2025.04.28
がん白血病と血液検査の数値|白血球が多い・少ないは何を意味するのか
白血病は、血液を作る骨髄の細胞ががん化し、正常な血球が作れなくなる病気です。そのため、血液検査は白血病の最も早い段階で異常が現れる検査として知られています。
白血球の数は、一般的な健診などでおこなわれる血液検査でのチェック項目の1つです。健診で出た数値をみて「白血球が多いといわれた」「白血球が少ないのは白血病?」といった不安を抱く方も少なくありません。
しかし、白血球数の異常だけでは白血病かどうかは判断できません。白血球の数値だけではなく、白血病の種類ごとに血液検査の異常の出方が違うからです。
この記事では、白血病の種類別にみられる血液検査の特徴、正常値との比較、異常が出たときの次のステップまでを解説します。
目次
白血病とは
白血病は「血液のがん」と呼ばれ、骨髄で作られる血球(白血球・赤血球・血小板)が異常に増えたり減ったりする病気です。
白血病は大きく4つに分類されます。
- 急性リンパ性白血病(ALL)
- 急性骨髄性白血病(AML)
- 慢性リンパ性白血病(CLL)
- 慢性骨髄性白血病(CML)
急性白血病は数週間〜数ヵ月で急速に進行し、慢性白血病は数ヵ月から数年かけてゆっくり進行するのが特徴です。
>>白血病の種類と特徴を徹底解説:タイプ別症状と治療法の違い
白血球が多い・少ない=白血病ではない|血液検査でわかる白血病のサイン
血液検査で「白血球が多い」「白血球が少ない」と指摘されると、白血病を心配される方も少なくありません。しかし、白血球をはじめとした血球成分は、日常的な感染症などでも変動するため、数値だけで白血病と判断するのは難しいといえます。
では、白血球の「増えた・減った」は、白血病以外でどのようなときに起こるのでしょうか。ここでは、白血病と鑑別するうえで重要となる血液検査のサインを、医学的な背景とともにわかりやすく解説します。
白血球が多い場合
白血球が増える原因として日常生活でよくみられるものには、風邪や胃腸炎などの感染症があります。体が細菌やウイルスと戦うために白血球を増やすため、一時的に高値になります。
しかし、感染症で増える白血球は「成熟した白血球」が中心で、体を守るために正常に働いている細胞です。白血病では、「芽球(がきゅう)」と呼ばれる未熟な白血球が異常に増えるため、白血球数が5〜10万/μLを超えるほど高値になることもあります。
白血球が少ない場合
白血球が少ない場合、日常生活でみられるものにはウイルス感染(インフルエンザ、コロナ、肝炎など)があります。また、薬剤(抗がん剤、免疫抑制剤、抗てんかん薬など)の副作用でも白血球が低下します。
急性白血病の初期では、骨髄ががん細胞に占拠され正常な白血球が作れなくなるため、白血球が減ることもあります。
赤血球の低下(貧血)
赤血球には、主に酸素を運搬する役割があります。赤血球が減ると、倦怠感や息切れ、動悸などの症状が現れます。赤血球の低下は、鉄欠乏性貧血や慢性疾患でも起こりますが、白血病では骨髄が正常な血球を作れなくなり、異常な白血病細胞が増えるため赤血球数が低下します。そのため、白血球の異常と貧血がセットでみられる場合、白血病の可能性が高まります。
血小板の低下(出血傾向)
血小板が減ると、鼻血、歯ぐきの出血、あざが増えるなどの症状が出ます。血小板は血を止める役割を持つため、減少すると体中のあちこちから出血しやすくなります。血小板の低下も、白血病以外に肝臓病や免疫性疾患で起こることがあります。しかし、白血病では赤血球・白血球・血小板のすべてが同時に低下する「汎血球減少」が起こりやすいのが特徴です。
白血病の種類ごとの血液検査の特徴

(参照:急性白血病|済生会、https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/leukemia/)
白血病とひとことでいっても、急性・慢性、リンパ性・骨髄性といった分類によって、血液検査に現れる異常のパターンは異なります。一般的に、骨髄の中で未熟な白血病細胞がどんどんと増えていくのが急性白血病、成熟した細胞がゆっくり増えていくのが慢性白血病です。
慢性リンパ性白血病に関しては血液検査だけで診断が可能ですが、その他の白血病は血液検査に加えて骨髄検査もおこなったうえで診断が確定します。
ここでは、それぞれの白血病でどのような変化が起こりやすいのかを、血液検査でよくみられる特徴とともに解説します。
急性リンパ性白血病(ALL)

(参照:白血病を知ろう|大阪公立大学 医学部附属病院、https://isyokukyoten-ocu.jp/wp-content/uploads/2021/01/623c196af43a130f2f06a97fee331b9c.pdf)
急性リンパ性白血病では、白血球数が増える場合もあれば、逆に極端に減ってしまう場合もあります。急性リンパ性白血病では、骨髄のなかでリンパ系の幼若細胞(芽球)が急速に増え、正常な血球が産生されるのを妨げてしまうからです。
骨髄液中に芽球が20%以上出現することが特徴で、同時に赤血球や血小板が作れなくなるので、赤血球や血小板の数値は下がるのが一般的です。
>>急性リンパ性白血病(ALL)とは|症状・検査・治療を医師が解説
急性骨髄性白血病(AML)

(参照:急性骨髄性白血病(AML)とは|ベネクレクスタ.jp、https://venclexta.jp/aml/disease/about.html)
急性骨髄性白血病でも骨髄系の芽球が急激に増えるため、白血球数は増える場合と減る場合の両方があります。白血球数の増減の違いとして、「骨髄内で骨髄系芽球が急激に増殖することは確認できる。その他の芽球は末梢血にどのくらい確認できるか」によって白血球数の異常に違いが生じます。血液検査では芽球が白血球としてカウントされます。白血球数は芽球が血液内に流れ出ると上昇し、骨髄内にとどまっていると低下します。
急性骨髄性白血病では、血液検査法の一種である「血液塗抹標本(血液をスライドガラスに薄く伸ばして染色し、顕微鏡で血球の形や状態を観察する検査)」で「Auer小体(アウエル小体)」がみられます。アウエル小体が確認できるのはAMLの特徴で、診断の決め手になります。
>>急性骨髄性白血病(AML)の初期症状とは?検査や治療法について解説
慢性リンパ性白血病(CLL)
慢性リンパ性白血病の血液検査での特徴は、リンパ球の増加で、成熟したリンパ球がゆっくりと増えていきます。病状の進行がゆっくりなので、初期症状に乏しく発見が遅れがちです。血液検査などでの異常指摘がきっかけで精密検査をして、発覚することがあります。
知らず知らずのうちにゆっくりと進行するので、白血球数が10万/μLを超えるほど高値になることもあります。正常なリンパ球と比較するとやや小型ですが、正常なリンパ球と見分けがつきにくいのも慢性リンパ性白血病の特徴といえるでしょう。
また、血液検査以外では染色体検査や遺伝子検査において、染色体の一部欠損や6番・11番・12番・13番・17番などの染色体異常が確認できることがあります。白血病細胞の表面にみられるタンパク質(表面抗原)のうち、CD5・CD23が陽性になるケースも確認できます。
慢性リンパ性白血病では、血液塗抹標本で白血球裂孔が見られるのも特徴です。スライドガラスに塗抹する際に細胞が壊れてしまうほど脆く、正常な白血球ではないことを示します。
>>慢性リンパ性白血病(CLL)の症状・検査・治療と予後を徹底解説
慢性骨髄性白血病(CML)
慢性骨髄性白血病では、白血球のなかでも顆粒球が増えていくのが特徴です。赤血球が正常よりやや減少しているか、血小板が増える傾向にあります。芽球は、はじめのうちは正常な血球と同じようにみえるものも多いです。進行とともに未熟な細胞も確認できるようになり、さまざまな分化段階の異常が確認できるようになります。その他の血液検査データの異常として、LDH(乳酸脱水酵素)の値、尿酸値、ビタミンB12の値が上昇することもあります。
慢性骨髄性白血病では、フィラデルフィア染色体とBCR-ABL1融合遺伝子がほぼ必ず検出されます。この遺伝子異常が白血病細胞を増殖暴走させ、白血球が異常に増える原因として知られています。
染色体遺伝子検査によりこれらの異常が確認されることで、慢性骨髄性白血病の診断が確定します。
>>白血病の種類と特徴を徹底解説:タイプ別症状と治療法の違い
一般的な血液検査の正常値
ここまで、白血病では血液検査においてどのような数値を示すのかを解説しましたが、血液検査の正常値は以下のとおりです。
| 血球成分 | 一般的な正常値 |
|---|---|
| 白血球 | 3,500〜9,000/μL |
| 赤血球 | 男性:430〜570万/μL 女性:380〜500万/μL |
| ヘモグロビン(Hb) | 男性:13.5〜17.6g/dL 女性:11.3〜15.2g/dL |
| 血小板 | 15〜35万/μL |
| 好中球比率 | 40〜70% |
| リンパ球比率 | 20〜45% |
血液検査で異常があった場合の精密検査
血液の細胞成分のうち、90%以上を占めるのが赤血球です。白血球の中の好中球が目立って減少する、正常時にはみられない白血病細胞や芽球が確認されるなどの症状があると、白血病が疑われます。白血病が疑われる場合、次の検査をおこないます。
骨髄検査
一般的に血液検査で赤血球や白血球、血小板の減少など何らかの異常があり、急性白血病が疑われる場合は、骨髄穿刺や骨髄生検をして骨髄液や骨髄組織を顕微鏡で調べます。骨盤の骨から骨髄液を採取し、芽球の割合を調べます。通常の割合は1〜2%程度ですが、20%以上の場合は「急性白血病」、20%未満の場合は「骨髄異形成症候群」に分類して診察を進めます。芽球の数だけではなく、採取した骨髄液を染色し骨髄性かリンパ性かを区別するための参照ともします。
染色体検査・遺伝子検査・表面抗原検査

(参照:白血病はなぜ起こるのか|きときとへまとろぐ、https://kitokito-hematolog.com/493/)
白血病のなかには、遺伝子異常や染色体異常が要因になっているものがあります。そのため、遺伝子検査や染色体検査をおこない、白血病の診断や病型の分類、治療方針などの判断材料とします。また、白血病細胞表面の抗原タンパク(白血病細胞の表面に発現している特徴的な分子「CD抗原」で複数種類ある)の種類によっても治療方針は異なります。それぞれの違いも判断し、タイプに応じた治療法の選択をする参照情報ともします。
>>白血病の検査方法とは?骨髄検査・血液検査・遺伝子検査まで詳しく解説
まとめ
白血病は、血液検査で早く異常が現れるがんの1つです。ただし、白血球が多い・少ないといった数値の変化だけで白血病と断定することはできません。感染症やストレス、薬剤の影響など、日常生活のなかでも白血球や赤血球、血小板は少なからず変動します。
白血病かどうかの疑いを持つために、複数の血球成分が同時に異常を示していないか、白血病の種類ごとに特徴的な数値の変化がみられるかを確認する必要があります。白血球の増減に加えて、赤血球の減少や血小板の低下が見られる場合は、白血病の可能性も考えられるため、早めの精密検査が重要です。
血液検査で異常が指摘された場合は、骨髄検査や染色体・遺伝子検査を組み合わせることで、白血病の種類や治療方針を決定するための大切な情報が得られます。白血病は種類によって治療法も予後も大きく異なるため、正確な診断が何より重要なのです。
「白血球が多いといわれた」「数値が低くて不安」といったときは数値だけで判断せず、専門医の診察を受けることを検討しましょう。
早期に異常をみつけ、適切な検査と治療につなげることで、白血病は十分に治療が可能です。
近年のがん治療には統合医療もおこなわれるようになっています。
なかでも注目を集めているのがフコイダン療法。中分子フコイダンが持つ作用に着目した療法で、がん治療によい効果をもたらすと期待されています。
フコイダン療法は、抗がん剤との併用が可能です。
それだけではなく、抗がん剤と併用することでその効果を高め、副作用の軽減も見込めると言われています。
「中分子フコイダン」を用いた臨床結果の一例を紹介しています。どういった症状に効果があるか具体的に知りたい方は臨床ページをご覧ください。
>>「中分子フコイダン」を用いた臨床結果
>>フコイダンとがん治療についてもっと詳しく知りたい方はこちらへ
がん治療における選択肢の1つとしてフコイダン療法があることを念頭に置き、医師と相談したうえでベストな治療方法を考えていきましょう。
がんの種類を知る
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