症例集
臨床例⑧:ステージⅣAのスキルス胃がんと腹膜播種(45歳女性)
スキルス胃がんと診断され、腹膜播種も認められて「手術は難しい」と言われた45歳女性の患者さんが、
中分子フコイダンの併用開始3か月後に手術可能となり、完全奏効(がんの完全消失)が示唆された症例をご紹介します。
症例
健康診断をきっかけに検査を受けたところ、スキルス胃がんと診断されました。
スキルス胃がんは、胃の壁の奥深くに広がる特徴があり、発見が難しく、治療も難しいとされるタイプのがんです。
腹腔鏡検査では、腹腔内にがんの播種(腹膜播種)が認められ、手術は不可能との判断が下されました。
診断後、抗がん剤治療(化学療法)を1クール受けられていましたが、治療効果や副作用に対する不安があり、当院を受診されました。
診察時点では吐き気や食欲低下といった副作用がみられたため、抗がん剤の効果を補完し、副作用の軽減も期待できる中分子フコイダンの併用を提案し、治療に取り入れることとなりました。
治療方法
<化学療法(2024年11月~)>
シスプラチンを中心とした抗がん剤治療(化学療法)を実施。
<フコイダン併用(2024年12月〜)>
-
2クール目の抗がん剤治療を開始する際、中分子フコイダンの併用を開始。
中分子フコイダン 800mg/日(フコイダンドリンク50mLを1日2本)を4か月間継続摂取。
治療経過
<フコイダン併用開始から3か月後>
フコイダンの併用開始から約3か月後、再度CT検査および腹腔鏡検査を実施したところ、腹膜播種および胃壁の異常所見がいずれも消失していることが確認された。
これにより、当初は適応外とされていた手術が可能と判断され、実施に至った。
<手術(2025年4月)>
- 胃の下部を切除する手術を実施した。
- 術後の病理検査においては、がん細胞が確認されず、病理学的完全奏効が示唆された。
- 術後の再発予防を目的に再度シスプラチンによる補助療法が行われましたが、副作用のため中止となり、以後はTS-1および免疫チェックポイント阻害薬オプジーボを継続使用している。
担当医の見解
本症例では、スキルス胃がんに加え腹膜播種を伴うという、通常は手術が適応とならない厳しい状態から治療を開始しました。スキルス胃がんで腹膜播種がある場合、手術が可能となるケースは極めて稀で、化学療法後に手術適応となるのは数パーセント程度だと考えられます。
そのような中で、わずか3か月という短期間で手術が可能となり、完全奏効が示唆されたことは、非常に喜ばしく、かつインパクトのある結果だと受け止めています。
中分子フコイダンの併用を開始して最初に見られた変化は、抗がん剤の副作用がほとんど感じられなかったという点でした。特に吐き気がなく、食欲が保たれていたことは、患者さんにとっても大きな安心感となり、その後の治療を前向きに続ける原動力となったように思います。
スキルス胃がんは、EMT(上皮間葉転換)作用が強く、転移や浸潤のスピードが非常に速い「浸潤がん」として知られています。中分子フコイダンには、以下のような多面的な作用が報告されており、とくにこのようなタイプのがんに対して相性が良い可能性が示唆されます。
- アポトーシス促進作用(がん細胞の自然死を促す)
- 新生血管抑制作用(がんへの栄養供給を断つ)
- 免疫力向上作用
- EMT抑制作用
今回のようなスキルス胃がんの症例では、特にEMTの抑制や免疫調整といった作用が奏功したのではないかと考えています。実際、膵がんや乳がんといった他の浸潤がんでも、フコイダンとの併用で顕著な改善を認めた経験があります。
まだ経過観察は必要ですが、本症例は中分子フコイダンのもつ可能性を示す、非常に意義深いケースといえるでしょう。
そして何よりも、このような例があることが、今まさに治療に向き合っている患者さんやご家族にとって希望につながるのではないかと思い、症例を共有させていただきます。
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