2022.10.27
がん便秘は大腸がん初期症状?便の異常を疑われるサインや検査方法まで徹底解説

大腸がんは、日本人の悪性腫瘍によるがん死亡率のなかでも高めであり、早期発見が重要です。しかし、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
そんな大腸がんのサインとして注意したいのが「便の異常」です。急な便秘や下痢、血便、便の色の変化が見られた場合、大腸がんの可能性を疑ったほうがよい例もあります。
この記事では、大腸がんの初期症状や便異常の特徴、検査方法などについて詳しく解説します。
目次
大腸がんの初期症状・進行時の症状
(参照:https://osaka-gs.jp/2022/10/news5952/)
大腸がんは、早期発見できれば非常に治癒率の高い病気です。できることなら早期発見・早期治療ができると望ましいですよね。
ここでは、大腸がんの初期症状や進行時の症状について解説します。早期発見のためには、普段から便の状態や体調の変化に気をつけることも意識しましょう。
大腸がんの初期症状
大腸がんは早期の場合ほとんど自覚症状はないといってもいいでしょう。さらにごく早期の場合、便潜血検査でも判定ができないこともあります。
早期のがんを確定的にみつけるには大腸内視鏡検査が効果的な検査方法です。逆にいうと、なんらかの自覚症状がある場合には、大腸がんがある程度進行している可能性も考えられます。
大腸がんが進行したときの症状
大腸がんが進行している場合、わかりやすい自覚症状の一つは「便の異常」です。大腸がんが進行すると、粘膜表面に潰瘍を作って出血し便が大腸を通過するときにこすられて血液が付着します。それが下血や血便、粘血便となって現れます。
また、悪性腫瘍が増大することにより腸管が狭くなるため、便の通りが悪くなります。便秘やお腹の張り感、下痢、残便感、便が細くなる便柱細小などの異常を引き起こします。さらに症状が進むと、腹痛や腸閉塞、腹部の腫瘤(しこり)などの症状が現れることもあります。
進行した大腸がんはさまざまな症状を呈しますが、がんの発生部位や進行度によっても症状に差があります。
注意が必要な点としては、これらの症状は大腸がん特有の症状ではなく、がん以外の病気でも起こりえるのが、診断をするうえでの難しいポイントです。
右側の盲腸・上行結腸・横行結腸までのがんは自覚症状が起こりにくい
(参照:https://www.senju-ge.jp/media/colon-cancer-early-symptoms)
大腸がんをさらに細かく分類していくと「盲腸がん・上行結腸がん・横行結腸がん・下行結腸がん・S状結腸がん・直腸がん」に分けられます。
このなかでも一般的に大腸の右側にある「盲腸・上行結腸・横行結腸」で発生したがんでは自覚症状が起こりにくく発見が遅れがちになります。腹部にしこりが触れたり慢性的な貧血症状が生じるようになって初めて体調の異変を感じることもあるようです。
かなり進行した段階で自覚症状が出現し、受診に至り発見されることもあります。大腸の右側で生じた悪性腫瘍の場合、便はまだ水分の多い流動便の状態で運ばれてきます。
悪性腫瘍によって腸管の通り道が多少狭くなっていても、通過傷害などが起こりにくい傾向にあります。また、出血があったとしても、そのあとの大腸を通る時間も長いため血便のようなわかりやすい自覚症状が現れにくいのも特徴です。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
>>大腸がんの初期症状とは?早期発見のために気にするべきことについて解説!
大腸がんと便の異常
(参照:https://www.senju-ge.jp/media/colon-cancer-hemorrhage)
大腸がんは、早期にはほとんど自覚症状がないため、便の異常が初めてのサインとなることも少なくありません。特に、急な便秘や下痢、血便、便の色の変化が現れた場合、大腸がんを疑うことも視野に入れましょう。
これらの症状が出現したときには、早期発見のためにも速やかに医療機関の受診を検討しましょう。
便秘
急に便秘がはじまった場合、大腸がんを疑う必要があります。普段は便秘にならない人が、突然便秘を繰り返すようになったときには注意したいところです。大腸がんが腸管を狭窄させることで便が通過しづらくなり、便秘が慢性化するケースもあります。
【大腸がんによる便秘の特徴】
・便が細くなる:腫瘍が腸を圧迫し、便が細くなる
・排便困難:強く力まないと排便できない
・便が硬くなる:腫瘍の影響で便通が遅くなり、水分が吸収されすぎて硬くなる
・腹痛や腹部膨満感:便が詰まって腸が張る
・吐き気や食欲不振:便秘が重症化すると腸閉塞を引き起こし、吐き気が生じる
下痢
大腸がんが進行すると、下痢が頻発することもあります。便秘と下痢を繰り返す症状や、水様便が続く場合は注意が必要です。腸の一部が腫瘍により大腸の水分を吸収する働きが悪くなり、便に水分が残りやすくなるため下痢が発生します。
【大腸がんによる下痢の特徴】
・水様便や粘液便が続く:腫瘍からの出血や分泌物が混じる
・便秘と下痢の交互発生:腸が狭窄している影響で便秘に、大腸でも水分の吸収量が減り下痢が出る
・腹痛や違和感をともなう:腸管の動きが異常になり痛みを感じる
・便に血液が混じる:腫瘍からの出血が混ざる場合がある
血便
血便は大腸がんを疑う重要なサインの一つです。鮮血が便に付着していたり、黒色のタール便が見られる場合もあります。
【大腸がんによる血便の特徴】
・鮮血便:直腸やS状結腸のがんで見られることが多い
・暗赤色便:横行結腸や上行結腸にがんがある場合、酸化して暗い色になる
・粘血便:粘液と血液が混ざり、ゼリー状になる
便の色
便の色が普段と異なる場合、大腸がんの兆候である可能性があります。特に注意が必要なのは、黒色便や赤色便、灰白色便です。
【大腸がんが原因の便の色の特徴】
・黒色便(タール便):上部消化管出血を示し、大腸がんの他、胃がんでも見られる
・赤色便:直腸やS状結腸のがんで、鮮やかな赤色の血が付着する
・灰白色便:胆管閉塞による胆汁分泌不全の可能性があり、がんによる二次的な影響としても見られる
・黄色や緑色便:腸内細菌バランスが崩れている場合が多いが、持続する場合には検査が必要
大腸がんと間違えやすい病気
大腸がんによって生じる初期症状から進行時に生じる症状は、実は大腸がん特有の症状ではありません。大腸がん以外にも生じる症状でもあるため、他の病気との区別が重要です。ここでは、大腸がんと間違えやすい病気について解説します。
痔
大腸がんと間違えやすい病気の一つで一番多いのは痔です。痔は悪性の疾患ではありませんが、同じように下血や血便が生じます。逆にいうと痔だと思い込んで大腸がんを見過ごしてしまうケースもあります。下血や血便を痔の症状だと自己判断せず、続くようであれば病院への受診を検討する必要があります。
クローン病・潰瘍性大腸炎
その他にも大腸がんと間違えやすい病気があります。潰瘍性大腸炎は主に大腸の表層粘膜にただれや潰瘍ができる原因不明の病気です。粘血便や下痢腹痛などの症状が現れます。
クローン病も消化管に原因不明の炎症が起こる病気です。患者さんのなかには腹痛や下痢が生じる他、発熱や下血、腹部のしこり、貧血、倦怠感、体重減少などが生じることもあります。
さらに過敏性腸症候群などでも便秘や便通の異常を起こすことがあります。
便に異常があったときに大腸がんかどうかを判別する検査
便に異常がある場合、大腸がんかどうかを判断するためには、いくつかの検査をおこないます。一般的には以下の検査を用いて診断の一助にします。
1.便潜血検査
便中に血液が含まれているかどうかを調べる検査で、大腸がんのスクリーニングとして広くおこなわれています。早期がんでは陰性となることもあるため、早い段階での確定診断には限界があります。
2.大腸内視鏡検査
比較的確実な診断方法であり、腸内を直接観察し、病変部から組織を採取して生検をおこないます。
3.CT検査・MRI検査
腫瘍の大きさや転移を調べるために使用されます。特に、内視鏡で確認できない場合に有効です。
4.腹部超音波検査
腫瘍の存在や腸壁の肥厚を調べるために使用されます。手軽に行えて患者さんの負担が少ないのも特徴です。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
>>大腸がんの初期症状とは?早期発見のために気にするべきことについて解説!
まとめ
大腸がんの初期症状は非常にわかりにくいのが一般的です。便秘や下痢、血便などの便の異常は自覚症状としてわかりやすい以上ですが、症状が現れているときには進行している例も少なくありません。
しかし、これらのサインを早期に察知し、「ちょっと体調不良だったかな?」などと軽くとらえずに適切な検査を受けることを検討しましょう。早め早めの対処で大腸がんの早期発見につなげられます。
日常的な健康管理と定期検査を心がけ、大腸がんから身を守るための意識を持つことが大切です。
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