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症例集

臨床例⑥:ステージⅢBの胃がんの再発(80歳男性)

胃がんの手術から1年後、縦隔傍大動脈リンパ節転移を伴う胃がんの再発が認められて、約半年の余命宣告を受けた患者さんの症例です。再発後、中分子フコイダン療法を開始し、悪化・改善を繰り返しながらも食欲と体力とを徐々に取り戻されております。余命宣告の期間を大きく超えた今なお、日常生活を普通にこなされております。

症例

<手術(2019年3月)>
2019年3月、胃がんの手術を行った。その際、95mm×90mmの巨大な胃がんの病変が認められるとともに、漿膜への浸潤や、リンパ節転移も認められたため病理分類ステージⅢAと診断された。術後には、TS-1を継続的に投与することとなった。

<再発(2020年3月以降)>
2020年3月、PET検査、CT検査にて縦隔傍大動脈リンパ節転移が認められたため、がんの再発と診断された。同年8月には腫瘍マーカーCA19-9も28から755へと急上昇したため、分子標的薬ラムシルマブの点滴投与を開始した。同時に、中分子フコイダンドリンク(1本50mL)を1日1本ずつのペースで摂取を開始した。しかしながら、CA19-9は3802まで上昇し、体重も35Kgへと著しく減少した。約半年の余命宣告を受ける。

<再発後半年以降(2020年9月以降)>
2020年9月、抗がん剤をハーセプチン、ゼローダへと変更するとともに、中分子フコイダンドリンク(1本50mL)を1日3本ずつのペースで併用摂取を開始した。その結果、CA19-9は814まで改善したが、2021年2月、殺細胞性抗がん剤であるゼローダによる副作用が見られたため、ゼローダの摂取を中止した。抗がん剤がハーセプチン単独摂取となった後ほどなくして、CA19-9は再び上昇に転じ、2222まで悪化した。

<再発後1年以降(2021年3月以降)>
2021年3月、ハーセプチンに殺細胞性抗がん剤を結合させた抗がん剤であるトラスツズマブ・デルクステカンと、中分子フコイダンドリンクとの併用摂取に切り替えた。その結果、1か月後にはCA19-9が338まで改善した。2021年5月のCT検査でも転移リンパ節の縮小を認めている。体重は35Kgのままではあるが、食欲や体力も戻ってきており、現在一人暮らしの生活を送っている。

再発後の治療方法と腫瘍マーカーCA19-9の推移

<①2020年8月【CA19-9:755⇒3802】>
分子標的薬ラムシルマブの点滴投与と同時に、中分⼦フコイダンドリンク(1本50mL)を1日1本ずつのペースで摂取した

<②2020年9月~2021年2月【CA19-9:3802⇒814】>
ハーセプチン(一般的名称:トラスツズマブ)、ゼローダ(一般的名称:カペシタビン)の投与と同時に、中分⼦フコイダンドリンク(1本50mL)を1日3本ずつのペースで摂取した

<③2021年2月【CA19-9:814⇒2222】>
ハーセプチン(一般的名称:トラスツズマブ)の投与と同時に、中分⼦フコイダンドリンク(1本50mL)を1日3本ずつのペースで摂取した

<④2021年3月~5月【CA19-9:2222⇒338】>
トラスツズマブ・デルクステカンの投与と同時に、中分⼦フコイダンドリンク(1本50mL)を1日3本ずつのペースで摂取した

担当医の見解

今回の患者さんは、再発がんに悪液質が現れ、約半年という余命を宣告されております。本来であれば、副作用のでやすい殺細胞性抗がん剤の使用を選択しないのが一般的なのですが、中分子フコイダンによる抗がん剤の副作用軽減効果のためか患者さんに食欲・体力が見られたことと、ご本人が完治に向けて抗がん剤の使用を強く希望されたこととの2点の状況を鑑みて、余命宣告後にも殺細胞性の抗がん剤を使用した症例となります。

腫瘍マーカーの推移をみると、殺細胞性の抗がん剤の使用とともに腫瘍マーカーが減少(上記②)し、副作用により中止した直後に腫瘍マーカーが上昇(上記③)しております。さらには別の殺細胞性抗がん剤を再投与した後、急激に減少に転じた(上記④)ことが確認されました。一見、殺細胞性の抗がん剤が著効したかのようにも見えますが、悪液質が現れた状況下でこれほどまでに抗がん剤の効果が認められること自体が非常に珍しく、中分子フコイダンと殺細胞性の抗がん剤とを組み合わせた時の「相乗効果」が発現した結果ではないかと考えています。「なぜ相乗効果が生じるのか?」という医学的な見解については自説を持っておりますので、後日、ドクターズコラム等で述べたいと思います。

決して簡単なことではなかったでしょうが、患者さんは余命宣告をされたからといって希望を捨てず、完治を目指して前向きにお過ごしになられています。しばらく経過を見守りつつも、今後とも担当医としてQOLの向上に貢献できれば嬉しく思います。

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日置医院長

この記事の監修者
日置クリニック 院長
日置 正人 医学博士

【経歴】
昭和56年3月 
大阪市立大学医学部卒業
昭和63年3月 
大阪市立大学大学院医学研究科卒業
平成5年4月 
医療法人紘祥会 日置医院開設

【書籍】
ミトコンドリア不老術
(幻冬舎)
炭酸美肌術(幻冬舎 )
ほか多数執筆

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