身に広がりやすく、月単位での進行が想定される |
大腸がんの進行度別治療法
大腸がんを完全に治すためには、がんを残すことなく完全に取り除くことが必要です。基本的に大腸がんの治療では内視鏡治療と手術が中心となり、薬物療法や放射線療法を追加する場合もあります。
大腸がんは、進行して深く広がるほどリンパ節などへの転移の可能性が高まります。がんが浅ければ内視鏡治療で腸管側のがんだけを切除しますが、深く広がっていたら手術でがんとリンパ節も切除する必要が出てきます。
大腸がんには大腸がん治療ガイドラインがあり、進行状況に合わせて、治療の方向性が示されています。進行度に応じて次のような治療方針が示されています。
ステージ0~1
リンパ節への転移が見られず、がんが粘膜または粘膜下層の浅い所にとどまっている状態です。がんの大きさを問わず内視鏡治療が選択肢となります。しかし、採取したがんを病理検査して広がりが確認できた場合、手術が必要と判断されるケースもあります。
ステージ1~3
がんが粘膜下層を越えて深部まで達している、あるいはリンパ節に転移している状態を指します。
このステージであれば手術が必要になってきて、開腹手術や腹腔鏡手術、ロボット支援下の手術が選択されます。近年では開腹手術よりも腹腔鏡手術を選択されるケースが増えてきていて、ロボット支援下手術も選択肢として広がりつつあります。手術後の組織を病理検査の結果、ステージ3と診断された場合には、再発を防ぐ目的で薬物療法などの追加治療が考慮されます。
ステージ4
遠隔転移がある状態です。がんが最初にできた場所と、転移が見られる臓器の状況に応じて、治療方針が検討されます。できることなら原発巣と転移巣どちらとも手術で切除し、切除できない場合は薬物用療法や放射線療法を検討します。
再発・転移した場合
再発や転移が見られた場合、その病巣は可能であれば内視鏡治療や手術などで切除をおこないます。切除できない場合は薬物療法や放射線療法、また転移した部位に応じて対症療法をおこなうのが通常です。
大腸がんの進行度に応じた治療法の選び方
大腸がんの治療を検討したときに、治療法はガイドラインに示された治療方針をもとに医師と相談して決めるのが通常です。患者側として治療を試みた場合、医師に確認すべきポイントは以下の4つです。
①がんの進行度
②どの治療法がベストでその治療を受けるとどのような影響があるのか
③ほかに選択できる治療法はあるのか、ほかの治療法との比較ポイントは何か
④治療後の生活の変化について
大腸がんの治療ガイドラインに示されている治療方針はあくまでも目安の1つです。大腸がんの完治を目指す場合、がんを確実にすべて取り除くことが重要ですが、患者さんの体力や持病、年齢などさまざまな要素を考慮してガイドラインで規定されていない部分も参考にし患者さん一人一人にあった治療法を選択するのが理想です。
医師と治療方針のすり合わせをする際にいわれるがままにするのではなく自分自身でも検討し納得する治療法を選びましょう。そのために確認しておきたい4つのポイントを抑えておくようにしましょう。
大腸がんの進行による生存率
(参照:https://osaka-gs.jp/2022/12/news6192/)
大腸がんは、比較的進行が遅いがんとされ、早期に発見できれば高い治癒率が期待できます。しかし進行すると、転移のリスクが高まり、生存率も大きく低下します。
少し前のデータになりますが、2010~2011年の統計結果を参照してもステージ0〜1では、5年生存率は95.1%以上と非常に高いです。内視鏡治療や手術により多くの場合で完治が可能であるといえるでしょう。
ステージ2では、がんが大腸の筋層を越えて浸潤している状態ですが、リンパ節転移はありません。5年生存率は88.5%で、手術に加えて補助化学療法がおこなわれることもあります。
ステージ3になると、リンパ節への転移が確認されますが、それでも5年生存率は76.6%を維持しています。この段階ではがん細胞がリンパ管を通じて体内に広がるリスクが高く、再発防止のために抗がん剤治療が検討されます。
最も進行したステージ4では、がんが肝臓や肺などの遠隔臓器へ転移しており、5年生存率は18.5%です。ただし、転移の部位や広がり方によっては、化学療法や分子標的薬、免疫療法を組み合わせることで、長期生存が可能なケースもあります。
このデータは少し前のものです。当時よりも医療が進んでいる現代であれば、正確なデータが算出できればさらなる数値の改善も期待できるでしょう。
このように、大腸がんの生存率はがんの進行具合と密接に関連しており、早期の発見と治療開始が、その後の生存率や予後に大きく影響します。定期的な検診や内視鏡検査により、早期段階での発見を試みることが重要ですね。
まとめ
大腸がんの進行速度はステージによって大きく変わります。早期であれば年単位でゆっくりと進行するのに対し、進行がんや末期がんでは急速に悪化する傾向もあります。大腸がんは進行にともなって治療内容も複雑になり、治癒の可能性や生存率にも大きく影響を及ぼします。
しかし、早期に発見できれば高い確率で完治が期待できるがんでもあるため、定期的な検診や内視鏡検査が何よりの予防策です。自分の体の変化に敏感になり、適切なタイミングで検査を受けることで、大腸がんから命を守ることにつなげましょう。
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